サニーデイ・サービス、新曲尽くしの東阪ツアーで25周年イヤーを締めくくる

サニーデイ・サービスが12月18日に東京・LIQUIDROOM、 21日に大阪・梅田CLUB QUATTROで結成25周年イヤーの締めくくりとなる東阪ツアー「DANCE TO THE POPCORN CITY」を実施した。この記事では18日公演の模様をレポートする。

バンドは2016年8月に発表したアルバム「DANCE TO YOU」、6月に予告なしにストリーミング配信し12月25日に改めてパッケージ盤を発売するアルバム「Popcorn Ballads」を軸としたセットリストを展開。再結成前の楽曲を中心に披露した8月の東京・日比谷野外大音楽堂公演「サニーデイ・サービス サマーライブ 2017」とは趣の異なるライブを繰り広げた。

曽我部恵一（Vo, G）と田中貴（B）は、岡山健二（Dr）、高野勲（Key）、新井仁（G）、加藤雄一郎（Sax）を加えた編成でステージに登場。彼らは「Tシャツ」で軽快にライブをスタートさせ、淡々としたビートが印象的な「東京市憂愁（トーキョーシティブルース）」、艶やかなサックスの音色で彩った「青い戦車」といった「Popcorn Ballads」のナンバーを次々と届けていく。「DANCE TO YOU」収録の「パンチドランク・ラブソング」で瑞々しいポップサウンドを奏でると、オーディエンスは体を揺らしたり手を掲げたりと思い思いに同曲を楽しんでいるようだった。

中盤を彩ったのはファンクネスなサウンドが光る「流れ星」。メンバーによる全身を使った演奏で、会場が徐々に熱気に包まれていく。中でも曽我部は奔放なギタープレイで会場を沸かせた。続いて彼らは8月の野音公演で「Popcorn Ballads」から唯一披露された「花火」、曽我部のファルセットが美しい「クリスマス」といった情緒的なナンバーを畳みかけ、観客を惹き付けた。

その後メンバーはダンサブルな「虹の外」で息の合ったコーラスを響かせる。「セツナ」のイントロが始まると会場から歓声が上がり、それに応えるようにメンバーは熱演を繰り広げ、ライブはこの日のピークへ突入。田中は髪を振り乱しながら骨太なベースラインを鳴らし、曽我部は歯でギターをプレイするなど雄々しいステージングを展開した。そして本編の最後に「サマー・レイン」をパフォーマンスすると、会場からは自然とハンドクラップが。一体感の生まれた場内に向け、曽我部は感無量といった表情でシャウトした。

オーディエンスの声援と拍手に応えて再びステージに登場した彼らは、パッケージ盤の「Popcorn Ballads」にのみ収録されている「きみの部屋」でアンコールを開始。田中の奏でるウッドベースに曽我部がビブラートの効いた歌声を心地よさそうに重ねていった。そして曽我部は「年末の忙しい時期に来てくれてありがとう」と感謝を述べたあと、「柄にもなくクリスマスソングを作ったので聴いてください、よいクリスマスを」と伝え、バンドは12月13日にリリースしたアナログ7inchシングル「クリスマス -white falcon & blue christmas- remixed by 小西康陽」より「Rose for Sally（クリスマス・ソング）」を届けて公演に幕を下ろした。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。