櫻坂46バックス16人が見せたプライド「みんなすごく輝いているし魅力がある」

櫻坂46のフロントライン“櫻エイト”を除いた3列目メンバーによるライブ「3rd Single BACKS LIVE!!」が1月8、9日に東京・東京ガーデンシアターにて開催された。この記事では9日公演の模様をレポートする。

表題曲、カップリング曲の各楽曲で1、2列目になる“櫻エイト”の8人と、それ以外の“バックス”メンバーでフォーメーションを組んでいる櫻坂46。「BACKS LIVE!!」は昨年6月に初開催された“バックス”メンバーだけで行うライブで、今回は3rdシングル「流れ弾」の“BACKS”メンバーである上村莉菜、尾関梨香、小池美波、齋藤冬優花、原田葵、井上梨名、遠藤光莉、大園玲、大沼晶保、幸阪茉里乃、関有美子、武元唯衣、藤吉夏鈴、増本綺良、松田里奈、守屋麗奈が参加した。

大沼と守屋による影ナレを経てメンバーそれぞれが「あなたにとって『BACKS LIVE!!』とは？」という問いに答える映像が上映され、彼女たちがこのライブにかける並々ならぬ思いがBuddies（櫻坂46ファンの呼称）に届けられる。純白の衣装に身を包んで現れた16人は「流れ弾」TYPE-Aのカップリング曲で、小池がセンターを務める「ソニア」でライブをスタートさせた。齋藤、原田、尾関、幸阪、武元、守屋、小池とソロでダンスを披露したあと、16人は「BAN」を披露。センターを務めた遠藤は凛々しい表情でダイナミックなダンスを繰り広げた。「半信半疑」のセンターは齋藤が担当し、スカートを翻しながらエネルギッシュなパフォーマンスを展開。「なぜ 恋をして来なかったんだろう？」はオリジナルバージョンと同じく藤吉がセンターを務め、ミュージックビデオを彷彿とさせる白い糸で操られているかのような演出でBuddiesを魅了した。

完成度の高いパフォーマンスを繰り広げてきた16人だが、MCパートでは等身大のトークでほっこりとしたムードに会場を包む。上村、大園、尾関、増本のMCパートでは、お正月休みに鹿児島に帰省した大園が祖母とのエピソードを披露。「切りっぱなしのカーディガンを着て帰ったら、おばあちゃんから『東京にはそんなにネズミがいるのか？』って心配されて。かじられたと思っているんですよ」と話すと、ステージ上に笑い声があふれる。尾関はひさしぶりに会った甥っ子に毎日のようにおもちゃを買ってあげたそうで、「本当にかわいくて……」と目尻を下げた。増本は地元に帰らず上村とともに自主練習をしていたことを明かし、上村は「年末年始はずっとこのライブのことを考えて過ごしていたよね。今日はそれを全力で出し切りたい」と意気込んだ。

再び全員がステージにそろうと、井上がセンターで「最終の地下鉄に乗って」でライブを再開。センターの原田がメンバーに支えられながら、まるでベッドで目覚めたかのような演出で始まった「君と僕と洗濯物」では、突然訪ねてきた意中の相手に胸がときめく様子をダンスでかわいらしく表現し、大園がセンターを務めた「Microscope」では、16人が弾けんばかりの笑顔を見せた。武元、守屋、大沼、井上によるMCパートでは、武元がお正月に漁師をしている大沼の父から魚が届いたことをメンバーに報告。それを受けて守屋は大沼に魚をリクエストしたもののまだ届いていないことを告白し、「晶保のお父さん、待ってまーす！」とカメラに向かって手を振った。お正月休みの話題は続き、大沼は「NHK紅白歌合戦」出場後、山に登って初日の出を見に行ったというタフなエピソードで会場を沸かせ、1月2日に誕生日を迎えた守屋は祖母からの愛がこもったバースデーケーキのエピソードを明かした。

井上は前回の「BACKS LIVE!!」で自信をなくしてしまうこともあったが、その直後のツアーで休養中の小林由依に代わってポジションに入り、自分を成長させてくれた思い入れの深い曲であることから「最終の地下鉄に乗って」のセンターに立候補したという。「パフォーマンスをしてから、この曲にその時期私は励まされたし、いつもBuddiesの皆さんが私たちの心に寄り添ってくれていると思った。だからこそ私がこの曲を通して皆さんの心に寄り添えたらと思って立候補しました。きっと意外だったと思う。みんなを裏切ってやりました」とニヤリと笑った。武元は「ぴったりだと思ったよ。晶保と言えば魂のこもった熱いパフォーマンス。練習する姿を見て私たちも心を動かされて、みんなを引っ張ってくれた。そういうみなぎるパワーはどこから来るの？」と質問。井上は「自分は人よりも不器用だから、みんなよりもがんばらなきゃいけないと思っていて。心が折れそうになってもみんなが優しくしてくれたおかげで自分と向き合えたし、練習できて自分の曲の思いを届けられたと思う」とパフォーマンスに胸を張った。

守屋は「聴いたときから好きだったし、センターをやってみたかった」という「偶然の答え」のセンターに。情景が浮かぶドラマチックなナンバーを、まるで役を演じているかのようにパフォーマンスしてみせる。間髪入れずに始まった「思ったよりも寂しくない」では増本がセンターへ。増本はあどけなさのあるラップを披露し、かわいらしいペアダンスと相まって会場を温かなムードに包み込んだ。

紅白の衣装に着替えた16人はダンストラックで息の合った群舞を見せたあと、上村をセンターに「美しきNervous」をパフォーマンス。花火が上がる夜空の映像をバックにした「無言の宇宙」では関をセンターに16人でしなやかなダンスを届けた。このライブにかける思いを語るドキュメンタリー映像の上映を経て、彼女たちは尾関をセンターに「Buddies」を披露。「Nobody's fault」では、センターの武元が表情演技とダイナミックなダンスでBuddiesの目を奪った。「Dead end」で勢い付いた16人は、小池が靴を脱ぎ捨てる演出を経て裸足で踊る「流れ弾」へ。小池は鬼気迫る表情でパフォーマンスをリードし、桜吹雪が舞う中でステージを終えた。

アンコールでは小池が「今回のライブは『BACKS LIVE!!』という名前なんですけど、私は櫻坂46のライブとして観てほしいと思っていて……」と涙する場面も。「櫻エイトとかバックスという名前はあるかもしれないけれど、みんなすごく輝いているし、魅力があるからそれがみんなに伝わってほしいという気持ちで挑みました。バックスへのイメージも変わったらいいなと思っていたのでそれが伝わっていたら」と思いを述べた。松田は「メンバーそれぞれにいろんな思いがあってこのライブに挑んでいるし、葛藤もきっとある。でも『BACKS LIVE!!』で生まれる感情は特別なもの。Buddiesの皆さんにお返しできるように、このライブで得た経験を櫻坂46全体の活動にも生かして、どんどん櫻坂46を強く大きなグループにできるように私たちも精一杯がんばります」と語り、Buddiesにペンライトの色をピンクにしてほしいとお願い。そして16人は櫻坂46のハンドサインを掲げながら最後の曲「櫻坂の詩」を歌い、「3rd Single BACKS LIVE!!」の幕を下ろした。