神宿、半年間のロングツアーを涙で完走「私たちが皆さんの居場所になります」

神宿の全国ツアー「神宿全国ツアー2017-2018～はじめまして！神宿です。～」が5月2、3日の東京・WWW Xでの2DAYS公演でファイナルを迎えた。ここでは千秋楽となった2日目の模様をレポートする。

昨年11月に発売された2枚のアルバム「原宿発！神宿です。」「原宿着！神宿です。」を携え、半年をかけて全国津々浦々を巡ってきた神宿。ツアーファイナルの2日間はそれぞれ異なるセットリストで挑み、舁夫（神宿ファンの呼称）と共に熱量のある空間を作り上げた。

千秋楽となった2日目のステージは、5月9日にリリースを控えるニューシングル「HAPPY PARTY NIGHT」で幕開け。そのまま「Ultra Cheer」「ビ・ビ・ビ▽」「Life is やっぱ Beautiful!」と4曲が続けて歌われ、ライブは冒頭から熱狂的な盛り上がりを見せた。羽島めいは「とうとう来ましたね、この日が。半年かけてきたツアーファイナルです」と早くも感極まった様子で思わず涙ぐみながらも「今日は絶対に最高の日になることをここで誓います！」と大きな声で宣言した。

自己紹介を挟んで歌われたのは、前日に初披露された新曲「好きといわせてもらってもいいですか？」。小山ひなのアカペラから始まる楽曲で、曲の頭に小山がタイトルにもなったフレーズをつぶやくと、場内にはわっと歓声が上がった。ガーリーな曲調から一転、シリアスなロックチューン「あの娘にばれるような…」、エモーショナルな「僕らは愛を信じている」、1990年代ギターポップを彷彿とさせる「憎しみという名の贈り物はあげない」と、神宿の5人は曲ごとに異なる表情を見せていく。「カムチャッカ・アドベンチャー」「限界突破フィロソフィ」「ぱらしゅ～と☆らぶ」の3連発でフロアはさらに熱を帯び、5人は大粒の汗を流しながら舁夫の声援に全力のパフォーマンスで応えた。

「原宿戦隊！神宿レンジャー」からのライブ後半戦は、「はじまりの鐘を鳴らせ」「Action!」「必殺！超神宿旋風」「全開！神宿ワールド」とグループの根幹を示す楽曲が並べられ、キラーチューン「Summer Dream」でライブはクライマックスへ。フロアの熱狂ぶりに、めいは「本当にすごいや……まさかこんな景色が見れるとは思ってなかったです」としみじみつぶやいた。そして5人は最後の1曲を残し、それぞれ半年に及んだツアーを振り返る。羽島みきは「半年かけてツアーをやると聞いたときはいろんな意味で『マジか』と思ったし、神宿のことを考えなきゃいけないのに勉強や学校のこともあって……このメンバーじゃなきゃ最後までできなかったし、応援してくれる舁夫さんの気持ちにもっと応えたいと強く思いました」と改めて感謝を伝え、関口なほは「北海道から沖縄までいろんなところを回ってきて、確実に言えるのは、舁夫さんが時間を削って会いに来てくれたり、プロデューサーさんやスタッフさんも私たちのために時間を削ってくれたからです。19年間の中で一番濃い半年を過ごしたなと思います。みんなと笑顔でファイナルを迎えたことが私にとって自信に変わりました」と目に涙を浮かべつつも笑顔を見せた。

グループのセンターを務める一ノ瀬みかは「京都のライブのあと、みんなで泣きながらケンカをしました。本当にツアーを大成功させたかったから。私たちのライブに来て笑顔になってもらうことに、私の生きている使命を感じます。すべてのあなたのおかげで私たちはここに立っています。これからどうしたらいいだろう、とすごく考えます。なぜなら私は神宿のセンターであり、一ノ瀬みかだから、常に前を向いていなきゃいけないんです。どんなにメンバーが悩んでいても、私が前を向いていないと前へ踏み出せないんです」と涙ながらに決意を表明した。小山もやはり泣きながら「私はあまり自分の感情を表に出しません。それでメンバーを傷付けてしまったこともありました。それでも全部受け止めてくれるメンバーがいるから私はここに立てています。私たちは基本的に自分たちからみんなに会いにいくことができません。だけどみんなの声が集まって全国ツアーをやらせていただけることになって、みんなに会いに行くことができました。これからも神宿のストーリーは続いていきます。絶対に立ち止まりません」と宣言。最後にめいが「私は神宿を始める前、居場所がなかったんです。サッカーしかなかったのにそれも失って、生きてていいのかなと悩んでいたときに神宿に出会いました。そして今回のツアーでたくさんの人に出会いました。神宿が、みんなが、私に生きる場所をくれました。偶然じゃなく、1つの線、1つの縁でみんな出会うべくして出会った仲間たちです。みんなが私に居場所をくれたように、みんなの居場所はちゃんとここにあります。私たちが皆さんの居場所になります。だから、悲しいことや悩むことは人生でいっぱいあると思うけど、思い詰めないでください。ここに来たら全部吹き飛ばしてあげます」と締めくくり、5人は息を合わせて「星空帰り道」を熱唱した。

長いツアーを終えたばかりの神宿だが、アンコールでは早くも6月に次のツアーが決定したことを発表した。「神が宿る場所～関西ツアー～」と題されたツアーで、舞台となるのは関西圏のライブハウス6会場。うれしい報告を持ってステージに戻ってきた5人は、これからに向けての決意を込めた「ミライノウタ」を歌い、さらにもう1曲「KMYD」で明るくフロアを盛り上げて笑顔で半年間のツアーを完走した。