乃木坂46星野みなみ卒コンで見せた齋藤飛鳥との“あしゅみな”の絆「似てないようで似てるよね」

乃木坂46の1期生メンバー・星野みなみの卒業公演「星野みなみ 卒業セレモニー」が、昨日2月12日に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催された。

38934人が参加したオーディションで選ばれ、2011年8月22日に乃木坂46の1期生になった星野。デビュー曲「ぐるぐるカーテン」やヒットシングル「ガールズルール」をはじめ、これまでにリリースされた28作のシングルのうち26作に選抜メンバーとして参加する人気メンバーで、その可憐な容姿やキュートな仕草から “かわいいの天才”というキャッチコピーで知られている。メンバーやファンから愛され、10年にわたってグループを支えてきた彼女はこの公演をもってグループを卒業すると同時に、芸能界から引退。会場には多くのファンが駆け付け、配信でも全国のファンが彼女のラストステージを見届けた。

和田まあや、遠藤さくら、筒井あやめの3人による影ナレを経て、会場には「OVERTURE」に乗せて星野の10年を映し出すオープニング映像が流れる。幕が上がると、1期生ライブで着用していた「ぐるぐるカーテン」のリメイク衣装に身を包んだ星野、秋元真夏、齋藤飛鳥、樋口日奈、和田まあやの5人が現れ、「ぐるぐるカーテン」を歌い始めた。両サイドからほかの期のメンバーも合流し、32人は笑顔でパフォーマンスを届けた。開始早々に「みなみをちゃんと見送れるか心配なんだけど……」と言いながら泣き出した秋元を「早いよ！」と笑い飛ばした星野。「（卒業は）あんまり実感がなくて、不思議な気分。明日も楽屋で『おはよう』って言いそうな気がする」と気丈に振る舞う本人をよそに、樋口も泣き出した観客につられて涙を流した。

久保史緒里と矢久保美緒が司会を務めるコーナー「期別対抗！クイズ星野みなみ」では、期ごとにチームに別れ、星野が準備したプレゼントをかけて星野にまつわるクイズに挑戦。星野ともっとも長い時間を過ごした1期生チーム、星野とプライベートで一番交流があるという北野日奈子率いる2期生チーム、星野に憧れて乃木坂46のオーディションを受けた向井葉月率いる3期生チーム、星野と過ごした時間は少ないながらも気合いは十分な4期生チームの計4チームは、次々と繰り出される問題に回答していった。「今朝最初にしたこと」が「腹巻きを巻くこと」であることや「もっとも好きな冬っぽい食べ物」が「イチゴ」であることなど星野らしい正解が並んだあと、1期生は「指望遠鏡」のパフォーマンスを披露。続く「失いたくないから」では、星野と1期生メンバーが順番にペアになって肩を抱き寄せ合いながら歌を届けた。1期生メンバーについて星野は「1期生にこだわりすぎていて、卒業したメンバーのことも大好き。みんないい人すぎる」と話し、そんな星野とふと目が合った齋藤は「ほかの子の卒業ライブでも、みんなが泣いてるときに冷静にしているのがみなみと私だった。だから目が合うんだよね」と寂しそうに笑う。星野は「うちらは笑顔で見送るタイプだからね」と微笑んだ。

再び始まった「期別対抗！クイズ星野みなみ」のコーナーでは、星野の「好きなおにぎりの具」が「明太子」であることや一番好きな衣装が「ごめんね、スムージー」の衣装であること、「一番いい匂いがすると思うメンバー」が樋口であることが判明。1期、2期、4期がそれぞれ4ポイントで同点、そして3期生が1問も正解できないまま臨んだ最後の「星野が一番好きな『シャキイズム』のミュージックビデオで先生役を務めた俳優は？」という問題は3期生の向井が正解した。齋藤が「（回答権はなかったけど）ここで言ってたもん。1期生だし！」と駄々をこねるも、ポイントは3期生へ。“みなみ”にかけて373ポイントをゲットした3期生は大喜びで、星野からプレゼントを受け取った。

その後、星野は4期生とともに「シャキイズム」、2期生とともに「Am I Loving?」を披露。スクリーンに星野から2期生の3人への手書きメッセージが映し出される演出もファンの涙を誘った。続いて星野は3期生と「ロマンティックいか焼き」をパフォーマンス。星野とペアを組んだ向井は今にも泣き出しそうな表情で、3期生メンバーと一緒に「みなみさん、大好き！」と叫んだ。

星野がライブの内容を予想する事前インタビューの映像の上映を経て、ステージには星野と向井の2人が登場。“額縁”の愛称で知られる黒地に金の縁取りが施された衣装で現れた2人は、「無口なライオン」をパフォーマンスし最後は力強く抱き合った。「Threefold choice」は、卒業生の堀未央奈に代わって山下美月が参加し、星野、齋藤、山下の3人でステージを披露。曲中で披露した「指で作った星マーク」と「右手で斜め上を指すポーズ」は山下いわく、星と南向きを指差したことで「スターなみなみちゃん」を表現したという。また齋藤と山下が卒業記念に作ったパンを星野が食べるという振り付けも披露された。

