ハコムス6年間の歴史に「ごきげんよう!」、16人のメンバーが紡いだ思い出は“永遠の宝バコ”に

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ハコイリ▽ムスメのラストライブ「ハコイリ▽ムスメの定期便、最終章~永遠の宝バコ~」が8月16日に神奈川・CLUB CITTA'で開催された。

1期メンバーの門前亜里、我妻桃実と一緒に踊るハコムス。

1期メンバーの門前亜里、我妻桃実と一緒に踊るハコムス。

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ハコムスは2014年7月に東京・AKIBAカルチャーズ劇場の企画「デビュー直前アイドル5組新人公演~真夏のシンデレラたち~」の開催に合わせ、女優志望のメンバーからなるアイドルグループとして誕生。当初は夏休み限定のユニットとなる予定だったが、「癒しと安らぎとトキメキをお届けする」というコンセプトのもと活動を継続し、1980~90年代のアイドルソングのカバーやどこか懐かしい雰囲気のオリジナル楽曲を歌ってきた。そして幾度かのメンバーの加入や卒業を経験し、昨年10月より充電期間に入っていた彼女たちは今春に活動を再開するべく準備をしていたものの、メンバーとスタッフで話し合いを重ねた結果、グループとしてのプロジェクトを終了させることに。ラストライブは今年4月にホームのAKIBAカルチャーズ劇場で実施予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言発令を受けて中止となり、クラウドファンディングプロジェクトを経て改めてCLUB CITTA'で開催されることになった。

「ハコイリ▽ムスメの定期便、最終章~永遠の宝バコ~」の様子。

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会場に集まったファンと無料生配信が行われたニコニコ生放送の視聴者が見守る中、ハコムスは「微笑みと春のワンピース」をベースに過去曲のコスチュームをミックスした特別な衣装に身を包み、色とりどりの花が添えられたステージへ。エレガントな音色の「OverTure」に合わせて優雅にバレエを舞い踊ったのち、2015年春お披露目の初のオリジナルナンバーである「微笑みと春のワンピース」でラストライブの幕を開けた。その後リーダー吉田万葉の「2014年から16人のメンバーがつないできた歴史と、今まで応援してくださった皆様への感謝の気持ちをこのライブでお届けします! “永遠の宝バコ”にしまってもらえるような時間を一緒につくっていけたらと思います」という挨拶を挟み、5人は田中陽子「陽春のパッセージ」とアイドリング!!!「baby blue」を続けて歌唱。さらに吉田、井上姫月、依田彩花の3人がQlair「お引っ越し」をパフォーマンスし、今春ライブで披露できなかった春のナンバーで会場をさわやかな空気で満たした。

「ハコイリ▽ムスメの定期便、最終章~永遠の宝バコ~」の様子。

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次のブロックでは「夏に急かされて」「水平線でつかまえて」「海へ行こう~Love Beach Love~」などのサマーチューンが並び、場内が一気に夏のムードに。新型コロナウイルス感染拡大予防のため観客は声援を発することを制限されていたが、メンバーの歌に合わせてクラップを送り、会場全体に一体感を生み出した。ハコムスのレパートリーの中でもとりわけアッパーな楽曲で客席の温度を高めた5人は、続いて三浦理恵子「約束のポニーテール」やCoCo「無言のファルセット」などの秋冬のナンバーを響かせ、今度はしっとりとした歌声で観客を包み込む。ライブ中盤のMCでは今年生誕イベントを開催できていなかった井上と依田の誕生日をほかのメンバーがサプライズで祝福し、2人を驚かせた。3月29日に15歳になった井上は「私、高校生になったの! 高校生になったので勉強をがんばって、それから将来のことを考えていけたらいいなと思います」と抱負を述べ、2月23日に16歳になった依田は「泣くつもりなかったのに泣いちゃった! もうこうやって祝ってもらえないと思ってたから」と感激のあまりボロボロと涙をこぼした。

1期メンバーの門前亜里、我妻桃実と一緒に踊るハコムス。

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また最初にハコムスを卒業した1期メンバー門前亜里からの手紙が届き、「この慌ただしい日々を幸せと噛み砕けるのは生活がもう少し落ち着いてからかもしれない。でも、それってみんなが刻む1歩1歩がきちんと道になっていることの証明なんだと思います。1歩が作ったこの道を歩き続けていつか振り返ったときに、この場所が本当に温かくて優しくて幸せだったと思えることが、実は一番幸せなことだと思います。そのことを卒業後5年間、実感し続けています」というメッセージが読み上げられると5人は感無量の面持ちに。活動時期はかぶっていなかったものの、昨年の沖縄遠征でサポートしてもらったOGからの言葉にしっかり耳を傾けた彼女たちは、卒業をテーマにしたチェキッ娘「はじまり」でライブを再開した。さらにアイドリング!!!「Like a Shooting Star」で会場はセンチメンタルな雰囲気でいっぱいになり、友情を描いた上田愛美「なかよし」では門前と我妻桃実の1期メンバーOGの2人が曲の途中でステージに登場。現役メンバーと仲よく肩を組んでパフォーマンスを披露したのち、にぎやかなトークを繰り広げてファンを大いに喜ばせた。

