「MUSIC TAGS」でレンジ、KEYTALK、夜ダンがカチャーシー競演

ビクターエンタテインメントが企画するライブイベント「ビクターロック祭り番外編 Getting Better Records×Speedstar Records presents MUSIC TAGS vol.3 ～先輩、宜しくお願い致します。～」が7月22、23日にわたって東京・Zepp Tokyoで開催された。この記事では23日公演の模様をレポートする。

この日のオープニングアクトを務めたのは夜の本気ダンス。1曲目「WHERE?」から、畳みかけるようなビートとキャッチーなメロディでオーディエンスの心をつかみ、場内の熱気を急上昇させる。「Bitch」が終わったあとのMCでは鈴鹿秋斗（Dr）がこの日共演するORANGE RANGEの大ファンであることをアピールし、「俺がどれだけORANGE RANGE好きか知らんやろ！ 『サムライマニア』全部歌えるからな！」と、ORANGE RANGEのメジャーデビューシングルのカップリング曲を熱唱。会場中を沸かせた。

マイケル（B）の重低音のベースと町田建人（G）のギターフレーズがフロアを揺らした最新シングル曲「By My Side」が終わっても鈴鹿のレンジファンアピールは続く。「俺らはビクターのバンドでもなんでもない、ただのインディーズバンドなのにここに出てまして。なぜ出てるのか薄々気付いている人もいるかと思いますが……」と観客に何かを匂わせたかと思うと、「俺、ORANGE RANGE入りたいねん！」と絶叫し、彼らの代表曲「ロコローション」のイントロを叩き始めた。これには「アプローチの仕方、間違うてるぞ！（笑）」と米田貴紀（Vo, G）も苦笑い。最後の「戦争」では米田がフロアに降り立って観客と一体になりながら熱唱し、大いに盛り上げた。

続くKEYTALKのステージは「FLAVOR FLAVOR」からスタート。首藤義勝（Vo, B）と寺中友将（Vo, G）のボーカルが伸びやかに響き渡る。「パラレル」では赤い照明に照らされたメンバーたちが高速のビートを刻み、オーディエンスを踊らせた。その後もフロアから息の合ったかけ声が飛んだ「YURAMEKI SUMMER」、ドラマチックなサウンドを聴かせる「桜花爛漫」、小野武正（G）のギターが空間を切り裂くように鳴り響いた「コースター」と、強力なナンバーばかりが連発される。中盤の寺中のMCでは、前日22日の公演でキュウソネコカミが使用した段ボール製の“阪急電車”がそのままこの日の楽屋に残されていたことを明かし、観客を爆笑させる。そして残しておいてくれたスタッフに対し「ビクターって最高だなと思いました！」と感謝の言葉を述べた。

後半戦ではさわやかな歌声で観客を魅了した「エンドロール」、ミディアムバラードのラブソング「バイバイアイミスユー」で会場の空気を柔らかく変えていく。その後は「MABOROSHI SUMMER」から再びハイテンションなナンバーを立て続けに披露。ラストを飾った「MONSTER DANCE」ではオーディエンス全員が同じ振り付けで踊り、場内の一体感もピークまで高まっていた。

最後を飾ったのはORANGE RANGE。オープニングナンバーの「JIN JIN」からYAMATO（Vo）、HIROKI（Vo）、RYO（Vo）のボーカルが力強く場内に響く。イントロから大歓声が上がった「お願い！セニョリータ」では、全バンドのファンが一体となって踊り狂っていた。最初のMCでは、夜の本気ダンスのライブでの鈴鹿の「入りたい」という発言に対しHIROKIが「リスペクトは伝わってきたけど、絶対入れたくないね！（笑）」とバッサリ。YAMATOも「彼が喋るとこっちがヒヤヒヤしたね（笑）」と同意する。さらにHIROKIが「そして次の、グッドモーニングアメリカが……」とボケると、2階席からライブを観ていたKEYTALKのメンバーが一斉に立ち上がって「違う違う！」と手を振り、オーディエンスを大爆笑させた。

大ヒット曲「おしゃれ番長」で会場がさらに盛り上がったあとは「トーキョーガールズコネクション」「シティボーイ」でしっとりとしたムードへ導く。その後、HIROKIは「新曲をやってもいいですか？ 渾身のラブソングができました！」と曲紹介するが、始まったのは“寿司”への愛を歌った「SUSHI食べたい」。ハイクオリティなサウンドとユーモラスな歌詞のギャップに、フロアからは笑い声と歓声が起こる。曲を終えたHIROKIは「なんかざわざわしてますけど……まあ『花』を超えましたよね！」と得意満面で言い放った。最後を締めくくったのは「イケナイ太陽」「鬼ゴロシ」「キリキリマイ」。熱狂のうちに本編の幕が閉じられた。

アンコールの声に答えて暗転したステージにメンバーが戻ると、「ロコローション」のイントロのドラムが鳴り始める。観客は歓声を上げるが、明るくなったステージ上のドラムセットに座っていたのはこの日サポートを務めていた哲之（ジン）ではなく、夜の本気ダンス・鈴鹿。場内に大爆笑が響く中、HIROKIから「お前違うだろ！ 帰れ！ 京都帰れ！（笑）」と追い払われた鈴鹿は深々と礼をしてステージを去り、改めて哲之がスタンバイして「ロコローション」が披露された。アンコール最後の曲は「上海ハニー」。間奏ではRYOが「この場をみんなで沖縄にしませんか！」と呼びかけ、オーディエンス全員がカチャーシーの振りで踊る。さらにKEYTALK、夜の本気ダンスのメンバーもステージに登場。KEYTALKの寺中と八木はMCで語っていたキュウソネコカミの置き土産の“阪急電車”とともに現れてさらに盛り上げる。3組の和やかな競演のうちに「MUSIC TAGS」2日目が無事終了した。