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LAMP IN TERREN、復活の野音でファンに宣誓「ずっと隣で生きていきたい」

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「地球儀」パフォーマンス中のLAMP IN TERREN。(撮影:浜野カズシ)

「地球儀」パフォーマンス中のLAMP IN TERREN。(撮影:浜野カズシ)

LAMP IN TERRENが昨日8月19日に東京・日比谷野外大音楽堂にて単独公演「ARCH」を開催した。

松本大(Vo, G)の声帯ポリープの切除手術のため4月21日に東京・LIQUIDROOMで開催したライブをもって一時活動を休止していた彼ら。その復活の場となった「ARCH」は、バンドにとって初の野音にして、過去最大規模の単独公演となった。

8月中旬とは思えない快適な気温と晴天に恵まれたこの日。会場のBGMが止まると、まずは中原健仁(B)、大屋真太郎(G)、川口大喜(Dr)が姿を見せる。最後に黒いジャケットに黒いパンツという正装さながらの衣装に身を包んだ松本がステージに足を踏み入れ、深々とお辞儀をすると、観客はバンドの帰還を祝うように大きな拍手を送った。

そしてステージの中央に松本がスタンバイし、「こんばんは、LAMP IN TERRENです。夏の野外ワンマンライブ『ARCH』、始めます」と宣言。ゆったりとしたテンポの「New Clothes」で自分たちの世界を作り出していく。松本の深く低い声が会場に伝う中、中原はファンとの再会を喜ぶように楽しげな表情で楽器を奏でた。スローテンポのオープニングナンバーから一転して、「キャラバン」では川口の叩く躍動感たっぷりのリズムに乗せて、フロントの3人はアグレッシブなプレイを展開。続く「ランデヴー」では4人が息の合ったアンサンブルで、観客に復活を印象付けた。

「おかえり!」という声が飛び交う中、最初のMCがスタート。松本はジャケットを脱ぐと「ただいま!」とうれしそうに口にし、「積もる話もあるけど、ずっと歌えなくて、今日やっと復活なのでメロディと演奏に乗せて届けます」と音楽を通して、自分たちの思いを伝えていくことを告げた。その後のブロックでは松本がキーボードを弾きながら歌った「Dreams」、大屋が清涼感のあるフレーズを奏で、リズム隊の2人が心地よいグルーヴを作り出した「林檎の理」、松本の歌声を軸にアンサンブルが重なっていく「ボイド」が続けて披露された。さらに日が傾き始めた頃には、この日より発売となった新作CDに収録されている新曲「亡霊と影」がパフォーマンスされ、深淵で幻想的なサウンドがステージ一帯に広がった。

また初の野外ワンマンライブを彩るべく、中盤ではアコースティックコーナーが設けられ、今までとはひと味異なるLAMP IN TERRENを披露する演出も。このコーナーでは大屋が弾く柔らかなアコースティックギターが印象的な「花と詩人」、バンドの演奏と観客の歌声が溶け合う「multiverse」の2曲が届けられ、穏やかなひとときが紡ぎ出された。

アコースティックコーナーが終わる時間帯には日も暮れ、落ち着いた雰囲気に。しかし、松本の「後半戦始めます。どうぞよろしく」という言葉から「innocence」が始まりムードは一変。シリアスなトーンのサウンドが緊迫感を煽っていく。かと思えば、みずみずしい雰囲気のダンサブルな新曲「Water Lily」では松本が伸びやかで優しい声を聴かせ観客を惹き付けていた。なお、ライブの後半ではときどき松本の声がかすれるなど、絶好調とは言えない様子も見られたが、松本の歌を支えるように中原、大屋、川口が磐石のプレイを繰り広げた。

アップテンポな「涙星群の夜」を経てのMCで、松本は声帯ポリープを切除したことで自分自身が心身共に生まれ変わったことを明かす。「またゼロから積み上げていかなきゃいけないのかなって思ってます。LAMP IN TERRENとして、1人の人間として、松本大としてここから、ゼロからまた積み重ねていきたいと思います。ここからまたよろしくお願いします」とファンに挨拶をした。本編の最後を飾った「地球儀」では、松本は客席の中央に用意されたサブステージに立ち、自身を囲むファン1人ひとりに語りかけるように熱唱。2つのステージに設置されたランタン型の照明が灯り、温かな空気を紡ぎ出す。曲の後半で松本は、中原、大屋、川口が待つメインステージにダッシュで戻り楽しげな表情でパフォーマンスを披露した。そして、「俺らのことを好きでいる人たちは全員幸せにしていくんで、よろしくお願いします」という言葉に続き、登場時と同じように深くお辞儀をしてステージをあとにした。

アンコールで松本は、自身の心境を赤裸々に吐露。手術を経て声が死んだと思ったことや、再びファンの前に戻って来れないと考えていた不安な思いを語り、活動休止中にさまざまなことに思いを巡らせていた日々を振り返る。さらにリスナーとはときとしてぶつかることがあっても、一緒に生きていきたいという思いを口にしたのち、「ずっと隣で生きていきたいと思ってるんで、音楽をやってる以上。すぐ隣にいると思ってください。いつも隣にいます。いつも支えます。いつも支えてください」と呼びかけた。そして4人は、復活ライブの最後を飾る1曲として「メイ」を演奏。力強く壮大なサウンドスケープを描き出し、2時間弱のライブを大団円に導いた。なお、去り際に松本はふと思い出したように「年内にアルバム出しまーす」と予告。その朗報に会場は大いに沸き立っていた。

なおCAMPFIREでは昨日の公演をハイクオリティな映像作品として残したいというメンバーの思いから、「LAMP IN TERREN初の野音ワンマンライブ映像化プロジェクト」と題したクラウドファンディングを実施しており、参加者を9月19日まで募集中。

LAMP IN TERREN「ARCH」2018年8月19日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. New Clothes
02. キャラバン
03. ランデヴー
04. Dreams
05. 林檎の理
06. ボイド
07. 亡霊と影
08. 花と詩人
09. multiverse
10. innocence
11. heartbeat
12. Water Lily
13. 緑閃光
14. 涙星群の夜
15. 地球儀
<アンコール>
16. メイ

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