「ハコイリ▽ムスメの定期便、最終章~永遠の宝バコ~」の様子。

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アンコールではメンバーがマイクスタンドの前に立ち、ribbon「Be My Diamond!」とおニャン子クラブ「夏休みは終わらない」を歌唱。曲が終わると、ファンに向かって順番に自分の気持ちを伝えていった。昨年4月に加入した5期メンバー山本花奈は「これからはーちんは女優に向かってがんばっていくんですけど、そのときも皆さんは応援してくれますか……? いつか絶対に恩返しをするから待っててね! 楽しみにしていてください!」と笑顔で呼びかけ、同じく5期の依田は「普通の高校生活ではできなかったことをハコムスで経験させていただきました」「ハコムスとして活動した期間をバネにこれからもがんばっていきますので、たまにでいいので思い出の“宝バコ”を開けていただいたらうれしいです」と深々と頭を下げる。また4期メンバーの塩野虹は「皆さんがこうやってライブに遊びに来てくれたからこそ、ここまでかんばって来れました。次お会いする機会がいつになるかわからないんですけど、私は将来の夢に向かって全力でがんばっていくので、皆様も元気でお仕事や学校などをがんばってください。これからもハコムスのことを忘れないでください。私も一生皆さんのことを忘れません」と声を震わせながらファンと約束した。

ファンに向けて挨拶するリーダー吉田万葉。

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小学5年生のときにハコムスに加入した3期生でサブリーダーの井上は「ハコムスに加入して礼儀とかを鈴木(美紗乃プロデューサー)さんやファンの方、メンバーのみんなに教えてもらって。今の私は全部がハコムスでできてるなと思うので、ハコムスがなくなっちゃうことに本当に実感が湧いてないんですけど、離れていても思い合って、また会えたときに『ごきげんよう』と言えるような人になっていたいなと思います」と笑顔を交えながらしみじみと語る。そんな井上と同期の吉田は「私はハコムスに加入することが決まったときは『自分の大好きなことを存分に生かせる!』と思って自信満々でした。でも最初のステージで最大の挫折を味わって、『こんなに自分にできないことがいっぱいある世の中なんだな』と感じました」と加入当時のことを振り返り、「ファンの皆さんから応援や優しい言葉をもらったり、メンバーが一緒に支えてくれたりしたことで、ちょっとした出来事から大きな出来事まで私がここまで成長するきっかけになりました。それはハコムスに加入していなかったらできなかった経験です」と感謝の気持ちを言葉にした。

鈴木Pに花束を贈るハコムスメンバー。

鈴木Pに花束を贈るハコムスメンバー。[拡大]

それぞれ自分の思いを伝え終えたハコムスは続いて鈴木Pをステージに呼び込み、メンバーとファンが用意した花束を贈呈する。吉田から「鈴木さんがいなかったら絶対に私たちはこんなに成長できていなかったと思います。ときには厳しく指導していただいて。ときにはというか、けっこう厳しく(笑)」と紹介された鈴木Pは目を潤ませつつ、「こういう場があったことはみんなの人生の中で大切なものになっていくと思います」「終わってしまうのは寂しいし、続けられなかったことに対して少し悔しさもあるけれど、6年間の中で少しでも“癒しと安らぎとトキメキ”をお届けできたらうれしいです」と挨拶。吉田も「たくさんの方が愛してくれたおかげで、ハコムスにしかないような雰囲気を出せる場所を作ることができました」と改めてお礼を述べた。

テディベアを持って「私たちの宝バコ」を歌うハコムス。

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そして塩野による「それでは皆さんライブに戻りましょう!……なんですけど、次の曲で最後になってしまいます」というライブ恒例の泣き真似をきっかけに、オリジナル曲「ハコいっぱいのプレゼント」を歌唱。ラストナンバー「私たちの宝バコ」ではステージ中央の宝箱からハコムスの歴代衣装の生地を使って作られたテディベアを取り出し、「少女から大人になった 私たち でもいつだってここで会える 合言葉は『ごきげんよう』ね」とファンに向けて優しく歌いかけた。最後は吉田の「6年間のハコムスの思い出をこれからも胸の奥にしまっていただけたらと思います。そしてその宝物たちが皆さんの人生の中で行き続けていくことを私は望んでいます」という言葉を経て、5人は「それでは以上私たち、ハコイリ▽ムスメでした!」とお決まりのフレーズを元気いっぱいに叫び、「ごきげんよう!」と手を振りながらステージをあとに。約6年間におよんだハコムスの歴史に幕を閉じた。

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ハコイリ▽ムスメ「ハコイリ▽ムスメの定期便、最終章~永遠の宝バコ~」2020年8月16日 CLUB CITTA' セットリスト

SE. OverTure
01. 微笑みと春のワンピース
02. 陽春のパッセージ(オリジナル:田中陽子)
03. baby blue(オリジナル:アイドリング!!!)
04. 夏に急かされて
05. 水平線でつかまえて(オリジナル:三浦理恵子)
06. 海へ行こう~Love Beach Love~(オリジナル:チェキッ娘)
07. Let's Party Time!
08. 泣かないでエンジェル(オリジナル:Qlair)
09. 約束のポニーテール(オリジナル:三浦理恵子)
10. 無言のファルセット(オリジナル:CoCo)
11. はじまり(オリジナル:チェキッ娘)
12. Like a Shooting Star(オリジナル:アイドリング!!!)
13. なかよし(オリジナル:上田愛美)
<アンコール>
14. Be My Diamond!(オリジナル:ribbon)
15. 夏休みは終わらない(オリジナル:おニャン子クラブ)
16. ハコいっぱいのプレゼント
17. 私たちの宝バコ

※▽はハートマークが正式表記。

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ていこく @teikoku_tw

【ライブレポート】ハコムス6年間の歴史に「ごきげんよう!」、16人のメンバーが紡いだ思い出は“永遠の宝バコ”に(写真75枚) https://t.co/m3vbfG6GSZ #ハコムス #ハコイリムスメ #吉田万葉 #井上姫月 #塩野虹 #依田彩花 #山本花奈

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