「行けるところまで行ってみよう」サカナクション、幕張でさらなる躍進を約束

2016年4月14日 17:45 601 7 音楽ナタリー編集部

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サカナクションのライブツアー「SAKANAQUARIUM2015-2016 "NF Records launch tour"」が、4月10日に千葉・幕張メッセ国際展示場9～11ホール公演をもって千秋楽を迎えた。

サカナクション「SAKANAQUARIUM2015-2016 "NF Records launch tour"」4月10日の千葉・幕張メッセ国際展示場9～11ホール公演の様子。（撮影：山本マオ）

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昨年10月に開幕し、約半年に渡って各地で展開された今回のツアーには約15万人が参加。最終公演には2万人が来場し、約2時間半にわたって繰り広げられたチームサカナクションによるエンタテインメントショーを堪能した。

サカナクション（撮影：山本マオ）［拡大］

和太鼓バンドGOCOOとディジュリドゥ奏者のGoRoによる猛々しいオープニングセッションが終わると、ステージを覆っていた白い幕が開き、せりの上で一列に並びラップトップを前にしたメンバーが姿を現した。5人は挨拶代わりにビートを利かせたトラックに自分たちの楽曲をミックスした「N.F.I.G REMIX」をパフォーマンスし、早速オーディエンスを踊らせた。十二分にフロアが温まった頃に客電が消え、メンバーは手早く定位置にスタンバイすると「アルクアラウンド」をプレイ。山口一郎（Vo, G）、岩寺基晴（G）、草刈愛美（B）の3人がオーディエンスを煽るように一斉に前に躍り出ると、観客はクラップを鳴らしたり、心地よさそうに体を揺らしたりと思い思いの形で踊った。

サカナクション（撮影：山本マオ）［拡大］

「モノクロトウキョー」「表参道26時」という東京を舞台にした曲を2曲続けたあと、江島啓一（Dr）の駆けるようなビートから「Aoi」へ。青い照明の下で5人はそれぞれの楽器を奏でつつ、オーディエンスとともに大合唱。一体感が漂う中で山口は「今日は一緒に踊りましょう！」と叫ぶと、今度は蓮の写真をバックに「蓮の花」をエモーショナルに歌い上げた。

その後、バンドはミディアムテンポのナンバーで深い世界へと観客を誘った。「壁」ではステージの明かりを落とし、暗闇の中でパフォーマンスを繰り広げ、「years」では、レーザー光線を使った演出が幻想的な空気を作り出していく。スクリーンにオイルアートを投影しながら演奏された「ネプトゥーヌス」では、山口がアコースティックギターをつま弾きながら熱唱してオーディエンスを魅了した。

「SAKANATRIBE TRANCEMIX With GOCOO+GoRo」パフォーマンス中の様子。（撮影：山本マオ）［拡大］

2万人の美しい手拍子が響いた「ネイティブダンサー」を経て、「みんな一緒に踊ろう！」という山口の言葉からライブは後半戦に突入。「ネイティブダンサー」「ホーリーダンス」「夜の踊り子」とダンスチューンが続けざまに披露され、広い場内は熱気で満たされていく。山口は大いに踊る観客を前に満面の笑みを浮かべ、自らも軽やかなステップを踏み楽しげに踊った。彼が「幕張メッセを思いっきり揺らしていきましょう！」と呼びかけるとGOCOO+GoRo、着物姿のダンサー2人が合流し「SAKANATRIBE TRANCEMIX With GOCOO+GoRo」がスタート。バンドと和太鼓が生み出す強烈なグルーヴに、めまぐるしく変化していく極彩色の照明、無数に飛び交うレーザー光線など、さまざまな要素が溶け合ったパフォーマンスにフロアは狂騒状態に。興奮した空気は続く「アイデンティティ」にも引き継がれ、バンドは勢いを止めることなくそのまま「ルーキー」「新宝島」をプレイし、クライマックスへと突き進んでいく。山口が「今日はありがとうございました！みんなホント最高！」と笑顔を弾けさせると観客は怒号のような歓声を上げた。

アンコールが始まると5人が再登場し、サウンドとシンクロしたモノクロの映像をバックに「グッドバイ（NEXT WORLD REMIX）」を一列に並んでプレイ。その後、素早く定位置につくと今度は「ミュージック」を奏でた。さらに「新曲やりまーす！」という山口の宣言から始まったのは、岡崎英美（Key）が奏でる清涼感のあるシンセサイザーの音色が存在感を放つポップなナンバー。観客はキャッチーなサウンドに合わせて踊り、全身で新曲を味わっていた。

サカナクション「SAKANAQUARIUM2015-2016 "NF Records launch tour"」4月10日の千葉・幕張メッセ国際展示場9～11ホール公演の様子。（撮影：山本マオ）［拡大］

1stシングル「セントレイ」のカップリング曲「Ame(A)」で懐かしい空気を作り出したあと、山口はツアーを振り返るMCを始める。デビュー以来初めてとも言える長いライブ活動休止期間の間にさまざまなことを考え「やっぱり音楽最高だな」という結論に至ったことや、今回のツアーでサカナクションが終わるかもしれないという危機感を覚えたことなどを吐露。しかし、ツアーを回る中で自身の不安が吹き飛んだことを明かし、「みんなからもらってるもの、全部音楽で、体験で返して、行けるところまで行ってみようと思います」と高らかに宣言した。さらにマイノリティとマジョリティの両方の気持ちが理解できるバンドとして活躍することを約束し、「来年には日本最大の野外オールナイトパーティをやります！年内にアルバムもリリースします！来年か再来年ツアーもやります！」と叫んだ。そして観客がうれしそうな歓声を上げる中、5人は長いツアーを締めくくる1曲として「白波トップウォーター」を丁寧に奏で深い余韻を残してステージをあとにした。

サカナクション「SAKANAQUARIUM2015-2016 "NF Records launch tour"」 2016年4月10日幕張メッセ国際展示場9～11ホールセットリスト

01. N.F.I.G REMIX
02. アルクアラウンド
03. モノクロトウキョー
04. 表参道26時
05. Aoi
06. 蓮の花
07. 壁
08. years
09. ネプトゥーヌス
10. さよならはエモーション
11. ネイティブダンサー
12. ホーリーダンス
13. 夜の踊り子
14. SAKANATRIBE TRANCEMIX With GOCOO+GoRo
15. アイデンティティ
16. ルーキー
17. 新宝島
＜アンコール＞
18. グッドバイ（NEXT WORLD REMIX）
19. ミュージック
20. 新曲
21. Ame(A)
22. 白波トップウォーター