KOTORI、“全員味方”の満員LIQUIDROOMワンマンでツアー終幕

KOTORIが2月1日に東京・LIQUIDROOMでライブツアー「KOTORI DREAM MATCH 2019」の最終公演を開催した。

このツアーは彼らが昨年12月発売のミニアルバム「CLEAR」を携えて1月より実施していたもの。メンバーのインフルエンザ発症により公演延期を余儀なくされたり、上坂仁志（G, Cho）の左自然気胸によりサポートメンバーを迎えたりと複数のトラブルに見舞われながらも、彼らはこの日、ツアーファイナルである初のワンマンライブを満員のLIQUIDROOMで迎えた。

会場が暗転しきらぬうちに幕が開き、横山優也（Vo, G）、上坂、佐藤知己（B）の3人はふらりとステージへ。向かい合って気合いを入れると、横山が前を向き「19歳」を弾き語りで歌い始める。歌声にひときわ熱がこもったところでバンドの演奏が加わり、はつらつとした演奏が会場中に広がる。メンバーの熱演に呼応するようにフロアにはいくつもの拳が突き上がり、場内は早くもクライマックスのような盛り上がりを見せた。

彼らは勢いそのままに、歪んだギターの音色が印象的な「高鳴る胸に鐘をならせ」、絶妙なアンサンブルを奏でた「ドラマ」、盛大なシンガロングが自然発生した「ラッキーストライク」、高速ビートに乗せた「1995」と疾走感あふれるナンバーを畳みかける。一気に場内のテンションが引き上げられたかと思うと、その後は「夏が終われば」「オリオン」「そのすべて」とミディアムテンポのナンバーが続き、横山の情感たっぷりの歌声が観客の胸を打った。

彼らが初めてLIQUIDROOMのステージに立ったのは2016年10月のライブイベント「REDLINE TOUR 2016」。オープニングアクトとしてMy Hair is Bad、MOROHA、yonigeのステージの前にライブを行ったことを回想した横山は「（当時は）ちらっと手が上がるくらいだった。それが今は全員味方です！ ありがとうございます！」とKOTORIのファンで埋め尽くされたフロアを感慨深く見渡した。そして「ここからヤバいから！」と宣言すると、タイトル通りステージが真っ赤な照明で染められた「RED」、ダイバーが続出した「素晴らしい世界」、「戦う君へ」という歌詞から始まる応援歌「EVERGREEN」などアップテンポなナンバーを、3年前のリベンジとばかりにパワフルにプレイ。盛り上がるフロアに目をやった横山は「僕らにこんなにたくさんの仲間がいることがわかってうれしかった。仲間っていうか……友達に近い。すべての友達に歌います」と穏やかに告げ、最後はスモークがたかれる中「YELLOW」を丁寧に届けた。

アンコールで再びステージに登場した彼らは「4号線」で再び場内をヒートアップさせる。「kaze」では「完全に時代の風が俺たちに吹いてます！」と胸を張った横山がフロアにダイブ。パンキッシュに駆け抜けたかと思えば、直後に再び「kaze」を演奏して観客のテンションを引き上げた。これでライブは終了かと思いきや、一度袖にはけたメンバーが三たびステージに登場。「今までの僕らだったら『kaze』をもう1回やってたと思うんですけど、ちょっと大人になったのでこれでみんな締めてください」と、メロディアスな「6月」でしっとりとワンマンライブの幕を下ろした。

「KOTORI DREAM MATCH 2019」を無事完走したKOTORIは間髪入れず次のツアーへ。3月には東名阪を回る「外伝ツアー」、4月には計6公演のツアー「LOCAL MATCH 2019」を行う。