Task have Funが同会場でワンマンライブを行うのは2019年11月以来、約2年半ぶり。本来、2回目の中野サンプラザホール公演は結成5周年のタイミングである昨年に実施される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受けて中止となった。この逆境にめげることなく精力的に活動を続けたTask have Funは今年3月より約2年ぶりの全国ツアーを行い、そのファイナルで中野サンプラザホール公演のリベンジを果たすことに。当日はホーン隊を含む大所帯のバンドセットで全楽曲を生演奏で披露するという、グループにとって初の試みとなる特別なステージが繰り広げられた。
開演時刻になると、総勢11名からなる“Band have Fun”の演奏に合わせ、淡い紫の衣装に身を包んだTask have Funがステージに登場。メンバーを1人ずつコールするお馴染みのSEですぐさま場内が興奮で満たされ、デビュー曲「TASK」で勢いよくライブの幕が開けると、3人の歌とダンスに呼応するように客席で3色のペンライトの光が揺らめいた。さらに熊澤風花の「皆さん楽しんでいきましょう!」という呼びかけとともに「部屋の中の天使」「星フルWISH」が立て続けに披露され、バンドがその場で生み出す迫力のサウンド、その音圧を味方にしたメンバーの華やかなパフォーマンスによって会場のボルテージがぐんぐんと上昇。最初のMCで観客に挨拶し、“Band have Fun”を紹介したあとはセクシーな歌声で魅せるアバンギャルドな1曲「背徳的カタオモイ」、ファンキーなサウンドがライブ映えする「メインアクター」といった新曲によって結成7年目に突入した3人の最新モードが提示された。
続いてTask have Funはホーンの音色が目立つ「インダ ビュリフォデイ」や、ロックチューン「『キメ』はRock You!」などバンドセットとの相性がいいナンバーを連発。会場の盛り上がりを加速させたかと思えば、MCではまだ中学生だった結成当初から6年が経ったことの実感を語ったり、里仲菜月が「ハンバーグ派ですか? ローストビーフ派ですか?」と客席に問いかけたりと和やかなトークを展開し、Task have Funらしい緩急で観客を楽しませていく。ライブ中盤のブロックでは「マーブル色の気持ち」「逆光」といったじっくりと聴かせるエモーショナルな楽曲が続き、3人がこの6年間で確かな歌唱力を身に付けたことが証明された。また、彼女たちはすみだしんやが作曲、MIZUEが作詞した新曲「ひと夏ボーダー」を初パフォーマンス。夏フェスでの披露も期待される疾走感あふれるサマーソングで、中野サンプラザホールをさわやかな高揚感で包み込んだ。
次のMCに入ると、メンバーはこのツアーでお披露目した楽曲を含む新曲で構成されるニューアルバム(タイトル未定)を今秋にリリースすることを発表。そして盛大な拍手が沸き起こる中、このライブがついにラストスパートに突入することを観客に告げ、グループのデビュー時からTask have Funの楽曲を数多く手がけるGUCCHOをバンドのギタリストに迎えた。総勢12名がそろい、盤石の布陣となった“Band have Fun”をバックにした3人は客席を力強く煽ったあと、ライブの人気曲である「けどハニカミ」「ギュッと、チュッと」を矢継ぎ早に披露。Task have Funの名をアイドルシーン全体に知らしめた2017年発表のキラーチューン「3WD」では、熊澤が「Task行きます」という冒頭のセリフをツアータイトルにちなんだこの日限りのバージョン「Taskあいにいきます」にアレンジしてみせたり、終盤のパートで里仲が「7年目いくぞー!」と叫んだりと、いつも以上に熱いステージが展開される。さらに「キミなんだから」では曲が始まると同時に客席上空に銀テープが勢いよく発射され、渾身のパフォーマンスがきらびやかに彩られた。
アンコールでは両脚をつってしまった里仲がなかなかステージに戻れないというアクシデントがありつつも、各担当カラーの新衣装に着替えて先に登場した熊澤と白岡今日花がそのハプニングさえも笑いに変え、軽快なMCで再び観客のテンションを引き上げる。彼女たちは客席番号が書かれたくじで観客2人を指名すると、ライブ本編のセットリストの中から1曲ずつ選んでもらい、そのリクエスト曲2曲を再演することに。2人のファンが楽曲をセレクトしている間も、メンバーはライブが始まった瞬間に感極まって涙したことをステージ上で告白したり、再登場した里仲やバンドを交えながら客席をバックに記念撮影したりと、2度目の中野サンプラザホール公演をたっぷりと満喫していた。そしてTask have Funがアンコールで再び披露したのは、ライブの盛り上がり曲である「3WD」「けどハニカミ」。この2曲によって場内の熱気が最高潮に達した。
計19曲を披露し終えたメンバーは、1人ずつ順番にファンに向けて挨拶。里仲はメンバーやファンへの感謝の思いを涙ながらに語ったあと、「私、すごく売れたくて! 売れるためにはこれからもっと努力が必要で。すでにたくさんの方に愛していただいてますけど、『タスク売れてるな』と思えるくらいもっと大きな会場でやりたいと思うので、ずっとタスクのことを応援してもらえるとうれしいです!」と声を弾ませた。続く熊澤も瞳を潤ませながら「これからもこの尊敬する2人と、大好きな皆さんとどこまでも楽しい道を歩んで、そしていろんな舞台に立ちたいです」とこの先の活動に対する意欲を口に。白岡は「本当にあっという間だったなと思うくらい、楽しくて充実した6年間でした。これからもこんなふうにあっという間に月日が経つんだろうなと、当たり前にタスク(のメンバー)でいるんだろうなと想像ができることがとっても幸せだなと感じています」としみじみと述べ、「この2人と一緒にこれからも楽しくいれたらなと思います。そして楽しんでいる私たちを見て、幸せだなと思ってくれたらうれしいです」と客席に呼びかけた。最後は手をつないで晴れやかな笑顔を浮かべる3人に対して温かい拍手が送られる中、ステージ上の紗幕が下り、中野サンプラザホールに心地よい余韻が広がった。
Task have Fun「結成6周年記念全国ツアー ~Taskあいにいきます。~」2022年6月12日 中野サンプラザホール セットリスト
01. TASK
02. 部屋の中の天使
03. 星フルWISH
04. 背徳的カタオモイ
05. メインアクター
06. インダ ビュリフォデイ
07. 「キメ」はRock You!
08. ラブグリッター
09. マーブル色の気持ち
10. 逆光
11. ひと夏ボーダー
12. 彗星のステージ
13. いつだって君のそばで
14. けどハニカミ
15. ギュッと、チュッと
16. 3WD
17. キミなんだから
<アンコール>
18. 3WD
19. けどハニカミ
熊澤風花 @Task_fuuka
ナタリーさんーーーーーー!!❤️🔥❤️🔥
今回も素敵な記事有難う御座います ❤︎ https://t.co/Bf52eufak4