“あしゅみな”と呼ばれてきた星野と齋藤のコンビは2人のユニット曲「制服を脱いでサヨナラを…」をパフォーマンス。曲中で2人は「みなみちゃん、来ましたね、今日が。こうやってみなみと私が隣で歌ったり踊ったり……何回したんだろうね？」「一番したかもね」とやり取りし、目にいっぱい涙をためる。「泣いたら泣くってば！」「みなみ、泣くところ見せるの嫌いだもんね」「似てないようで（私たち）似てるよね」と、涙を見せまいと2人は客席に背を向けてなんとかこらえ、振り返ると齋藤は「ちっちゃい頃、私を『もっとがんばらないとな』って奮い立たせてくれて、もうちょっとがんばろうと粘れたのも、いろんな形の優しさを受け入れられるようになったのも、たぶんみなみのおかげだと思う。本当にありがとう。ちゃんと言ったことなかったかなと思って」と星野に思いを伝えた。「でももうちょっとがんばると思ってた。あしゅみなでもう1個くらいやると思ってたんだよ」「ごめんね。ちょっとがんばれなかった」と2人そろって涙をこぼしたあと、齋藤は「でもみなみは今日もみんなに負担がないようにって気を遣ってくれていたよね。明日からはみなみが一番みなみのことをかわいがってください」と星野にエールを送る。そして2人は「友達になろう。今日から」「よろしくお願いします！ おめでとう！ 卒業！」と固い絆を見せ、手をつなぎ向かい合って歌った。

与田祐希をセンターにした「全部 夢のまま」を経て、再びステージに32人がそろうと彼女たちは「そんなバカな…」をパフォーマンス。本編最後は星野の「ギューって楽しく密着して終わりたい」という願いを叶えるべく「おいでシャンプー」が披露され、秋元の「みなみのことが！」の声に続いて星野以外のメンバーが「大好き！」と叫んだ。

アンコールの卒業セレモニーに星野は、花の刺繍がちりばめられた乃木坂46のイメージカラーである紫色のドレスに大きなリボンを付けたヘアで登場。彼女は乃木坂46として活動する中で一番好きだったというライブで自身の最後のステージを飾れることへの喜びやファンへの感謝の思いを述べたあと、「まさか受かるとは思わずオーディションを受けたので最初は『なんで私なんだろう？』という気持ちがすごくあって。それなのに1stシングルのフロントメンバーに選んでいただいて、一緒に立つ生駒（里奈）ちゃんといくちゃん（生田絵梨花）と並べる人じゃないのにと思っていたんです」と活動当初に抱いていた葛藤を語る。その自信のなさが影響し選抜落ちした際にファンからかけてもらった「どんな場所でも応援するよ」という声に励まされ、「特別なものがなくても、1人でも応援してくれてる人がいることが、すごい特技。こんなに（メンバーが）いっぱいいる中で『応援したい』って思わせられる自分はすごいなって。自分に甘いけど、皆さんのおかげでそう思えるようになってから活動が楽しくなってきた。私は前に行きたいという気持ちがなかったから、応援してくれている皆さんとしてはどうだったのかなと思うけど、私はみんなを後ろから見ることも好きだし、どの場所でもすごく楽しめていました」と、ファンからの応援によって前向きに楽しく活動してこれたことを明かした。

星野は「昔は自信がなかったけど、みんながたくさん応援してくれたから自信がついて自分のことが好きになりました。私は卒業とともに引退するので、皆さんと会う機会がなくなってしまうんですけど、今日一番好きなライブができて本当に楽しかったから後悔なくお別れしちゃうなと思います。これからは乃木坂を応援する側として皆さんと一緒にいられたら」と話したあと、1期生メンバーへの感謝の思いを語り、自身がセンターを務めた楽曲「初恋の人を今でも」を32人でパフォーマンス。4期からは掛橋沙耶香、3期からは向井、2期からは北野、1期からは樋口が期を代表してメッセージを送ったあと、キャプテンの秋元も「みんな言ってたけど、私も休業から復帰したときに一番に話しかけてくれたのがみなみだったし、みなみがいなかったらここにいられなかったと思うことがたくさんあったよ。メンバーも皆さんもみなみの優しさに救われたと思う。本当にありがとう！」と星野に感謝の思いを伝えた。ラストソングに星野が選んだのは「あらかじめ語られるロマンス」。ステージいっぱいに32人が広がってパフォーマンスしたあと、星野は「10年間すごく楽しかったし、本当にやりきりました！ 皆さんとこうして会えたことが楽しかったし、たくさんパワーをくれる人たちにいっぱい出会えて本当に感謝しかないです。10年間本当にありがとうございました！」と挨拶。お辞儀から顔を上げると客席には「10年間可愛い♡をありがとう」というメッセージボードが観客によって掲げられていた。感激した様子の星野は「みんなからの愛をたくさんもらえて大満足で、うれしい気持ちでいっぱい。本当に楽しかったです。今日は本当にありがとうございました！」と語り、「またねー！ え、またね!? もしかしたら！」と手を振り、幕の向こうに消えていった。