King Gnu、気迫のパフォーマンスで魅せた初オンラインライブ

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King Gnuのキャリア初となるオンラインライブ「King Gnu Streaming Live」の模様が、本日8月30日にStagecrowdで配信された。

King Gnu(Photo by Kosuke Ito)

King Gnu(Photo by Kosuke Ito)

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今年1月にリリースした最新アルバム「CEREMONY」を携えて、2月下旬から初のアリーナ公演を含む全国ツアーを開催予定だったKing Gnu。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて全公演の開催を見送ったことから、今回のオンラインライブが「CEREMONY」リリース後初のワンマンライブとなった。

常田大希(Vo, G)(Photo by Kosuke Ito)

常田大希(Vo, G)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

定刻の20:00を迎えると画面には「King Gnu Streaming Live」の文字が。続いて映画のオープニングのようにメンバーの名前が流れ、King Gnuのロゴが大きく映し出された。そして盛大にスモークが立ち上る中、「Flash!!!」でライブの幕が上がる。常田大希(Vo, G)の軽やかなカッティングギターと挑発的なシャウト、井口理(Vo, Key)のハイトーンが渾然一体となり、一瞬でスリリングな曲の世界が構築された。

井口理(Vo, Key)(Photo by Kosuke Ito)

井口理(Vo, Key)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

従来のライブであれば観客に向かって演奏をしている4人だが、今回はバンドロゴをあしらった巨大な看板を中央に据え、向かい合うスタイルでパフォーマンスを披露。「Flash!!!」で作り出した勢いを踏襲するように、4人は「Sorrows」になだれ込みタイトな演奏を展開した。カメラはメンバーを大きくフィーチャーしたかと思えば、ステージを俯瞰するように映像を切り取り、4人のプレイをさまざまな角度から映し出していく。井口が「サンキュ」と視聴者に向けてお礼を口にしたあとは「Vinyl」へ。井口は新井和輝(B)と勢喜遊(Dr, Sampler)の作り出す太いグルーヴに身を委ねるように、体を揺らし朗々とした声を響かせた。井口が2回目の「サンキュ」をつぶやくと、ほかのメンバーから思わず笑いが漏れる。それを受けて彼が「センキュが空振りする」とぼやいたことを受けて、常田と新井もそれに同意するような言葉をかけていた。

青い照明がステージを染める中で披露された「傘」に続いたのは、「It's a small world」。ささやくように歌う井口の横で、常田と新井が微笑みながらコーラスを添える姿が流れ、慣れないシチュエーションの中でもライブを楽しんでいることが画面を通して伝えられた。さらに勢喜の独断場とも言えるドラムソロから「Overflow」に移行。この曲では常田のノイジーなギターと井口のエモーショナルな歌声が絡み合った。そして、常田がギターをチューニングする音がかすかに聞こえたのち、一瞬の静寂が訪れ穏やかに「白日」が始まる。画面には常田と井口が視線を交わしながら声を重ねる姿が浮かび、カメラは真剣に音を紡ぐメンバーの表情をゆっくりと追いかけていく。ラストでは4人が丁寧に楽器の音を奏で、深く長い余韻を残した。

新井和輝(B)(Photo by Kosuke Ito)

新井和輝(B)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

後半戦に入る前に井口が「こんなことライブ中言っていいのかわからないけど……めちゃめちゃ大変だね」と漏らすと、その言葉に新井も「いつもライブでこんなことやってたんだ」と返す一幕も。また井口の「大希と向かい合わせがひさしぶりすぎて、気まずい」という言葉に対して、常田は「でもいい距離感だよ。このやり方、やりやすくない?」と新鮮なフォーメーションについて言及。その一方、勢喜は1人リラックスしてプレイできている模様で「みんなの緊張感についていけてない」と口にした。

勢喜遊(Dr, Sampler)(Photo by Kosuke Ito)

勢喜遊(Dr, Sampler)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

四者四様とも言うべきトークを経たブロックでは、常田の低い声と、井口のハイトーンのハーモニーが印象的な「Prayer X」、勢喜の繊細さとダイナミックさが同居したリズムが軸を担う「Hitman」などバラードやミドルチューンが続く流れに。「The hole」では常田の奏でる荘厳なキーボードの音色、目を閉じながら歌い上げる井口の切々とした歌声、曲の展開と共に迫力を増す新井と勢喜のリズムが溶け合いシリアスな空気が生み出された。その後、「Slumberland」の物々しいイントロが流れると同時に、常田はキーボードの前を離れ、拡声器を手に練り歩き「歌え!」と挑発気味にシャウトを繰り出す。さらに新井、井口、勢喜の元へ順番に足を運んだかと思えば、カメラに鋭い視線を送り視聴者を煽った。しかし曲が終わると「この曲のあとで静かって寂しい……」とぼそり。井口も「下北でやったときくらいじゃない?」と在りし日のライブに思いを馳せていた。

4人を俯瞰するようなカメラワークから始まったのは「飛行艇」。カメラはゆっくりと旋回するようにメンバーの姿を切り取り、楽曲の持つ雄大なメッセージを表現していく。続いて勢喜のカウントから、常田と井口が息の合った掛け合いを繰り広げる「どろん」がスタート。クライマックスに向けてメンバーの楽器を繰る手つきや、浮かべる表情にもますます気合いがにじんでいく。スピード感のあるサウンドに合わせてカメラの動きも激しくなり、臨場感あふれる映像が視聴者に届けられた。

「King Gnu Streaming Live」の様子。(Photo by Kosuke Ito)

「King Gnu Streaming Live」の様子。(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

「King Gnu Streaming Live」の様子。(Photo by Kosuke Ito)

「King Gnu Streaming Live」の様子。(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

「このセトリきつい……」と思わず本音を漏らしたのは新井と井口。そう言いながらも2人は笑みを浮かべ、井口は「最後の1曲になりますね。やっと楽しくなってきて、感覚がつかみ始めたくらい」と名残惜しそうにする。そんな言葉から始まったのは、ライブでは欠かせない「Teenager Forever」。井口はカメラに向かって笑顔を見せ、視聴者のシンガロングを求めるようにマイクを突き出した。その姿を前に常田も楽しそうな表情を浮かべ、新井と勢喜は全力で楽器を奏で躍動感たっぷりのアンサンブルを紡ぎ出す。曲のクライマックスでは盛大に花火とスモークが勢いよく上がり、1時間10分におよんだKing Gnuにとって初のオンラインライブはフィナーレへ。メンバーは「ありがとう! 寂しい」と率直な思いを口にしながらも、充足感に満ちた表情でステージをあとにしていた。

なお、ライブ映像は9月1日23:59までアーカイブ視聴が可能。配信チケットは明日8月31日23:59まで販売されている。

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King Gnu「King Gnu Streaming Live」2020年8月30日 セットリスト

01. Flash!!!
02. Sorrows
03. Vinyl
04. 傘
05. It's a small world
06. Overflow
07. 白日
08. Prayer X
09. Hitman
10. The hole
11. Slumberland
12. 飛行艇
13. どろん
14. Teenager Forever

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HMV三宮オーパ @HMV_Sannomiya

【ライブレポート】King Gnu、気迫のパフォーマンスで魅せた初オンラインライブ(写真27枚) https://t.co/kVKpE3RpKr

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このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 King Gnu の最新情報はリンク先をご覧ください。

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