コロナ禍2度目の“9mmの日”、セットリストに隠れた秘密と夏フェス感にファン熱狂

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9mm Parabellum Bulletが9月9日に神奈川・KT Zepp Yokohamaでワンマンライブ「カオスの百年 vol.14」を開催した。

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

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毎年9月9日を“9mmの日”と定め、ライブや新作リリースなどを行っている彼ら。昨年の9月9日にもKT Zepp Yokohamaを舞台に有観客ライブを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止となり、代わりにトークとライブからなる配信企画を行った。“9mmの日”としては2年ぶりの有観客ライブとなった今回、彼らはリベンジを果たすかのように熱いパフォーマンスを繰り広げた。なおこの日の模様はStreaming+でも生配信された。

folca(撮影:西槇太一)

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オープニングアクトは昨年の配信企画にもトークゲストとして登場したfolca。山下英将(Vo, G)が「やり直しの9月9日、一緒に歌わせてもらうぜ!」と挨拶し、「Strain」でライブの火蓋を切った。続く「クレイジーショウタイム」では藤田ケンジ(B)のテクニカルなベースラインが光った。山下は本日のステージについて、「今できるだけの音楽を鳴らして、会場を温めて9mmにバトンを渡そうと思います」と力強く宣言。そして9mmの「光の雨が降る夜に」のカバーでフロアをヒートアップさせる。ギターソロでは爲川裕也(G)がステージ前方へ進み、髪を振り乱しながらギターを掻き鳴らした。最後に彼らは「HAGURUMA」をアグレッシブにパフォーマンスし、9mmにバトンをつないだ。

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)[拡大]

folcaによってすっかり温められたステージに登場した9mmの面々は、手始めにインストナンバー「Blazing Souls」を奏で、自分たちの音色で場内を染め上げる。さらに「Wildpitch」「光の雨が降る夜に」「Scenes」の連投でフロアを沸かせた。

菅原卓郎(Vo, G / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)

菅原卓郎(Vo, G / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)[拡大]

その後、菅原卓郎(Vo, G)は「2021年“9mmの日”へようこそ! みんないろんな気持ちでここに集まって、あるいは来場を断念して。たくさんあると思うんですけど、それを今日はここで全部混ぜて、ウイルスは全部外に出して、最後まで楽しめたらいいなと思います」と挨拶。さらに菅原が「今日は“9mmの日“ならではの選曲になってますから、覚悟しといたほうがいいよ、ホントに」と煽ると、客席からは期待の込もった大きな拍手が起こった。

かみじょうちひろ(Dr / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)

かみじょうちひろ(Dr / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)[拡大]

サポートメンバーの武田将幸(G / HERE)を交えて次に披露されたのは「Endless Game」。かみじょうちひろ(Dr)が叩くアップテンポのツービートに、メンバー各々が息を合わせていく。「DEEP BLUE」でシリアスな雰囲気に包まれた場内に「ダークホース」が投下されると、中村和彦(B)が歪んだベースを奏で激しいステージングを見せた。続いて中村がアップライトベースに持ち替え、「キャンドルの灯を」がスタート。クリーントーンのギターと相性のいい豊かな低音が場内に響き渡った。

滝善充(G / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)

滝善充(G / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)[拡大]

「セットリストの秘密に気付いた人、いますかね」とフロアに問いかける菅原。少し反応を待ったあとで「今回、(これまでリリースしてきた)アルバムの9曲目をチョイスしてます」とタネを明かし、会場は納得したかのような拍手で包まれた。「でも我々、アルバムが8枚しかありません。なので次は9枚目のシングルを聴いてください」という言葉に続きドロップされたのは「サクリファイス」。ステージ上を常に激しく動き回る滝善充(G)は、この曲でひと際楽しげに飛び跳ねた。

中村和彦(B / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)

中村和彦(B / 9mm Parabellum Bullet)(撮影:西槇太一)[拡大]

滝が奏でる浮遊感のあるギターの音色をバックに、菅原は「今年も夏フェスは我々のところにやってきませんでした。いつになったらあれができるんだ、これができるんだ、と思うけど、思い悩んでもしょうがねえなって。その繰り返しです」とコロナ禍への思いを語る。そして「今日、こうして会場や配信で聴きに来てくれているから、何かちょっとやりたいなと思って。これから、みんながあたかも夏フェス会場で9mmを観ているかのような、あんな曲やこんな曲をダイジェストでお送りします」という前置きののち、フェス定番曲を9曲つなげた怒涛のメドレーになだれ込んだ。「ハートに火をつけて」「Answer And Answer」「Discommunication」「新しい光」「The World」といったキラーチューンの連投に、観客はたまらない様子で拳を高く突き上げ、この日一番の盛り上がりを見せる。メドレーの最後を飾った「Living Dying Message」では、中村がお決まりのシャウトを轟かせた。

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)

9mm Parabellum Bullet(撮影:西槇太一)[拡大]

約10分間の演奏を終え、メドレーのアイデアが成功するか不安だったという菅原が、観客のリアクションにホッとした表情を見せる。彼が「夏フェス、感じました?」と問いかけると、観客はその言葉に大きな拍手で応えた。そして「もう少し続きますけど、楽しんでもらえますか?」という菅原の煽り文句とともに、ライブはクライマックスへ。今年7月にリリースされた最新曲「泡沫」でメランコリックなムードが漂ったかと思いきや、「白夜の日々」で再びステージが熱を取り戻す。「終わってたまるか」とシャウトを繰り返す「Mantra」では、菅原のマイクを通さない生の声が煌々と照らされたステージに響いた。そして彼らは疾走感のあるロックチューン「生命のワルツ」を熱気たっぷりに届け、今年の“9mmの日”を締めくくった。

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