「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live~」はユニゾンの結成15周年を記念し、今年7月に発売されたトリビュートアルバム「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album~」の参加アーティストをゲストに招いて行われたライブ。初日は大胡田なつき・成田ハネダ・三澤勝洸(
開演時間を迎えて場内の照明が落ちると、ステージにはゲストであるパスピエの成田ハネダがたった1人で登場した。成田はキーボードに向かい、ダイナミックにピアノの音色を響かせる。その音がユニゾンが毎回ライブのオープニングSEとして使用しているイズミカワソラ「絵の具」のメロディに変わると、フロアからは大きなどよめきが起こった。そこへ鈴木貴雄(Dr)、田淵智也(B)、斎藤宏介(Vo, G)の3人が加わり、成田のピアノイントロから「harmonized finale」がスタート。2番からは大胡田なつきもステージに現れ、パワフルな歌声を届けた。
ライブ冒頭、ゲストがたった1人でステージに現れるという予想外の演出について成田は「本当にハート鍛えられます(笑)」と苦笑い。斎藤は「あいつがやれって言ったんです!」と田淵を指差し、オーディエンスの笑いを誘った。ここで三澤勝洸も参加し、トリビュートアルバムでパスピエがカバーした「場違いハミングバード」を披露。間奏では三澤が華麗なギターソロを繰り広げた。その後はパスピエの楽曲「S.S」を6人で演奏し、斎藤と大胡田のツインボーカルで場内をさらに盛り上げる。歌い終えた大胡田は「ユニゾン大好き!」と3人に笑顔を向け、ステージをあとにした。
2組目のゲストはa flood of circleの佐々木亮介。彼は「ロックンロールが始まるぞ!」と叫び、「シーガル」を熱唱。ユニゾンの3人のコーラスに支えられた圧巻のボーカルでフロアを魅了した。この夜すでに3本目という缶ビールを開けた佐々木は「いいでしょう今日は、お祝いだから(笑)」と相好を崩し、同じ小学校出身の斎藤を含めた3人を「自慢の兄さんで自慢の友達で、一番ぶっ飛ばしたい人たちです」とライバル意識を込めて称えた。
その後はユニゾンの「WINDOW開ける」を披露。骨太なサウンドと佐々木の歌声が絡み合い、観客を圧倒していく。AFOCのライブでのメンバー紹介と同じ形で3人を紹介した佐々木は、最後にトリビュートアルバムでの参加曲「フルカラープログラム」を熱唱する。大サビではオーディエンスの大合唱を導き、場内の一体感を高めていた。
続くゲスト、THE BACK HORNの山田将司が最初に歌った曲は「BUSTER DICE MISERY」。複雑な展開の楽曲をユニゾンの3人と共に息ぴったりにパフォーマンスし、フロアの静かな興奮を誘った。「15周年おめでとうございます!」と山田に祝われた斎藤は、ユニゾンの結成当初にTHE BACK HORNの曲をコピーしていたことを明かし、憧れの先輩との共演を「すごいでしょ!」と喜ぶ。その後ステージに現れた菅波栄純は「短い時間だけど、俺らもUNISON SQUARE GARDENとして過ごしていいですか?」とオーディエンスに呼びかけて大歓声を浴びた。
ここで斎藤が紹介した次の曲は「17年前に渋谷のタワーレコードの地下で(発売時のインストアライブを)最前列で観てました」という「涙がこぼれたら」。斎藤もボーカルを務め、山田との掛け合いを楽しんでいる様子を見せた。最後はトリビュートアルバムから「シャンデリア・ワルツ」をパフォーマンスし、観客を楽しませた。
4組目のゲストを前に、鈴木が刻み始めたリズムに敏感なファンは早くも反応して歓声を上げる。登場したのはthe pillowsの山中さわお。缶ビール片手に現れた山中は「佐々木亮介にたぶらかされて、嫌々酒を飲んでます(笑)」と軽口を叩くが、「RUNNERS HIGH」が始まると一転して高らかなボーカルを響かせ、フロアを揺さぶる。大のピロウズファンとして知られる田淵も、その横でうれしそうな表情でベースを奏でた。
山中は今回の出演に際し、田淵からあるミディアムテンポの楽曲でのコラボを打診されたと明かし「転調があって難しい曲だから『この曲に何かこだわりがあるのか?』って聞いたら『さわおさん、速い曲は苦手かと思って……』って言われて(笑)。俺はおじさんだけどおじいさんではない!(笑)」とまくし立て、観客を爆笑させる。「それを今から証明します。中野のビッグエコーでめちゃくちゃ練習した!」という次の曲は「Cheap Cheap Endroll」。山中の宣言通りの見事なパフォーマンスに、田淵は親指を立てて喜ぶ。さらに山中は「シューゲイザースピーカー」を熱い声で歌い上げ、オリジナルとはまた異なる楽曲の魅力を届けた。
