5lack、PSGやiriら彩る「KESHIKI」で見せたヒップホップへの静かな情熱

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5lackが10月8日に東京・マイナビBLITZ赤坂でワンマンライブ「KESHIKI」を行った。

5lack「KESHIKI」の様子。(Photo by Shuhei Kojima)

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kZm(Photo by Taro Mizutani)

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5lackにとって4度目となる単独公演。過去最大規模の会場ながらチケットはソールドアウトし、フロアはこの日を待ちわびたファンで埋め尽くされた。開演時刻を過ぎ、熱気に満ちあふれた会場が暗転すると、スクリーンには「Special Guest Act」の文字が映し出される。予想外の展開にオーディエンスが歓喜の声を上げる中、現れたのはkZm(YENTOWN)。彼はマイクスタンドの前で「絶唄」を静かに歌うと、続く「WANGAN」「Emotion(Chaki Zulu Remix)」では激しいパフォーマンスを繰り広げ、オーディエンスのテンションを高めていく。「こんなに耳の肥えた人たちの前でライブできて超最高です」と挨拶したkZmは、観客の点灯したスマートフォンのバックライトが白くきらめく中、「Dream Chaser」をラップしてステージをあとにした。

5lack「KESHIKI」の様子。(Photo by Taro Mizutani)

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PSG(Photo by Shuhei Kojima)

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kZmのライブから十数分が経過した頃、ステージから一筋の青い光が天井に伸びると、いよいよ5lackが登場。光が扇状に広がる中、彼は7月に配信リリースした新曲「Twiligh Dive」で静かにライブの幕を開け、浮遊感のあるサウンドでフロアを満たしていく。曲が終わりに近づくにつれ、徐々に照明が消え、やがて場内は暗闇で包まれる。そこへ突如銃声が鳴り響き、ステージが赤く染まる中、現れたのはPUNPEEとGAPPER。2曲目にして早くもそろったPSGは、大歓声を浴びながら「Stray Bullets」をラップしてフロアに爆発的な盛り上がりを巻き起こした。その後5lackはDJを務めるPUNPEEと共にライブを進行。「Weekend」「東京」と人気曲を連発し、コール&レスポンスも行ってフロアを沸かせ続ける。「もういい」「HNGRI KILLIN!!」に続く「That's Me」ではアカペラでラップを披露し、そのスキルを惜しみなく見せつけた。

5lack(Photo by Shuhei Kojima)

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ISSUGI(Photo by Taro Mizutani)

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MCで5lackは「友達のkZmに急にラップやってもらったんだけど、1曲だけやり忘れちゃってて……それやろ」と言って再びkZmをステージに迎え入れると、トラップチューン「Wolves」を2人でパフォーマンス。kZmと抱き合って別れた5lackは「まだ体力余ってますか? 元気なうちに愛について歌っとかなきゃ」というMCから「But Love」を歌い、「Hot Cake」ではオーディエンスにシンガロングさせた。ここで5lackがSick Teamのナンバー「踊狂」をラップし始めると、ISSUGIBudaMunkが登場。ステージに集結したSick Teamは続けて「Street Wars」をラップしてファンを熱狂させる。5lackは「ヒップホップにはいろんな種類があって……最近のウッ! ウッ! ウッ!みたいなのもあるけど」と話して笑いを起こしつつ、「今のがヒップホップって言うんだよ」と語って喝采を浴びた。

KOJOE(Photo by Shuhei Kojima)

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MCで「前を向くことは大切だと思ってて」と話し始めた5lack。PUNPEEから「話が急すぎるけど」とツッコミを受けつつ、彼は「どんどんデカくなっていくのもいいし、小さいところでやるのもいいし、とりあえずヒップホップを続けていこうと思うので、また観に来てください」と話す。歓声で答えるオーディエンスに対して、「要するに“後ろは向かない”って言いたいんだけど話がそこにつながらなかった」と素直に明かした5lackは、「Don't look back know me?」という「Feelin’29」のフレーズをラップし始めると、そのまま同曲のパフォーマンスをスタート。するとKOJOEもステージに登場し、2人の流暢なフロウとムーディなトラックが心地よい空間を生み出していく。5lackは「本当にラップのうまさハンパないよね」とKOJOEを称賛しつつ、「もっといい音楽が日本で流行るようになったらいいですね」とシーンへの思いを漏らした。

