これがドレスコーズ流オペラ、大泥棒マックの生涯描く2時間

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ドレスコーズのワンマンツアー「dresscodes plays the dresscodes」のファイナル公演が昨日6月16日に東京・新木場STUDIO COASTで開催された。

志磨遼平(Vo, G)(撮影:森好弘)

志磨遼平(Vo, G)(撮影:森好弘)

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指名手配書を手にする志磨遼平(Vo, G)。(撮影:森好弘)

指名手配書を手にする志磨遼平(Vo, G)。(撮影:森好弘)[拡大]

5月から6月にかけ、7都市を舞台に行われた「dresscodes plays the dresscodes」。今回のツアーは5月発表のアルバム「ドレスコーズの《三文オペラ》」参加メンバーである志磨遼平(Vo, G)、有島コレスケ(B, Cho)、堀嵜ヒロキ(Dr)、板倉真一(Key, Cho)、福島健一(G, Sax)の5人体制「(dresscodes)Beggars Quintet」名義で演奏が繰り広げられた。

志磨遼平(Vo, G)(撮影:森好弘)

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趣きのあるオペラ音楽が会場に流れる中、開演時刻になると志磨を除くバンドメンバーがステージへ。彼らはお互い向き合う半円状の配置でスタンバイし、「もりたあと(殺人物語)」の演奏を始めた。これを合図に、志磨も舞台へと登場。彼が天井を指差してメンバーにアイコンタクトすると、ライブは「シネマ・シネマ・シネマ」で幕を開けた。

花束を抱き寄せる志磨遼平(Vo, G)。(撮影:森好弘)

花束を抱き寄せる志磨遼平(Vo, G)。(撮影:森好弘)[拡大]

今回の公演はドレスコーズや毛皮のマリーズの楽曲を用い、大泥棒“マック・ザ・ナイフ”の生涯を描いていくオペラふうのライブとなった。「ガンマン、生きて帰れ」では志磨がマックの指名手配書をビリビリに破いたり、拳銃を手にして舞台を歩き回ったりとさまざまなステージングを行った。この楽曲の途中では、志磨が福島に拳銃を投げ渡すシーンも。突然のパフォーマンスに福島は驚いた表情を見せつつ拳銃を受け取っていた。

志磨遼平(Vo, G)(撮影:森好弘)

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「ガンマン、生きて帰れ」の演奏が終盤に差し掛かると、突如フロアに銃声が飛び交い、マックが戦場へと赴く様子が表現された。演奏メンバー全員がヘルメットを被った「SUPER ENFANT TERRIBLE」では、志磨がステージ中央のテーブルに置かれていた花束をマシンガンのように持ち、オーディエンスに向かって突きつけた。その後ライブは、無事戦場をくぐり抜けたマックがメリー・ルーという女性と恋に落ちるという展開に。「Mary Lou」で志磨は先ほどまで手にしていた花束を優しく抱きしめ、柔らかな歌声でフロアを包み込んだ。メドレー調にアレンジされた「ラストワルツ」「towaie」「さよならベイビー・ブルー」では有島のアップライトベースと福島のサックスの音色が絡み合い、マックとメリー・ルーの恋模様がロマンチックに演出された。

花びらを振りまく志磨遼平(Vo, G)。(撮影:森好弘)

花びらを振りまく志磨遼平(Vo, G)。(撮影:森好弘)[拡大]

マックとメリー・ルーの別れを描写する「恋するロデオ」では、志磨が花束を引きずるように持ち「さよなら……さよなら……」とさびしそうにつぶやいて切なさを表現。この楽曲のあとは「あん・はっぴいえんど」「スーパー、スーパーサッド」といった壮大な曲調のナンバーによって、マックが新たな一歩を踏み出す様子が描かれた。そして「欲望」でフィナーレが演出されると思いきや、この楽曲の終盤にて福島が先ほど受け取った拳銃をゆっくりと構え、志磨に向けて発砲。志磨はその場に倒れ込んでしまい、演奏は突如終了した。福島は倒れた志磨のもとへと近づき、足下にあった指名手配書を手にしてステージから撤退。そのまま舞台の照明も消灯され、フロアには緊迫した雰囲気が漂った。

しばしの沈黙のあと、ステージ中央にスポットライトが当たると、先ほど撃ち殺されたはずの志磨はテーブルの横で佇んでいた。彼はテーブルに置かれていた受話器を手にし、さびしげな表情を浮かべて「ダンデライオン」を歌唱する。この楽曲を歌い終えると、志磨はゆっくりと受話器を置いてステージから退場。およそ2時間にわたって展開されたマックの物語は終幕となった。

盛大な拍手に応えて行われたアンコールでは、アルバム「ドレスコーズの《三文オペラ》」にも参加した小島麻由美がゲストとして登場。彼女のオリジナル曲「おしゃべり!おしゃべり!」のほか、志磨とダブルボーカルを務める「ヒモと娼婦のタンゴ」で心地よいムードを生み出した。最後に(dresscodes)Beggars Quintetは「ビューティフル」を届け、舞台から去っていく。そしてエンディングBGMとして「おわりに」が流れると、会場はミラーボールの光に包まれ、本ツアーの終わりがノスタルジックに彩られた。

なおこの日の公演の模様が、映像作品としてリリースされることが決定。発売日や収録内容の詳細は追ってアナウンスされるので、続報をお楽しみに。

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ドレスコーズ「dresscodes plays the dresscodes」
2018年6月16日 新木場STUDIO COAST セットリスト

01. シネマ・シネマ・シネマ
02. どろぼう
03. Puritan Dub
04. ガンマン、生きて帰れ
05. カノン(大砲の歌)
06. SUPER ENFANT TERRIBLE
07. Mary Lou
08. ラストワルツ
09. towaie
10. さよならベイビー・ブルー
11. ハートブレイクマン
12. 恋するロデオ
13. あん・はっぴいえんど
14. スーパー、スーパーサッド
15. 欲望
16. ダンデライオン
<アンコール>
17. Ghost
18. おしゃべり!おしゃべり!(ゲスト:小島麻由美
19. ヒモと娼婦のタンゴ(ゲスト:小島麻由美)
20. ビューティフル

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