音楽ナタリー - 最新音楽ニュース

ナオト・インティライミ「旅歌2」本日公開、「キャラが苦手な人も楽しめる」

977

左から加藤肇監督、ナオト・インティライミ。

左から加藤肇監督、ナオト・インティライミ。

ナオト・インティライミ加藤肇監督が、本日11月23日に東京・TOHOシネマズ新宿にて行われたドキュメンタリー映画「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2」の公開初日舞台挨拶に登壇した。

「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2」は、忙しさに追われていたナオトが純粋に音楽を楽しむ心を取り戻し、原点回帰をするために行った13年ぶりの長旅に密着したドキュメンタリー映画。ナオトはこの旅でアフリカ大陸14カ国、ルーマニア、スウェーデン、ドイツほか、半年をかけて19カ国を巡った。映画は本日より前編が、2018年1月5日より後編が全国の映画館にて上映される。

昨日11月22日にリリースされたコンセプトアルバム「旅歌ダイアリー2」にも収録されている映画の主題歌「Sunday」が流れる中、劇場に登場したナオトは客席の間を走り、ファンと触れ合いながらステージへ。「どうもどうもー! ちょっとナオト・インティライミに戻ってもいいかしら? ただいま!」と小脇に抱えていたハットを手に取り、「くるりんぱ」と、どこかで聞いたことのあるフレーズを口にしながらトレードマークのハットをかぶった。加藤監督が客席を通らずそのままステージインすると、ナオトは「行かへんのかい!」と加藤監督にすかさずツッコミ。会場はさっそくナオトのペースに巻き込まれていく。ナオトが「皆さんにはもう観ていただいたんですよね。いかがでした?」と観客に問うと、会場から大きな拍手が。それを受けた彼は「そりゃそうだよね。つまんなかったなんて思ってても言えないもんね。旅の本編の中でも言ってると思うんですけど、本当に旅に出てよかったなと思います。僕は旅をしただけですけれども、いろんな方がこうやって作品にしてくださって、それを全国の映画館で流していただけるなんて本当に僕はちょっと信じられないですね」と感慨深げに語った。この映画が初監督作となる加藤監督は「こうやって皆さんに観ていただけるときが来るっていうのが今も信じられないくらい。本当にうれしいです」と瞳を潤ませた。

MCに髪を切って短髪にし、帽子をかぶらずに旅をしていたことについて聞かれたナオトは「もっともっと素の自然体でいたいという思いで、旅の中で帽子は1回もかぶってないです。それが実は『旅歌1』(2013年公開のドキュメンタリー映画「ナオト・インティライミ 冒険記 旅歌ダイアリー」)との大きな違い。『旅歌1』のときはコロンビアやエチオピア、トリニダード・トバゴに行く前の日までテレビで歌っていて、そのまま旅に行って、帰ってきてレコーディングだったので、“オン”のまま旅をしていたんです。今回帽子をかぶっていないのは本当にオフで、吸収したいという思いがあったからです」と回答。さらに「カーボベルデの床屋さんで刈り上げてもらったんですけど、『5mmでお願い』って言ったら(床屋の人に)『長いな。2mmでいこう』って言われて。『それは短い、3mm』でと交渉したんです」と旅先でのエピソードを明かした。

旅先で必ずCDショップを訪れ、現地のCDを購入しているナオト。今回の旅では200枚以上のCDを購入したと話す。アフリカを移動中の車の中で“DJインティライミ”として選曲係を担当していたナオトはそのCDを聴き飽きると、自身の過去に発表した作品やデモ音源を流していたという。その中にはKis-My-Ft2に提供した「AAO」を自分で歌ったデモなど、周りのスタッフですら聴いたことのないレアな音源もあったと話した。

ナオトはこの旅について「音楽家としては(現地の)音楽(を聴いて)ぶっ飛びました。グルーヴや熱量がすごいし、フェスでも日常でも本当に喰らいましたね。(音楽を)浴びさせられたっていう状態が続きました」と興奮気味に語ったあと、病院がなく医者もいない劣悪な環境の中で暮らす人々の感性について話す。「向こうの平均寿命は60歳。僕らよりも25歳くらい違う。それはなぜならば10人子供が生まれたら、10歳まで生きられるのは6人。『だから俺たちはたくさん子供を作るんだよ』って笑って話すんですよ。すごく胸が締め付けられましたね。『モノや金がなくても幸せだぜ』って胸張って笑顔で言いきれるところに、僕らがどこかに置き忘れたものを持っているなと感じました」と述べた。

最後に加藤監督は「ナオトさんの心情の変化がすごくわかるようにつないだつもりです。それが皆さんに届いていたらいいなと思います。よかったらお友達とか呼んでリピートしていただけたらうれしいです。直接感想もお聞きしたいのでTwitterとかに書いてくださったら」とコメント。ナオトは「奴隷の歴史がある中で、黒人が自分たちのアイデンティティを表現するために作った音楽が北アメリカや南米といった新大陸でいろいろ混じり合って、ジャズ、ロック、R&B、ファンク、ソウルが生まれていきました。だから(アフリカは)今の人間の故郷でもあり、ポピュラーミュージックの故郷でもある。音楽ファンも楽しめる映画です。食べ物や風景、旅のドキュメンタリーとしても楽しめます。ティライミの音楽を聴いたことがない、あるいは『あいつのキャラクターがちょっと苦手だな』っていう人も楽しめるので、怖いもの見たさで観ていただけたらと思います」とさまざまな人がこの映画を楽しめることをアピールし、舞台挨拶を締めくくった。

その後ナオトと加藤監督はマスコミ向けのフォトセッションに応じるため、客席の中へ。撮影を終えたナオトは、今回の旅に帯同しナオトの姿を撮影し続けたビデオクラファー上池惟孝の姿を見つけ、ハグを交わして会場をあとにした。

音楽ナタリーをフォロー