このツアーで大森はソロの弾き語りや、sugarbeansとrikoをメンバーに迎えた“自由字架”編成で10都市を巡り、一部会場では2部制でライブを行った。この記事ではファイナル公演の第2部の模様をレポートする。
第2部公演は生配信も実施された。大森のライブを数多く撮影してきたカメラマン・二宮ユーキは、手持ちカメラ1台のみの臨場感あふれる映像でこの日の模様を捉えた。まず大森はsugarbeansによるピアノ演奏をバックに、同名映画の主題歌に提供した「ひらいて」でパフォーマンスをスタート。伸びやかな歌声を草月ホールに響かせ、一気にオーディエンスを引き込んでいった。ライブ冒頭は花譜の活動3周年プロジェクト用に制作された「イマジナリーフレンド」、自身が楽曲プロデューサーを務めるユニット・MAPAの「真夏の卒業式」と他アーティストに提供したナンバーを次々と披露。その場に座り込んだり、軽やかな手振りを交えたりと、さまざまなステージングを繰り広げた。
軽快なピアノの音色が特徴的な「劇的JOY! ビフォーアフター」「えちえちDELETE」ののち、「マジックミラー」からはアコースティックギターのみの弾き語り体制へと移行。大森は柔らかなタッチで爪弾く「エンドレスダンス」、それぞれの楽曲を往復するアレンジが施された「レディースクリニック」「パーティドレス」などをシームレスに演奏した。さらに「ミッドナイト清純異性交遊」では客席から拍手によるレスポンスやサイリウムを用いてのケチャが巻き起こり、一体感が高まっていく。一方で「14才」では大森の鬼気迫る歌声により、徐々に緊張感が生み出されていった。
「LADY BABY BLUE」「TOKYO BLACK HOLE」のメドレーを挟み、「stolen worID」からはsugarbeansに加え、rikoもダンサーとして舞台に登場。大森の歌声やsugarbeansのピアノに合わせ、rikoはステージ中をダイナミックに舞い、三者三様のパフォーマンスが繰り広げられていく。さらに「きもいかわ」から大森はアコギを置き、ボーカルに専念するスタイルに変更。ステージ後方にセッティングされた絵画を見上げながら手を仰いだり、オーディエンス1人ひとりの姿を見渡すように客席を見つめていた。終盤に差し掛かるにつれシリアスなムードは深まっていき、「死神」後半で大森は叫ぶようなボーカルスタイルで熱唱。緊張感がここ一番で高まる中、本編最後の「オリオン座」では優しく語りかけるように歌声を届けた。
そしてアンコールに入り、大森は二宮に向けてどの楽曲を演奏したらいいか質問し、彼のお気に入りのナンバーである「お茶碗」を披露。rikoがお茶碗を片手にポーズを決めたことも相まって、和やかなひと時となった。最後に大森は「自由という十字架にぶっ刺さった、私たち3人の“狂宴”を観てくださってありがとうございました!」と感謝の思いを告げ、「自由字架ツアー」を無事に締めくくった。
現在ミクチャでは「自由字架ツアー2021」ファイナル公演第2部のアーカイブ映像をノーカットで公開中。配信チケットは12月5日20:00まで販売中で、購入者は同日23:59まで視聴できる。また配信チケットは当日のライブ写真、オフショットなどをまとめたデジタルフォトブック付きも用意されている。
大森靖子「大森靖子 自由字架ツアー2021」2021年11月28日 草月ホール 第2部 セットリスト
01. ひらいて
02. イマジナリーフレンド
03. 真夏の卒業式
04. 劇的JOY! ビフォーアフター
05. 子供じゃないもん17
06. えちえちDELETE
07. マジックミラー
08. エンドレスダンス
09. レディースクリニック~パーティドレス
10. 非国民的ヒーロー
11. ミッドナイト清純異性交遊
12. 婦rick裸にて
13. 裏
14. 14才
15. LADY BABY BLUE~TOKYO BLACK HOLE
16. stolen worID
17. きもいかわ
18. 死神
19. オリオン座
<アンコール>
20. お茶碗
※「14才」の14は丸枠付きが正式表記。
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大森靖子×sugarbeans×riko、“自由字架”にぶっ刺さった3人が迫真の狂宴 https://t.co/KIBItumZDh