本公演は、ヒグチが3月2日に約2年半ぶりとなるニューアルバム「最悪最愛」をリリースしたことを記念したもの。彼女はこの日、サポートメンバーとして御供信弘(B)、伊藤大地(Dr)、ひぐちけい(G)を迎えたバンドセットでのパフォーマンスを届けた。
ヒグチは「やめるなら今」「サボテン」「距離」といったニューアルバムの収録曲をメインに披露。手練れのメンバーが奏でる盤石のバンドサウンドに、感情のこもった真っ直ぐなボーカルを乗せてオーディエンスを魅了した。ライブ中盤には御供、伊藤、ひぐちの3人が一旦退場。1人ステージに残ったヒグチは、「最近思うんだよ。言葉は武器というか……」と訥々と語り始める。彼女は最近、周囲の何気ないひと言で傷つく出来事があったと明かし、「許してあげたいけど許せないことってあるよね。だけど本当は許せないものがずっと残っているとしんどいじゃないですか。いつか許せたらいいなという気持ちで、心のタンクがあるとしたら一番下に貯まったものをきれいにできたらいいな。きれいにできたら歌にします。みんなが歌にできない分は、私が歌を歌えたらいいなと思います」と話して、「悲しい歌がある理由」を鍵盤の弾き語りで演奏。優しくも力強いボーカルと、温かな鍵盤の音色が相まって場内は穏やかな雰囲気に包まれた。
ヒグチは弾き語りパートを終えてバンドセットに戻ると、アニメ「『進撃の巨人』The Final Season Part 2」のエンディングテーマ「悪魔の子」を初披露。彼女はハンドマイクを手に取ると、息遣いまで聴かせる鬼気迫るボーカルで観客たちを圧倒した。ライブ終盤、ヒグチはこれまでの活動を振り返りつつ「今日来てくれた人の中には初めての人もいるかもしれないし、ずっと来てくれている人もいるかもしれない。自分の周りをいろんな人がグルグルと回っていて、同じ大きさの歯車が同じタイミングで回ってまた会えることもあれば、1回しか会わない人もいる。でもその1回がこういうふうになることを、とても幸せに感じる日々なんです」とコメント。そして「もう会えなくても、今日会えたんだから元気で幸せでいてほしい。その人の人生を続けてほしい、ずっとそう思っています」とフロアに呼びかけ、暖色のスポットライトに照らされながら「劇場」を情感たっぷりに歌い上げた。
ヒグチは3月27日に大阪・umeda TRADで「HIGUCHIAI band one-man live 2022 [ 最悪最愛 ]」の大阪公演を開催。4月からは全国9カ所を回る弾き語りツアー「HIGUCHIAI solo tour 2022 [ 最悪最愛 ]」を行う。
HIGUCHIAI band one-man live 2022 [ 最悪最愛 ](※終了分は割愛)
2022年3月27日(日) 大阪 umeda TRAD
HIGUCHIAI solo tour 2022 [ 最悪最愛 ]
2022年4月9日(土)香川県 LIVE HOUSE 燦庫 -SANKO-
2022年4月16日(土)広島県 Live Juke
2022年4月23日(土)兵庫県 海辺のポルカ
2022年4月24日(日)福岡県 ROOMS
2022年4月28日(木)石川県 もっきりや
2022年4月29日(金・祝)愛知県 BL cafe
2022年5月1日(日)長野県 長野市芸術館 アクトスペース
2022年5月6日(金)京都府 磔磔
2022年5月8日(日)東京都 早稲田奉仕園スコットホール(講堂)
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ヒグチアイがバンド編成ワンマンでファンへの思い語る、「進撃の巨人」EDテーマ「悪魔の子」を初披露
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