LOVE PSYCHEDELICO、凄腕メンバーと一緒に回ったアルバムツアー完遂

LOVE PSYCHEDELICOが最新アルバム「LOVE YOUR LOVE」を携えて行っていた全国ツアー「LOVE PSYCHEDELICO Live Tour 2017 LOVE YOUR LOVE」が、11月24日に東京・中野サンプラザホールで終幕した。

今回のツアーには深沼元昭（G / PLAGUES、Mellowhead、GHEEE）、高桑圭（B / Curly Giraffe）、松本圭司（Key）、坂東慧（Dr / T-SQUARE）、レニー・カストロ（Per）がバンドメンバーとして同行。KUMI（Vo, G）とNAOKI（G）が作り出した楽曲を盤石の演奏で支えた。

レニーの躍動的なパーカッションで始まったオープニングナンバー「C'mon, It's My Life」から会場は大盛り上がり。軽やかなグルーヴに体を委ねながらKUMIは弾むような歌声を聴かせ、NAOKIは小気味のいいギターを奏でていく。「Feel My Desire」でほんのりアンニュイなムードを作り出したあと、KUMIは「最後まで思う存分楽しんでいってね」と観客にフランクに呼びかけのどかなアンサンブルに乗せて「Birdie」を伸びやかに歌い上げた。

この日は「LOVE YOUR LOVE」の楽曲とLOVE PSYCHEDELICOの歴史を彩ってきた過去のナンバーを織り交ぜながらライブを展開していったKUMIとNAOKI。ライブの序盤には「Abbot Kinney」「My last fight」の2曲で懐かしい空気を観客に届けた。「深沼くんが弾くダブルネック（ギター）がいいでしょ？」というKUMIの言葉に続いたのは、憧れのトム・ペティらの音楽を意識して作られた軽快な「You'll Find Out」。深沼の卓越したギタープレイにバンドメンバーも観客も大いに魅せられているようだった。一方でしっとりとした空気を作り出したのは、そのあとに続いた「Rain Parade」。この曲を歌う前にKUMIは、「この曲が生まれたのはずっと昔で。20年経ってやっと素敵だなという形になりました。今だからできたのかなって」と過去に思いを馳せていた。

NAOKIがステージの前に躍り出てメインフレーズを奏でた「Your Song」では、オーディエンスがKUMIと一緒にシンガロングしホール内に一体感が生まれる。NAOKIによる熱のこもったメンバー紹介を挟みつつ、「Place Of Love」「Beautiful Lie」「1 2 3」など最新アルバムの楽曲を披露した2人。「Might Fall In Love」でKUMIは艶やかな照明の下で体を揺らし、情熱的なパフォーマンスを繰り広げた。グルーヴィな楽曲がひとしきり続いたあと、KUMIが「みんなまだまだ踊る？ 歌える？」と観客に呼びかける。ステージ上の7人はラストスパートをかけるように「Everybody needs somebody」「LADY MADONNA～憂鬱なるスパイダー～」「Freedom」を立て続けにプレイし、痛快な余韻を残して本編を締めくくった。

アンコールはNAOKIのトークでスタート。彼はデビュー直前に両親と一緒に中野サンプラザホールの横を通り「いつかサンプラザでコンサートができるようになったらいいね」と話していたことを明かし、「個人的に思い入れがあったので、今日は特別がんばりました」と照れくさそうに語った。そんな特別な夜にふさわしく、NAOKIはレニーを呼び込むとドン・マクリーンの「American Pie」をカバー。味わいのある歌とギタープレイでオーディエンスを魅了した。その後、KUMIとバンドメンバーが合流し「Free World」「Last Smile」の2曲を続けてパフォーマンス。そしてKUMIは「またたくさん曲を書いて、またステージに戻ってくるから。また遊びに来てね。それまで素敵な日常を過ごして」と口にし、観客1人ひとりに語りかけるように「No Wonder」を歌い始めた。曲のクライマックスでは自然と合唱が起き、その温かな歌声にKUMIもNAOKIも笑顔で耳を傾けていた。