PUNPEE(Photo by Shuhei Kojima)

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「CUS」で銀テープが放たれた瞬間。(Photo by Shuhei Kojima)

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ライブも終盤に差しかかる中、5lackが「来年で1stアルバムを出して10周年ってみんな言ってたけど、10周年って10年のこと? 1周年が10年で、10周年が100年みたいな……」と唐突な疑問を投げかけると、PUNPEEは「5lackタイム的にはそういう感じなんじゃない? 10は10だと思うけど」と答える。2人のとぼけたやりとりで笑いが起こる中、5lackは1stアルバム「My Space」の収録曲「Good More」をラップし、場内をノスタルジックな雰囲気で包んだ。続けて代表曲「NEXT」で観客に声を上げさせた5lackは、制作費用の8万円を落としてしまったという1stアルバム制作時の失敗を振り返りつつ、11月21日にニューアルバム「KESHIKI」をリリースすることを発表。最後はニューアルバムの収録曲「CUS」を銀テープの盛大な演出と共に披露してライブ本編を締めくくった。

KESHIKI

5lack「KESHIKI」
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iri(Photo by Shuhei Kojima)

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アンコールでは、黒い服で統一したPSGが再び登場。3人はヒートアップする場内で「愛してます」をマイクリレーしてオーディエンスを歓喜させる。そして「さっきから電話してるんだけど、来てくれたかな」という5lackのMCから最後のゲストとして姿を現したのはiri。コラボナンバー「Telephone」で、iriの伸びやかな歌声と5lackの気だるげなラップが交互に響き、会場にロマンチックなムードを生み出した。iriの退場後、PUNPEEに「話を聞いてくれる人たちがいてよかったね」と振られた5lackは、「“俺の話を聞くのはあいつだけ”ではないみたいなんで……この曲をやって終わりたいと思います」と話すと、最後に「Girl if you」をパフォーマンス。会場に集まったファンに深い余韻を残して4度目の単独公演に幕を下ろした。

なお5lackが11月21日にリリースするニューアルバム「KESHIKI」には全11曲を収録。客演としてRUDEBWOY FACE、KOHH、プロデューサーとしてFumitake Tamura、LISACHRIS、Budamunk、Howlin' Bearが参加している。

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5lack「KESHIKI」
2018年10月8日 マイナビBLITZ赤坂 セットリスト

01. Twiligh Dive
02. Stray Bullets feat. PSG
03. Weekend
04. 東京
05. もういい
06. HNGRI KILLIN!!
07. That's Me
08. Wolves feat. kZm
09. But Love
10. Hot Cake
11. 踊狂 feat. Sick Team
12. Street Wars feat. Sick Team
13. Come inside
14. いつも想う
15. Feelin'29 intro
16. Feelin'29 feat. KOJOE
17. Good More
18. NEXT
19. CUS
<アンコール>
20. 愛してます feat. PSG
21. Telephone feat. iri
22. Girl if you

5lack「KESHIKI」収録曲

01. Intro(KESHIKI)[Beat by 5lack
02. DNS[Beat by Fumitake Tamura]
03. Twilight Dive[Beat by 5lack]
04. SITT[Beat by LISACHRIS
05. Trun[Beat by 5lack]
06. CUS(Chois Ur Self)[Beat by 5lack]
07. 影道 Feat. RUDEBWOY FACE[Beat by Budamunk]
08. YES[Beat by 5lack]
09. 24365 Feat. KOHH[Beat by 5lack]
10. Last day[Beat by 5lack]
11. 進針[Beat by Howlin' Bear]

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