LACCO TOWER、2日間にわたって16周年祝った「黒白歌合戦」

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LACCO TOWERがワンマンライブ「LACCO TOWER結成16周年特別企画『黒白歌合戦』」を7月15、16日に東京・LIQUIDROOMにて開催した。

「LACCO TOWER結成16周年特別企画『第4回黒白歌合戦』~白の日~」の様子。(Photo by Masanori Fujikawa)

「LACCO TOWER結成16周年特別企画『第4回黒白歌合戦』~白の日~」の様子。(Photo by Masanori Fujikawa)

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この公演は2002年7月に結成されたLACCO TOWERの16周年を記念して行われたもの。彼らは2日間を「白の日」「黒の日」にわけ、事前に演奏曲目を明かす企画「黒白歌合戦」を実施した。

7月15日~白の日~

松川ケイスケ(Vo)(Photo by Masanori Fujikawa)

松川ケイスケ(Vo)(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]

バラードやミディアムチューンを中心にした「白の日」と銘打ったこの日。白い衣装でステージに姿を現した彼らはバラードナンバー「白」でライブの幕を開けた。しっとりと同曲を歌い上げた松川ケイスケ(Vo)は「どちらかと言うと5人の中にあまりない『さわやかさ』と『グレープフルーツ』をキーワードに届けしていきます」と、彼らしい言葉選びで「白の日」の趣旨を説明。真一ジェット(Key)による開幕宣言を経て、バンドはその言葉通り、さわやかで疾走感あふれる「未来前夜」や「葵」を軽快に届けていった。
塩崎啓示(B)(Photo by Masanori Fujikawa)

塩崎啓示(B)(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]

細川大介(G)(Photo by Masanori Fujikawa)

細川大介(G)(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]



MCではLACCO TOWERの16周年にちなんで、メンバーそれぞれが自らの16歳のときのエピソードを披露する。真一はそれまでさまざまな楽器のプレイヤーとして活躍していたが、16歳のときに塩崎啓示(B)と当時の初代LACCO TOWERのギタリストに出会って、キーボード1本に絞ったと明かし、細川大介(G)は当時組んでいたバンド名や自身のメンバー名を明かすなど、和やかに会話が繰り広げられた。

ひさしぶりにライブで披露されたという「折紙」、松川がひときわ伸びやかに歌い上げた「葉桜」、切なげな歌声とエモーショナルな演奏が観客の胸を打った「蛍」と、ミディアムチューンが続けられたあと、ライブは後半戦へ。夏をテーマにした「藍染」では、細川が真一に近づいたり、塩崎と細川がハイタッチして立ち位置を入れ替わったりと、5人は楽しげにプレイ。また8月22日発売のニューアルバム「若葉ノ頃」収録曲「雨後晴」ではコール&レスポンスから盛大なシンガロングが発生し、メンバーはうれしそうに破顔していた。
「LACCO TOWER結成16周年特別企画『第4回黒白歌合戦』~白の日~」の様子。(Photo by Masanori Fujikawa)

「LACCO TOWER結成16周年特別企画『第4回黒白歌合戦』~白の日~」の様子。(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]



この日、終始ファンへの感謝の気持ちを述べていた松川。終盤にはマイクを外し肉声で「個人的にはこんなカッコいいバンド、ほかに知りません。皆さん、ナイスセンスです!」と胸を張る。そしてこれまでの16年間を振り返り、「紆余曲折……“紆余紆余紆余曲折”くらいだけど、16年間俺たちが俺たちなりに歩いて来れたのはあなたたちが一瞬でも『LACCO TOWERいいなあ』って思ってくれたから。そんなあなたたちが困ったとき、触れてみよう、聴いてみよう、会いにいってみようと思える、そんなロックバンドでいたいと思います」と思いを語り、ファンから温かな拍手が贈られた。そしてバンドは温かなムードをまとったまま「遥」「相思相逢」を穏やかに届けると、松川はさらに「バンドを始めた16年前に、こんな景色が見れるなんてマジで思ってなかった。LACCO TOWERを続けてきてよかった、ありがとう」とあふれる思いを伝えて、本編を締めくくった。

