ふくろうず、花とカリフラワーが彩ったレコ発ワンマン

ふくろうずが8月12日に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて、単独公演「だって、わたしたちエバーグリーンワンマン」を開催した。

このライブはふくろうずが7月13日にニューアルバム「だって、あたしたちエバーグリーン」をリリースしたことを記念して実施されたもの。ファンが持ち寄ったさまざまな花が、内装インスタレーションや映像演出を含めたイベント制作チーム・アリオトによってステージに飾り付けられ、フレッシュな花の香りが漂う会場で、バンドはアルバム収録曲を中心としたセットリストでライブを展開した。

ステージにぶらさがった2つの丸型のスクリーンにふくろうの目が映し出されたのを合図に、内田万里（Vo, Key）、安西卓丸（B, Vo）、石井竜太（G）、サポートドラマーの張江浩司（Dr / 来来来チーム）がステージに登場。「だって、あたしたちエバーグリーン」の10曲目に収録されているインタールードトラック「思い出か走馬灯」が鳴り止むと、4人は「エバーグリーン」でライブを開始した。

序盤でバンドは内田が「8月の風もっと吹けもっと吹けば」と歌う、この季節にぴったりな「マシュマロ」、安西がメインボーカルを務め、石井によるエモーショナルなギターフレーズが疾走するビートに乗って響く「街はいつも雨のよう」などを披露。唯一写真撮影が許可された「メリーゴーランド」ではメルヘンな映像が丸いスクリーンを彩り、その直後に演奏された「ファンタジック/ドラマチック/ララバイ」ではパレードを想起させるカラフルな照明がステージを照らした。

「マイノリティ」でアグレッシブなプレイを繰り広げた4人は、観客から盛大な拍手を受ける。そんな中、安西は花に紛れてステージに置かれたカリフラワーを発見。彼は「昔、キライってブログに書いたのに……」とふてくされ、会場は大爆笑に包まれた。その後「ラジオガール」や「ダイナソー」といった繊細なバンドアンサンブルで魅せるナンバーを歌い終えた内田は光るサングラスを装着。ほかのメンバーも内田と同じように光るサングラスをかけるという、お決まりとなった演出の中けだるいヒップホップナンバー「ハートビート」が届けられた。

終盤で内田は「立たなくてもいいけど、立ってもいいよ。私は席があったら立たないけど……」と観客を客席から立たせようとするも、ほとんどの人は座ったまま。いつも通り遠慮がちなファンに内田は苦笑しながらも、「もうちょっとだから……残りの力を使い果たしてノリノリで行こうよ」と再度煽り、観客を立たせる。そしてバンドは「テレフォン No.1」や「トゥーファー」など、アッパーな楽曲を連続で披露。最後に内田は「この時間をみんなと共有できて本当に幸せ」と素直な気持ちを吐露し、最新アルバムより「うららのLa」を心を込めて歌った。

アンコール1曲目は内田による弾き語りで「すばらしい世界」が届けられる。彼女の歌声とピアノサウンドで届けられる切ないメロディに、観客たちは静かに耳を傾けた。メンバーがステージにそろい、最後に4人は「できない」と「優しい人」を披露。万雷の拍手を受けながらふくろうずはステージを下りた。

ふくろうずは11月からアルバムを引っさげた東名阪ツアー「だって、あなたたちエバーグリーンツアー」を開催。10月1日には東京・渋谷7th FLOORにて、内田による弾き語りライブ「内田万里の弾き語り天国」が実施される。本公演には彼女に加え、青葉市子と澤部渡（スカート）がゲストとして登場する。