「BiSキャノンボール」大幅追加の“完全版”で7月DVDリリース

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今年2月に公開されたBiSのドキュメンタリー映画「劇場版 BiSキャノンボール2014」の完全版DVDが、7月22日にリリースされることが決定した。

「完全版 BiSキャノンボール2014」ビジュアル

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「劇場版 BiSキャノンボール2014」はスペースシャワーTVのドキュメンタリー番組の撮影を発端に制作された、AV監督のカンパニー松尾の監督作。メンバー6人にAV監督6人がそれぞれ密着し、昨年7月に神奈川・横浜アリーナで行われたBiS解散ライブの舞台裏を描き出していく。

今回2枚組DVDとしてリリースされる「完全版」は、約125分の「劇場版」から大幅に尺を伸ばした大作となる予定。この作品についてカンパニー松尾は「編集時間と尺が足りません!13人それぞれが複雑に絡みあった濃密な2日間を120分で見せきるのは、ちと無理がありました」「完全版の編集はこれからです。先に作った60分版と劇場版を含めた4.5時間になると思います。特に結末が変わるわけではありませんが、元BiSメンバーの気持ちはこれまで以上に汲み取れるものにします」とコメントしている。

なお、「劇場版」は4月24日より全国のTSUTAYAにてレンタルが、DMM.comにてダウンロード販売およびストリーミング配信がスタートする。TSUTAYAではカンパニー松尾の監督作「劇場版 テレクラキャノンボール2013」も同時にレンタルがスタート。この両作品をレンタルした人を対象に、プレミアムトークイベントの開催も予定されている。

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カンパニー松尾 コメント

2014年7月、僕たちAV監督は、全裸PVやヌードグラビアなどで世間を騒がせたアイドルグループ、BiSの解散ドキュメントを撮影しました。これは当初、スペースシャワーTVの60分番組を作る目的で発注され、「撮れ高次第で劇場公開しましょう」と、にんじんをぶらさげられ、スタートしました。本来はBiSの解散ライブを中心としたこれまでの活動や騒動を振り返る“お涙ちょうだいもの”でよかったはずでした。が、僕らは普段、裸やセックスを撮ってるAV監督です。音楽やアイドルのことはさっぱりわかりません。また既にAKBを頂点としたアイドルドキュメンタリーの秀作は世に存在しています。悩んだ末、どう撮ったらいいのかわからなくなったので、結局僕らのスタイルで撮る事にしました。
 つまり、解散ドキュメントと言いつつ、メンバーに内緒で最終的にハメ撮りを目指すというドッキリAVみたいな企画です。ちょうど僕らAV監督が素人女性をテレクラやナンパでゲットしながらレースするドキュメントAV『テレクラキャノンボール2013』が劇場公開され、ヒットしていたので、調子に乗って同じフォーマットをBiSにぶつけることにしたのです。しかし、もともとお仕事でヌードになってるBiSメンバー達を最初から説明して脱がせるのは面白くありません。なので、彼女たちには「情熱的な密着ドキュメント」という嘘と本音が入り混じったコンセプトだけ伝え、解散ライブ前日のリハーサルからBiSメンバー6人にAV監督6人がついて、それぞれペアを組み、撮影はスタートしました。
 アイドルvsAV監督、その前人未到のバトルは混迷を極めました。というか実際トラブりました。そりゃそうですよ。密着ドキュメントと言いながら「BiSなりのハメ撮り」とか「顔射」とかいうフレーズがバンバン飛び交うんですから。さらに、アイドルに免疫がないAV監督が彼女達の歌や踊りや人間性に感化され、「好きになっちゃう」とか「ファン心理がわかった」とか言っちゃったり。
 けど、トラブりながらも結局BiSの6人、プー・ルイ、ヒラノノゾミ、ファーストサマーウイカ、カミヤサキ、テンテンコ、コショージメグミとAV監督6人、カンパニー松尾、バクシーシ山下、ビーバップみのる、タートル今田、梁井一、嵐山みちる、さらにBiSを数々の仕掛けで横浜アリーナで解散ライブさせるまでに大きく育て上げた敏腕マネージャー、渡辺淳之介を加えた13人の、壮大なる人間模様は撮れたような気はしました。そして、内容的、倫理的にもスペースシャワーTV用60分の枠はゆうに超えていました。劇場版制作は撮影終了後、すんなり決まりました。
 その後、監督である僕は、まずは前半だけの素材使って、2014年9月放送の60分番組『BiS大陸』、(放送前はキャノンボールフォーマットを隠すため偽タイトルで告知されていました)後の『SSTV版 BiSキャノンボール2014』を編集しました。自分で言うのも何ですが、コレはよく出来ています。物語を四季で例えると春から夏、人が出会ってコミュニケーションを交わし始めるドキドキ感に溢れています。しかし、この60分版のラストは盛り上げるだけ盛り上げておいて「続きは劇場で!」と、肩すかしで終わります。
 その後、『劇場版 BiSキャノンボール2014』の編集に取りかかりました。公開は年が明けた2015年2月。キャッチコピーは“騙されたのはどっちだ”です。先の60分版では先送りされた結末が明かされ、見てくれた方と一緒にBiSの最後を看取り、送り出し、完結させる、そんな意気込みで作り始めましたが、計算が狂いました。実はこの劇場版、先に述べた通り6人のBiSメンバーと6人のAV監督、さらに渡辺マネージャーを含めた13人の群像劇であることを忘れてました。編集は僕の本業との兼ね合いで公開1ヶ月前から始めましたが、編集時間と尺が足りません!13人それぞれが複雑に絡みあった濃密な2日間を120分で見せきるのは、ちと無理がありました。そして内容的にも秋から冬。出会った喜びは忘れ去られ、自我を押し付けたり、壁を作ったり、揉めたり、泣いたり、“騙し企画”のネガティブな部分が露になり、お話は寒くなるばかりです。そんな中、ヤルかヤラナイか、まるで“自分との戦い”のような暗い話になってしまったのです。実は小さな春みたいなエピソードはあったのですが、もっと暗い冬みたいなものとセットだったので劇場版では見せきれませんでした。
 迫り来る公開日、終わらない編集、あげく前売りチケットも完売しプレッシャーが強まる中、何とか穴だけ空けないように仕上げたのが『劇場版 BiSキャノンボール2014』です。
 なので『劇場版 BiSキャノンボール2014』の出来には悔いが残りました。でも、そんなこと見てくれた方に言えないので公開直後は下ばかり向いていました。「ずっと暗い素材ばかり見てて元気がないんです」というような言い訳をしていましたが嘘でした。編集しきれなかった自分の甘さに落ち込んでいました。結局、公開後、多少の変更を加えてちょっと気持ちも落ち着き、公開は続きました。しかし、どこかで納得いくものを作りたいという思いが残る中、劇場版もヒットし、ようやく完全版制作のメドが立ちました。よかったです。
 完全版の編集はこれからです。先に作った60分版と劇場版を含めた4.5時間になると思います。特に結末が変わるわけではありませんが、元BiSメンバーの気持ちはこれまで以上に汲み取れるものにします。BiS解散ライブから1年、満を持してお送りする『完全版 BiSキャノンボール2014』。小さな春からまた夏が来るのか。どーか楽しみにお待ちください。

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