屋敷豪太、奥田民生、藤井フミヤ&尚之、槇原敬之が真夏の京都で豪華コラボ

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ロックと京都文化を融合させたイベント「chidoriya Rocks 2022」が、8月12日に京都・ロームシアター京都で行われた。

「chidoriya Rocks 2022」アンコールの様子。(撮影:俵和彦)

「chidoriya Rocks 2022」アンコールの様子。(撮影:俵和彦)

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「chidoriya Rocks」は屋敷豪太・朋美夫妻プロデュースによる人気企画で、3年ぶりの開催となった今回も会場チケットが完売するほどの大盛況に。uP!!!とTELASAで行われたライブ配信も熱い盛り上がりを見せた。

屋敷豪太(Dr)(撮影:俵和彦)

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みうらじゅんといとうせいこうによるトークコーナーの様子。(撮影:俵和彦)

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開演時刻を迎えると緞帳の前に屋敷豪太(Dr)が現れ、イベントの概要を丁寧に説明。彼の「『chidoriya Rocks』始まります!」という言葉で緞帳がゆっくりと上がっていき、京都宮川町の芸妓と舞妓たちによるパフォーマンスが始まる。桜が散る美しい映像を背にした舞妓たちによる雅な舞、たおやかな歌と三味線に乗せて繰り広げられる芸妓たちの踊りを経て、ステージに屋敷率いる斎藤有太(Key)、小倉博和(G)、トオミヨウ(Key)、田中義人(G)、大神田智彦(B)、スパム春日井(Per)からなるThe Osmanthusが登場。大人の魅力を感じさせる、グルーヴィで艶のあるインストゥルメンタルナンバー2曲を奏でオーディエンスの耳を惹き付けていく。The Osmanthusが作り出した穏やかな空気の中、今度はラフなファッションのみうらじゅんいとうせいこうがふらりとステージへ。「これから何が始まるの?」という観客の不思議そうな視線を受けた2人は「みんなポカーンだよね」と自虐しつつ、みうらが描いた仏像や走り大黒の絵をスクリーンに投影しながら、京都にまつわる仏像の魅力や逸話を熱弁。2人の脱線しまくりの洒脱なトークと、みうら画伯による気迫がほとばしる独創的な絵の数々に、ホール内の雰囲気は時間の経過とともに和んでいき、客席から何度も笑い声が上がった。

奥田民生(撮影:俵和彦)

奥田民生(撮影:俵和彦)[拡大]

休憩を挟んで始まったのは、藤井フミヤ奥田民生槇原敬之という実力派ボーカリストたちが入れ替わり立ち替わり登場するライブセクション。先陣を切った奥田は、屋敷、斎藤、小原礼(B)、田中という手練れたちの盤石のアンサンブルに乗せ、自らもギターを弾きながら「さすらい」「太陽が見ている」を朗々と歌い上げる。旧知の仲であるバンドメンバーに囲まれた奥田はリラックスした表情で「おばんです! ひさしぶりにね、うれしおす」と挨拶をすると、屋敷曰く「chidoriya Rocks」恒例の洋楽コーナーへ。奥田は屋敷に「恒例なの?」とツッコミを入れつつも、サイケデリックなムード漂うSteve Miller Band「Fly Like an Eagle」を貫禄たっぷりにカバーし、さらに自身の代表曲である「イージュー★ライダー」を高らかに歌い上げた。ここで奥田の出番は終了かに思われたが、今度は屋敷と小原によるユニットThe Renaissanceのセッションが奥田を交えてスタート。ウクライナ戦争に巻き込まれた市井の人に向けて作られたという「NOT YOUR SLAVE」が、屋敷がギターを弾き、小原が歌い、奥田がドラムを叩くという特別編成で、中野裕之による映像とともに届けられた。

左から屋敷豪太、槇原敬之。(撮影:俵和彦)

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奥田と入れ替わるようにステージに呼び込まれた槇原は、屋敷との思い出話に花を咲かせる。「(この曲を)選んでもらえると思わなかったのでうれしかったです」という彼の言葉に続いたのは、オリエンタルなムードが漂うミディアムチューン「Star Ferry」。情感あふれる槇原の歌声と穏やかなアンサンブルがゆっくりと溶け合い、オーディエンスの旅情を誘う。「君は僕の宝物」でほんのりセンチメンタルな世界を描き出した槇原は、屋敷と顔を合わせ「楽しいです!」と満面の笑みを浮かべた。「(一緒に回っていたツアーでは)歌詞に毎回やられた。ピアノと歌だけの曲なんですけど、今日はスペシャルということで……」という屋敷の解説に続いたのは、槇原が作曲を手がけ、この日のバンドメンバーであるトオミヨウの父である須藤晃が作詞した「わさび」。日常的な視点を交えて書かれたナンバーを、槇原はバンドアレンジに乗せて身振り手振りを交えながらパフォーマンスした。

手を取り合い踊る藤井フミヤと槇原敬之。(撮影:俵和彦)

手を取り合い踊る藤井フミヤと槇原敬之。(撮影:俵和彦)[拡大]

左から藤井尚之、藤井フミヤ。(撮影:俵和彦)

左から藤井尚之、藤井フミヤ。(撮影:俵和彦)[拡大]

温かな余韻が残る中、今度は藤井フミヤと藤井尚之の2人がステージに合流し、コラボセッションへ。ここで披露されたのは、槇原が2008年にフミヤに提供した「着メロ」。フミヤと槇原は交互にリードボーカルを担い、尚之のサックスが主役を張る間奏では、手を取り合い軽やかなダンスを披露する。ラストでは視線を交わしながら、声を重ね合い、息ぴったりのパフォーマンスで観客の喝采を浴びた。小走りで去る槇原を見送ったあと、フミヤは尚之とともに「白い雲のように」を皮切りに、ソロデビュー曲「TRUE LOVE」、チェッカーズの「星屑のステージ」「夜明けのブレス」と、自身のキャリアを彩ってきたヒット曲を大盤振る舞い。「TRUE LOVE」では自身でアコースティックギターを爪弾くところ、その役割を尚之に委ね、ハンドマイクで伸びやかな歌声をホールいっぱいに響かせた。

「嵐の海」をパフォーマンスする屋敷豪太、奥田民生、藤井フミヤ。(撮影:俵和彦)

「嵐の海」をパフォーマンスする屋敷豪太、奥田民生、藤井フミヤ。(撮影:俵和彦)[拡大]

フミヤの「ご苦労、尚之!」という労いの言葉とともに、尚之と入れ替わるように姿を見せた奥田。フミヤは奥田をドラムセットに案内すると、同い年の屋敷と還暦トークを始める。「僕ら映画が半額になりました。君ももうすぐ半額になるから!」とフミヤに告げられた奥田は、笑いながらも「早くやりましょうよ!」と先輩に催促。勢いよくカウントをすると、かつてフミヤに提供したロックンロールナンバー「嵐の海」のイントロを奏で出す。フミヤが歌い、屋敷がギターを弾き、奥田がドラムを叩くという「chidoriya Rocks」ならではのセッションに観客は大盛り上がりとなった。なお、アンコールでは着物に身を包んだ槇原が、三味線の切々とした旋律に乗せ、小唄「濡れてみたさに」を披露するという粋なコラボレーションも行われ、客席を驚かせる場面も。ロックと京都文化の融合を目指すイベントのコンセプトにふさわしい演出に、オーディエンスはすっかり酔いしれていた。

uP!!!とTELASAでは8月20日23:59までライブ配信のアーカイブ映像を配信中。配信チケットは各サイトにて8月20日21:00まで購入できる。

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