セプテンバーミー、大雨に負けず初ワンマンで“最高の夜”を演出

セプテンバーミーが昨日9月9日に東京・下北沢SHELTERにて、バンド史上初のワンマンライブ「9月の私 vol.3 ～ワンマンライブ～」を開催した。

この日は台風による大雨に見舞われたが、場内は開演前に満員状態に。土肥大人（Vo, G）、岸波藍（Dr, Cho）、ココナッツ先輩（B, Cho）の3人はサポートメンバーとしてフジロックこと永井風思（G / 水上カルビ）を迎えて演奏を繰り広げた。さらにライブの途中には星英二郎（Key / OverTheDogs）も参加した。

彼らは「妖怪ダンス」と、新曲「幽霊ダイブ」というホラーチックなタイトルのアッパーチューンを序盤に連投。土肥は「今日は初ワンマン！ セプテンバーミーを観に来たお客さんしかいません！ 楽しんでいきましょう！」と曲中に叫ぶなど興奮した様子で観客を煽った。バンドは日常的な出来事をつづったエモーショナルな新曲「僕らのイノセンス」や、これまでにチャレンジしたことがないというコール＆レスポンスを展開した「CRシュレディンガーの猫」と次々に楽曲を披露していく。「CRシュレディンガーの猫」はパチンコやスロットにハマって大損をしたというココナッツ先輩について歌ったナンバーで、曲中には土肥に代わってココナッツ先輩がステージから身を乗り出して熱唱したり、アニメキャラクターのモノマネをしたりする場面も見られた。

ライブの中盤、MCで土肥は「俺が思うワンマンライブはデートみたいなものです」と観客1人ひとりと親密なつながりを得たいと強調し、「絶対に忘れられない夜にしたい。最高の夜にしようぜ」と改めて初ワンマンの意気込みをコメント。その後「9020」に続けて披露された、バンドにとって最速のBPMの曲だという人気ナンバー「逆回転するハッピーエンド」では、キレのあるバンドサウンドにフロアから自然とハンドクラップが起こった。そして彼らは「ありとあらゆるびゅー」、土肥のストーカー被害体験から生まれた「絶対彼女」と初期ナンバーを演奏した。

またバンドは11月18日に新作ミニアルバム（タイトル未定）をリリースすることを告知。その後キーボーディストの星を迎え入れ、現在47都道府県ツアーを行っているバンドの気持ちが詰まった新曲「ロックスターに憧れて」を届けた。メンバー間の友情が表現された歌詞とポップなサウンドの楽曲に観客はじっくりと耳を傾けた。

本編ラストのMCでは土肥が12年前に富山から上京してきたことを明かしたほか、上京前に両親と「東京と富山を結ぶ新幹線が10年後に開通する」という話をしていた思い出などを語る。そして先日、その新幹線に乗って富山に向かう最中に、10年前の会話が現実になったことや時が経過することの尊さについて感慨に浸り、思わず涙したことを赤裸々に観客に伝えた。そしてそんな思いを新幹線の中で書いたという新曲「ぐらぐら」を本編の最後に披露。情感豊かな歌声を響かせてステージを去った。

アンコールでは岸波が高校時代からバンド活動を始めて10年が経過したことを話す。「まさかワンマンができる日がくるとは思わなかったです。うちらはこれが毎回最後だと思って必死にライブをやってます。ステージに立ったらやっぱり楽しいし、これからも続けていきたいです」と今後の展望を語った。ココナッツ先輩はファンの力で活動ができていることに感謝を示し、土肥は「俺はみんなに何ができるかって考えたら、曲を作り続けていくことしかない。俺たちはみんなの声に全力で応えたい。ステージの上にいるときだけはみんなを裏切りたくないし、みんなと次のステージに進んでいきたい」と熱い思いを伝えた。そしてアンコールでセプテンバーミーは、岸波のリード歌唱パートがさわやかなポップソング「ハローグッデイ」、ミディアムテンポのメロディアスなナンバー「君と宇宙でスリーアウトチェンジ」を演奏。達成感に満ちた表情をそれぞれに浮かべ、大盛況のままに初ワンマンを締めくくった。

なおセプテンバーミーは新作のリリースに先駆けて、10月に東名阪のライブハウスで自主企画を開催。11月18日にリリースされる新作ミニアルバムには、今回のライブで披露された5曲の新曲がすべて収録される。

セプテンバーミー presents「9月の私 vol.3 ～ワンマンライブ～」
2015年9月9日 下北沢SHELTER セットリスト

01. 妖怪ダンス
02. 幽霊ダイブ
03. 僕らのイノセンス
04. CRシュレディンガーの猫
05. 9020
06. 逆回転するハッピーエンド
07. ありとあらゆるびゅー
08. 絶対彼女
09. ロックスターに憧れて
10. 自分プログラム
11. トケナイヨル、マジラナイヨル
12. ぐらぐら
＜アンコール＞
13. ハローグッデイ
14. 君と宇宙でスリーアウトチェンジ