sumika×My Hair is Bad、超満員のBLITZで学生にエール送る熱演

日本工学院ミュージックカレッジ主催のライブイベント「HACHI-ON 1st Mission」が1月23日に東京・赤坂BLITZにて開催された。

このライブは日本工学院ミュージックカレッジの八王子キャンパス コンサート・イベント科19期の学生が企画、制作を手がけるもの。「1st Mission」と銘打たれたこの日はsumikaとMy Hair is Badのツーマンライブで、チケットはソールドアウトとなった。

ライブはsumikaからスタート。片岡健太（Vo, G）が弾き語りで「ソーダ」を歌い始めると、メンバーの分厚いコーラスが加わる。そして片岡が「パソコンの前では飽き足らず、スマートフォンの前では飽き足らず、家のドアを開けてここまで来たあなた方を全力で歓迎します」と告げ、バンドは軽快にイベントの口火を切った。彼らは「ふっかつのじゅもん」「リグレット」といったポップナンバーを楽しげに披露し、場内のボルテージを引き上げていく。冗談を織り交ぜたMCと、音数の多い軽やかなサウンドであっという間に5曲を駆け抜けると片岡が「何を隠そう、私実は日本工学院卒業生でして……。PAの勉強をずっとしていました」と話し始める。そして彼はその後、就職せずにバンドを続けるという進路を選んだこと、そのときに周りから言われたことや自身の心境などを回想し、「変化をするたびに人はいろんなことを言ってきます。しかし、あなた方が幸せなのが一番だから」と観客、そしてスタッフとして働く学生に向けてメッセージを送った。その後プレイされた「雨天決行」では片岡がステージ袖の学生に向けてガッツポーズを見せエールを送る一幕も。片岡が最後に「1人ぼっちになったときもいつでも帰ってこれますように、僕たちはいつだってこの場所でsumikaを続けてます。だから安心して思いっきり勝負してこいよ！」と言葉を重ね、バンドは温かなムードで場内を包んでステージを降りた。

転換時には都立武蔵野北高等学校吹奏楽部、通称「MKB」によるオーケスト演奏が始まる。彼らはステージ上、フロア後方、2階席など方々に散らばり、観客を楽しませた。

後攻のMy Hair is Badは、「ブラジャーのホックを外す時だけ 心の中までわかった気がした」という歌詞の弾き語りから始まる「真赤」を1曲目に。タイトル通り真っ赤なライトに染められたステージで、3人は序盤からパワフルでエモーショナルな演奏を繰り広げた。MCでは椎木知仁（G, Vo）が「ブラジャーなんて言い出してすみません」と笑いつつ「高校生の頃、一緒にライブハウスで歌ったり演奏していたりしてたやつの中に日本工学院に行ったやつがいる」と日本工学院にまつわるエピソードを語る。さらに「僕ら、なんで（このイベントに）呼ばれたんですかね？」と言いつつも「ドキドキさせに来ました！」と声を上げライブを再開させた。椎木は歌詞とメロディを自由にアレンジしながら、次々とロックチューンを届けていく。椎木はマイクをスタンドから外し、ステージの中央に進むと「今日は（観客もスタッフも）学生ばっかりだと思ってやらせてもらってます」と前置きし、「嫌なことは忘れればいいし、覚えていたいことは覚えていたらいいし、忘れたくないことは書いておけばいい、忘れたいことは忘れたいと思えばいい」とまくし立てる。そしてギターをかき鳴らし、自身の高校生の頃のエピソードなどを織り交ぜたアドリブの歌唱から「フロムナウオン」へとなだれ込んだ。最後に「僕らには大きすぎるステージでしたが、すごく勉強になりました」と感謝を述べバンドは「優しさの行方」へ。演奏後には椎木が「5年後『BLITZでマイヘア観た』って言わせてやります！」と言い放ち、本編を締めくくった。アンコールで再びステージに舞い戻ったバンドはショートチューン「エゴイスト」を叩き込み、イベントの幕を下ろした。

なお「HACHI-ON」の「2nd Mission」が1月29日に東京・オリンパスホール八王子にて開催される。こちらには佐香智久と夏代孝明が出演する。