次世代ラッパーを発掘するオーディション番組「ラップスタア誕生」の最終回が本日10月29日に配信され、優勝者が
2017年にスタートし、WILYWNKA(変態紳士クラブ)、Tohji、Leon Fanourakis、¥ellow Bucksといったシーンの最前線で活躍するラッパーを過去3シーズンで輩出してきた「ラップスタア誕生」。「ヒップホップの本当に大切な部分を教えたい」という思いから番組を立ち上げたというRYUZOは、今シーズンについて「やっと火が付いてきた感じがする。これまでのシーズンの出演者がすごく売れてることもあって、視聴者の反応も全然違った」と語る。審査員も同感の様子で、伊藤は「シーズンを重ねるごとに番組の注目度が上がってきているし、応募者数の増加に比例して明らかにレベルも上がってきている。番組がちゃんと審査していることがラッパーたちに知れわたって応募しやすくなってると思うんですよね。蒔いてきた種が大きなうねりになってるのを今シーズンで感じました」と述べた。今シーズンには過去最多となる1416名のラッパーが応募し、5名のみがファイナルステージに進出したが、ファイナリスト以外にも将来有望なラッパーが数多くいたとのこと。惜しくも敗退した出場者の中で特に印象に残ったラッパーを審査員に聞くと、TOFUやG:ntの名前が多く挙がった。
noma、麻凛亜女、week dudus、ralph、Itaqが無観客の東京・WWW Xでライブパフォーマンスを繰り広げたファイナルステージでは、ralphが2位のweek dudusに大きなポイント差を付けて優勝したが、結果について伊藤は「正直もっと僅差になると思ってたんですよ。僕はパフォーマンス部門ではdudusを1位にしました」と語り、SEEDAは「楽曲ではdudusを選びました。dudusの2曲目が1日の中で一番食らった」と評価。HUNGERも「ヒップホップの世界的なトレンドにビシッとハマってる人という意味でdudusくんを日本代表として選抜したい気持ちもありました」と迷いがあったことを明かした。
そうしたせめぎ合いもありつつ、優勝を掴み取ったralphについて、Kダブシャインは「自分もアングラから始めてるから、ストリートをダイレクトに感じるような存在はいいなって思うし、それでラップがよければ文句ないよって感じですね」と称賛しつつ、今後について「持ち味を保ちながら、より幅広いオーディエンスにどうアプローチしていくかがポイントかなと思う」とコメント。優勝決定前の審査中からralphを高く評価し、レコーディングに誘っていたANARCHYも「ストリートの代弁者として、いろんな人の気持ちを歌って、みんなを引っ張っていけるようなラップスタアになってくれたらと思います」とralphがよりポピュラーな存在になることへの期待を語った。
一方、伊藤はralphについて「今のシーンの構造からするとアウトサイダーなので、メインストリームで馬鹿売れするラッパーかっていうとわからないです」と率直に語りつつ、「リリックにしても、孤高の一匹狼みたいなスタンスにしても、アングラのカリスマになった
グライム、UKドリルを昇華したダークな世界観や個性的な声質を武器として、番組出演前から高い支持を集めていたralph。今回出場した動機を改めて聞いてみると、彼は「単純にヤベえ奴いんのかなみたいに思って出てみたら……って感じですね」と笑い、「いつも通りライブやって、曲作って、それでギャラ300万って、そういう仕事があったらウケるじゃないですか。そういう感覚です」と答えた。ファイナルステージでも緊張した様子を一切見せなかったralphは、仲間から「勝って当たり前だからな」とプレッシャーをかけられていたことを明かしつつ、審査について「いくらあがこうが決めるのは審査員なので、俺らは100%出すだけって感じだった」と振り返る。出演者同士がバチバチと対立するような雰囲気ではなかったとのことで、イチゴが大好きなralphはイチゴ農家の長男であるweek dudusに“リアルな苺“を教えてもらう予定だという。最後にラッパーとしての目標について聞くと、ralphは「“これからのシーンを担う“とかすでに言われてるし、優勝したことでまた言われると思うけど、そういうつもりはない」と断言。「『Selfish』って曲も出してる通り、勝手にやっていきます。それに付いてくるのは自由」と言い放った。
なおRYUZOは「ラップスタア誕生」のネクストシーズンに向けて、すでに動き出しているとのこと。詳細は追って発表されるそうなので楽しみにしておこう。
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