アンコールでは1人ひとりがこの日のライブを振り返る。リーダーの塩崎は「『白』は自分たちのことを歌ってる曲が多いなと思って、しみじみと振り返ったりしちゃったよ」と笑う。続けて「ロックバンドというのは挑戦し続けるものだと思うからこれからも挑戦し続けたい」と今後の展望を語った。そしてバンドはニューアルバムから「若葉」を披露。最後に軽やかに「薄紅」を届けて、「白の日」を終えた。

7月16日~黒の日~

松川ケイスケ(Vo)(Photo by Masanori Fujikawa)

松川ケイスケ(Vo)(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]

重田雅俊(Dr)(Photo by Masanori Fujikawa)

重田雅俊(Dr)(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]

前日とは打ってかわって、真っ黒なスーツ姿でクールに決めた5人。松川の「とち狂う準備はできていますでしょうか?」という挨拶を皮切りに「罪之罰」「奇妙奇天烈摩訶不思議」と激しいロックチューンを連投し、場内を一気にヒートアップさせていった。どこか和やかだった前日に比べ、緊迫感に満ちたこの日は、重田雅俊(Dr)の勇ましいドラミングに乗せて、音数や展開の多い楽曲群が次々と披露される。「純情狂騒曲」では松川が激しくも艶やかな歌声を聞かせ、パワフルなドラムソロからなだれ込んだ「蛹」では息の合ったタイトな演奏が繰り広げられる。かと思えば、細川のメランコリックなギターソロから静かに始まった「橙」ではオレンジ色に染められたステージの中でメンバーはエモーショナルなムードを漂わせるなど、表情豊かにライブを進行した。

MCでは「16年後、どうなっていたいか?」をテーマにメンバーがトークする。重田は「16年後ってことは……52歳か」と思わず笑い出してしまうも、「ドラムは叩きたい」ときっぱり。細川は「科学が進歩してサイボーグになってるんじゃないかな? それを利用してテクニカルギタリストになっていたい」と独自の視点で展望を語った。
真一ジェット(Key)(Photo by Masanori Fujikawa)

真一ジェット(Key)(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]



彼らは真一がショルダーキーボードに持ち替え会場内を動き回った「傷年傷女」から「杏子」「苺」を続けて観客を再びヒートアップさせたあと、3拍子の悲しげなメロディに乗せた「夕顔」で一旦クールダウン。そしてノイジーなギターの音色が場内を満たす中、松川が「楽しみ残しはないですか?」と声を上げ、バンドは「怪人一面相」「林檎」を迫力満点の演奏で届けて、駆け抜けるように本編を終えた。
「LACCO TOWER結成16周年特別企画『第4回黒白歌合戦』~黒の日~」の様子。(Photo by Masanori Fujikawa)

「LACCO TOWER結成16周年特別企画『第4回黒白歌合戦』~黒の日~」の様子。(Photo by Masanori Fujikawa)[拡大]



アンコールでは塩崎が「16年やってきたけど、やっぱり更新していくもんだよね。それを今日感じました」とこの日の手応えを口に。また細川は中盤のMCに触れ「16年後もこの5人でステージに立って、ロックを奏でていたいなと思います」と真摯に語った。そしてバンドはニューアルバム収録曲「狂喜乱舞」を披露したあと、フロアからの「オイ! オイ!」という掛け声が上がる中、「火花」をプレイ。熱気に包まれる中、2日間にわたる「第4回黒白歌合戦」の幕を下ろした。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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LACCO TOWER結成16周年特別企画「第4回黒白歌合戦」~白の日~
2018年7月15日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 白
02. 未来前夜
03. 銀河
04. 葵
05. 青年
06. 十六夜
07. 新世界
08. 折紙
09. 涙
10. 葉桜
11. 蛍
12. 藍染
13. 雨後晴
14. 遥
15. 相思相逢
<アンコール>
16. 若葉
17. 薄紅

LACCO TOWER結成16周年特別企画「第4回黒白歌合戦」~黒の日~
2018年7月16日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 罪之罰
02. 奇妙奇天烈摩訶不思議
03. 純情狂騒曲
04. 仮面
05. 悪人
06. 蛹
07. 世界分之一人
08. 橙
09. 傷年傷女
10. 杏子
11. 苺
12. 秘密
13. 夕顔
14. 怪人一面相
15. 林檎
<アンコール>
16. 狂喜乱舞
17. 火花

※塩崎啓示の「崎」は山へんに「立」と書いて「可」の異体字が正式表記。

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