ヒトリエwowaka追悼会、シノダが全曲熱唱「天国に聞こえるぐらいみんなで歌おう」

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4月5日に亡くなったヒトリエのwowaka(Vo, G)を追悼する「wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST」が、6月1日に東京・新木場STUDIO COASTにて行われた。

ヒトリエ(撮影:西槇太一)

ヒトリエ(撮影:西槇太一)

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「wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST」会場に設けられた祭壇。(撮影:西槇太一)

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写真展「HITORIE TAICHI NISHIMAKI 2015-2019」の様子。(撮影:西槇太一)

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wowakaは最新アルバム「HOWLS」を携えたヒトリエの全国ツアー「ヒトリエ TOUR 2019 "Coyote Howling"」の最中、急性心不全により死去。6月1日のSTUDIO COASTはこのツアーのファイナル公演が行われる予定だった会場で、開演前の会場ロビーに設けられた祭壇ではファンによる献花を受け付け、全国から3000人が駆け付けた。また会場ではヒトリエの写真を撮り続けているカメラマンの西槇太一による、バンドの5年にわたる軌跡をたどる写真展「HITORIE TAICHI NISHIMAKI 2015-2019」やツアーグッズの販売なども行われた。

18:00からは中止された全国ツアー8公演のチケット購入者が参加できる「追悼会」も実施。2000人のオーディエンスが集まる中、開演時刻を迎えてステージ上の幕が開くと、ヒトリエのバンドセットがファンの目の前に広がる。そしてステージのスクリーンには2017年に行われた全国ツアー「IKI」から、ツアーファイナルとなった新木場STUDIO COAST公演のライブ映像が映し出された。スクリーン内のメンバーは「ワンミーツハー」「目眩」をパワフルに演奏。フロアでそれを見つめるファンからは歓声と泣き声が同時に沸き起こった。

wowaka(Vo, G)のギターを掲げるシノダ(G)。(撮影:西槇太一)

wowaka(Vo, G)のギターを掲げるシノダ(G)。(撮影:西槇太一)[拡大]

映像が終わり、普段のヒトリエのライブと同じオープニングSEが鳴り響くと、ファンからは歓声と拍手が起きた。ステージ上にはゆーまお(Dr)、そしてwowakaのギターと共にシノダ(G)、イガラシ(B)が順番に登場。シノダはwowakaのギターを高々と掲げて大きな歓声を浴びたあと、wowakaの楽器やアンプがいつも通りにセッティングされたステージ中央にギターを置いた。その後、自身のギターを下げてマイクに向かったシノダは「今日はwowakaのために集まってくれてありがとうございます」と話した。そして「ここ新木場COASTのステージは、本来ならばアルバムツアーのファイナルとして立つ場所でした。きっとね、リーダーも立ちたかったと思うんだこのステージ」と深呼吸しながら語り、「今日はwowakaが、リーダーがね、最も信頼してくれた3人だけで演奏する日だと思いました。短い時間ですがお付き合いください」と、残るメンバー3人でライブを届けることを明かし「ヒトリエです、よろしくどうぞ」と改めて挨拶した。

イガラシ(B)(撮影:西槇太一)

イガラシ(B)(撮影:西槇太一)[拡大]

最初に披露されたのはアルバム「HOWLS」の1曲目でもある「ポラリス」。wowakaに代わりボーカルを務めたシノダが歌い上げる、3人の思いを代弁するような歌詞にオーディエンスは号泣しながらも拳を振り上げる。「行くぜ、新木場COAST!」とシノダが絶叫したあとは「センスレス・ワンダー」へ。鮮烈なサウンドにあわせてレーザーが激しく明滅し、フロアのテンションを急上昇させた。「慣れないんだけど、ハンドマイクで歌わせてもらうわ」とシノダがつぶやいて始まった「SLEEPWALK」では、シノダがマイクを握ってイガラシに歩み寄る場面も。歌い終えたシノダは「忙しい曲ばかり作りやがって……(笑)」とwowakaに毒づいてみせてフロアを和ませる。そんなシノダは「『イガラシんとこ行ってみようかな』と思ったら普通に蹴られて(笑)。気を悪くさせてたらごめん」と曲中のイガラシを振り返り、さらなる笑いを誘っていた。

ゆーまお(Dr)(撮影:西槇太一)

ゆーまお(Dr)(撮影:西槇太一)[拡大]

「SLEEPWALK」でのオーディエンスの合唱に「あれきっと、天国まで届いたよ」とシノダが感謝を述べたあとは、イガラシの轟音ベースから「踊るマネキン、唄う阿呆」へ突入した。イントロではシノダが生前のwowakaと同じようにオーディエンスを煽り、COAST内の熱気を急上昇させる。さらにゆーまおのタイトなビートが炸裂した「トーキーダンス」、そして「アンノウン・マザーグース」とアッパーチューンを連発していった。観客をひたすら踊らせたあとは雰囲気を一転させ、「HOWLS」に収録された「青」を真摯に演奏。場内に再び涙を誘った。

「wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST『追悼会』」の様子。(撮影:西槇太一)

「wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST『追悼会』」の様子。(撮影:西槇太一)[拡大]

最後の曲に入る前、シノダは「正直僕ら、『これからどうしていこうか』みたいなのは何も決まってなくて……でも少なくとも解散はしないと思います」と今後のヒトリエについて語り、ファンの大きな拍手を浴びた。そしてラストナンバーを「絶対みんな歌える曲だと思うんだ。天国のwowakaに聞こえるぐらいみんなででっかい声で歌おうよ」と紹介し、「ローリンガール」をオーディエンスと共に熱唱した。

イガラシとゆーまお、シノダがステージを降りたあと、ステージのスクリーンには2018年の東京・EX THEATER ROPPONGIでのライブから、この公演の最後の曲として届けられた「リトルクライベイビー」の映像が流れた。演奏を終えたwowakaが「また絶対、絶対に会いましょう。気をつけて帰れよ!」と笑顔で語る姿に、オーディエンスは惜しみない拍手を送る。映像が終わったあとも観客はフロアに残ったまま、wowakaへの感謝を込めた歓声と拍手を止めなかった。

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ヒトリエ「wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST『追悼会』」2019年6月1日 新木場STUDIO COAST セットリスト

ライブ映像
・ワンミーツハー(2017.5.7 at STUDIO COAST)
・目眩(2017.5.7 at STUDIO COAST)

ライブ
01. ポラリス
02. センスレス・ワンダー
03. シャッタードール
04. SLEEPWALK
05. カラノワレモノ
06. 踊るマネキン、唄う阿呆
07. トーキーダンス
08. アンノウン・マザーグース
09. 青
10. ローリンガール

ライブ映像
・リトルクライベイビー(2018.3.25 at EX THEATER)

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玲架 @rei__k

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