斎藤と田淵が一旦ステージを去り、1人残った鈴木はドラムソロを奏で始める。鈴木の隣に設置されたドラムセットに座ったのは東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一。2人は華麗なソロ合戦を繰り広げ、時折「欣ちゃん!」「貴雄!」と声をかけ合ってフロアのテンションを上げていった。そしてスカパラメンバー、斎藤と田淵も加わり「Paradise Has No Border」へと突入。曲中のおなじみのスカパラメンバーによるポージングでは斎藤と田淵、さらにスネアを手にステージ前方に飛び出した鈴木も加わった“スペシャルバージョン”が展開され、双方のファンを喜ばせた。
その後はユニゾンとスカパラによる12人体制では初披露となる、スカパラのトリビュートアルバム「楽園十三景」の楽曲「愛があるかい?」をパフォーマンス。斎藤の透明感ある歌声が曲の世界をカラフルに彩った。そのお返しとばかりに、今度はユニゾンのトリビュートアルバムから「桜のあと(all quartets lead to the?)」が披露される。観客はアレンジに沿ったハンドクラップを息ぴったりに繰り広げていた。
いよいよ最後のゲスト、LiSAの出番へ。元気よくステージに登場したLiSAは赤いスカートを翻しながら「オトノバ中間試験」をアグレッシブに歌い上げた。彼女は今回の企画について「違うボーカルの人が歌って、違う演奏をして、それを自分たちでやってるこの人たちすごくない? 自分たちが苦しむって(笑)」と観客に問いかける。その言葉に呼応するように斎藤は「今回2日間で36曲やるんだけど、一番『は? 何これ?』っていう難しい曲があって。作曲者を調べたら田淵智也って書いてありました(笑)」と告白。田淵から多数の楽曲提供を受けているLiSAが彼の曲の難しさに賛同すると、斎藤は「『天才と変態は紙一重』って言いますけど、彼は天才寄りの変態です(笑)」と畳み掛けた。
斎藤が言う「一番難しい曲」は、続いて披露されたLiSAの楽曲「Rising Hope」。LiSAと斎藤のハイトーンなツインボーカルにフロアは大いに沸き返った。最後に4人はCOASTの巨大なミラーボールがきらめく中で「オリオンをなぞる」をパフォーマンス。LiSAの先導による15周年にちなんだ15のカウントアップで、盛大に本編を締めくくった。
鳴り止まないアンコールの声に応えてユニゾンの3人は再びステージへ。斎藤は「……もうよくない?(笑)」と苦笑いを浮かべながらも「言葉はいらないと思うので一言だけ。今日1日でUNISON SQUARE GARDENをやっててよかったって、8兆回思いました」とこの日の喜びを率直に語った。アンコールで披露されたのは15周年記念ソングとも言うべき「プログラムcontinued(15th style)」。3人の熱演に、オーディエンスは惜しみない歓声を送っていた。
「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live~」2019年8月28日 新木場STUDIO COAST セットリスト
00. 絵の具
01. harmonized finale
02. 場違いハミングバード
03. S.S
04. シーガル
05. WINDOW開ける
06. フルカラープログラム
07. BUSTER DICE MISERY
08. 涙がこぼれたら
09. シャンデリア・ワルツ
10. RUNNERS HIGH
11. Cheap Cheap Endroll
12. シューゲイザースピーカー
13. Paradise Has No Border
14. 愛があるかい?
15. 桜のあと(all quartets lead to the?)
16. オトノバ中間試験
17. Rising Hope
18. オリオンをなぞる
<アンコール>
19. プログラムcontinued(15th style)
※記事初出時、カメラマンクレジットの一部に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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