今年4月から開催された今回のツアーでは、全国のライブハウスや地方のホールなどを中心としたライブを展開。バックバンドにはこれまでも井上のツアーに参加してきた小島良喜(Key)のほか、張替智広(Dr / キンモクセイ)、田口慎二(G)、なかむらしょーこ(B)といったフレッシュなメンバーをそろえた。
ファイナル公演の1曲目はサイケデリックなアレンジの「アジアの純真」。その後はNHK総合「ブラタモリ」のオープニングテーマでもある「女神」を軽快に聞かせ、「Make-up Shadow」では妖艶な歌声でオーディエンスを魅了した。冒頭のMCで井上は「最後まで誠心誠意務めたいと思います。楽しんでいって……と言っても私の曲は不吉な曲が多いので(笑)、いろいろなトラブルや心配事が思い出されるかもしれませんけど。そこも楽しんでもらえれば」と観客に話しかけ、さっそく笑わせていた。
ブルージーな「映画に行こう」に続き「My House」の鮮烈なサウンドでオーディエンスを盛り上げると、井上は自身のMCについてのトークを展開。「生きていくのって大変じゃないですか。でも今しゃべっていることを記憶に留めておいて、10年後くらいに思い出せばいろいろなことも乗り越えられるかもしれない……みたいな話はしませんから(笑)」と話し、客席に大爆笑を巻き起こした。
トークで和ませたあとは井上の奏でる穏やかなアコギの音色と、小島のエレピの音が曲の世界に深みを与えた「瞬き」へ。じっくりと聞き入った観客を前に井上は、今回のツアーでこれまで訪れたことのなかった地方でもライブを行ったと振り返り「北海道の利尻島では会場が公民館でした。素晴らしい経験でしたね」と語る。そんな話のあとに披露された「東へ西へ」では、歌詞の一部を「利尻の島で待ってる君にやっとの思いで逢えた」「海では昆布も敗けないくらいによろこんでいるよ」と変えて熱唱。利尻島のライブでもこの歌詞で歌ったという井上は、現地での様子を「大騒ぎでした(笑)」とうれしそうに明かしていた。
15分の休憩を挟み再びステージに現れた井上は、朗々としたボーカルが印象的な「感謝知らずの女」で後半の幕を開けた。井上は「なんとなく終わりが近いんだなと予感していただければ……我々の世代にはグッと染みるような話ですね(笑)」と挨拶。そして代表曲「少年時代」をジャジーなアレンジを施したバージョンで披露し、会場を涼やかな空気で満たした。
本編終盤では7月25日にシングルリリースする大塚製薬「ポカリスエット」新CMソングの「care」も披露。最後は「傘がない」の圧倒的なアンサンブルで締めくくった。
アンコールの手拍子に応えてステージに現れた井上はオーディエンスに感謝を述べ「いきなり外に出るとめまいとか起こすので、少し運動してから出てくださいね(笑)」と笑顔で話しかける。そんな言葉に応えて総立ちになったファンに向け、井上は「氷の世界」で圧巻のシャウトやブルースハープを聞かせた。ツアーの最後のナンバーとして演奏されたのは「夢の中へ」。華やかなパフォーマンスで全19公演のツアーの幕を下ろした。
井上陽水 コンサート2018 ROCK PICNIC」2018年7月3日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト
01. アジアの純真
02. 女神
03. Make-up Shadow
04. 映画に行こう
05. My House
06. 瞬き
07. 東へ西へ
08. 帰れない二人
09. 感謝知らずの女
10. Just Fit
11. 少年時代
12. care
13. 夜のバス
14. 最後のニュース
15. 傘がない
<アンコール>
16. 氷の世界
17. 夢の中へ
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