FACTの15周年を総勢17組が祝福！轟音まみれの10時間半

11月29日に千葉・幕張メッセにてライブイベント「FACT 15th Anniversary 『Rock-O-Rama』」が開催された。

このイベントはFACTの結成15周年を記念して企画されたもの。当日はFACTメンバーがバンドを始める前から憧れていた先輩や同じフィールドで切磋琢磨してきた盟友、後輩など16組に主役のFACTを加えた計17組が、UNITY STAGEとANARCHY STAGEという2つのステージで熱演を繰り広げた。

イベントのオープニングアクトならぬ“OPENING FACT”として、開演前の11:10からANARCHY STAGEに登場したのは、もちろんFACT。彼らはHiro（Vo）の「『Rock-O-Rama』へようこそ」という言葉を合図に「a fact of life 」でライブをスタートさせた。彼らは序盤から「a fact of life」「the shadow of envy 」などキラーチューンを惜しみなく繰り出し会場をヒートアップさせる。そして「10年前の曲」だというメロディアスな「Keep」を披露し、イベントのトップバッターを飾った。

一方UNITY STAGEのスタートを飾ったのは大阪を中心に活動する“スサシ”ことSPARK!!SOUND!!SHOW!!。彼らはパンクやスカ、ヒップホップなどさまざまな要素を取り入れたユニークな楽曲を、自由気ままなステージングで繰り出していった。

その後、両ステージにはwaterweed、ENDZWECK、Crystal Lakeといったハードコアバンドが次々と登場。彼らはフロアに下りてオーディエンスとともに歌唱したり、ステージ上を右に左に暴れ回ったりとライブハウスさながらの迫力あるパフォーマンスを見せていく。ABNORMALSは激しいサウンドながらも、妖艶なアクトで観客を魅了。またHER NAME IN BLOODのラストナンバー「HALO」で盛大なウォールオブデスを生み出すなど、オーディエンスも全身を使ってバンドの熱演に応えた。ラウドなサウンドが続く前半に異彩を放っていたのが04 Limited Sazabys。彼らはダンサブルなシャッフルビートやキャッチーなサウンドに乗せ、GEN（B, Vo）のハイトーンボイスを届けた。

終盤のUNITY STAGEにはNAMBA69、STRUNG OUT、Ken Yokoyamaと、FACTが敬愛しているバンドが続く。NAMBA69は1曲目に「21st CENTURY DREAMS」を投下し、一気に会場をパンクロックモードに。そして難波章浩（B, Vo）が「モッシュとか観たいなー」とキッズたちを煽り、「SUMMERTIME」や「ETERNAL GOLD」といったアップテンポなナンバーで場内の温度を一層上昇させた。続くアメリカからのゲスト・STRUNG OUTが登場すると、オーディエンスは大盛り上がり。モッシュやサーフクラウドを繰り返し、興奮をあらわにする。バンドも絶妙なコーラスワーク、速弾きギターなど精緻なプレイを見せ、「Rotten Apple」「Velvet Alley」といった人気曲で日本のファンを喜ばせた。

Ken Yokoyamaは、FACTが昔お面をかぶっていたことにちなんで“おかめ”のお面をかぶって登場。「こんばんは。FACTの友達のバンドの者です。今日はFACTの15周年だと聴いてやってきました。わたしの名前は横山です」と言うとお面を外し「How Many More Times」からライブをスタートさせた。MCでKen（Vo, G）はFACTの15周年について「10年は続くけど、15年20年はけっこう難しいよね」と語る。またメンバー全員が背中に「ファクト賛江 祝十五周年」と書かれたTシャツを着てライブをするなど、すみずみまでFACTへの愛のこもったパフォーマンスを見せた。

後半のANARCHY STAGEにはPALM、kamomekamome、dustboxといったFACTと付き合いの長いバンドが並ぶ。PALMでは、ほぼ全曲フロアに下りてパフォーマンスを見せたToshihiko Takahashi （Vo）が「いろんなブームとかあるけど、それを作るのはレコード会社の人とかメディアの人とかじゃなくて。ここに来てるお客さん1人ひとりが『面白かった』とかを伝えていくことで、1人ひとりがシーンを作る可能性がある」と熱弁。迫力あるライブと真摯なMCでファンの心をつかんだ。kamomekamomeは向達郎（Vo）がまっすぐ前を向き、パワフルな歌唱を見せる。FACTについては「これだけは言わせてくれ。FACTは最高のバンドだよ」と力強く告げ、「FACTと出会った頃にやっていた曲を一発カマすから」という前置きから「メデューサ」をドロップし会場を盛り上げた。

ANARCHY STAGEのトリを飾ったdustboxはSUGA（V, G）の伸びやかな弾き語りから始まる「Jupiter」を1曲目に。そして「FACT、15周年おめでとう！」と呼びかけると次々にメロディアスなナンバーを畳み掛けた。MCではJOJI（B, Cho）が、dustboxも15周年であることを明かし、自身の15周年企画イベントにFACTがゲスト出演した際の話を始め、「（対バンした際）すごい力もらったのね。だから今日は恩返しがしたいです」とこの日の決意を語った。

そしていよいよFACTのアクトへ。UNITY STAGEにはまずEiji（Dr）が1人で姿を現し、パワフルなドラムソロを披露する。そして彼が「Rock-O-Rama！」と咆哮すると、それを合図に残りの5人が登場。Hiroはまず空気砲でファンにTシャツをプレゼントするなど、派手なパフォーマンスを見せる。そして多くのバンドマンがステージ袖で見守る中、6人は「Slip of the Lip」からライブをスタートさせる。さっそくオーディエンスをジャンプさせ一体感を生み出した。3曲を終えるとHiroは「最高の1日をありがとうございます」とうれしそうに言い、Adam（G）は「お前らがいなかったら俺はここにいないよ。ありがとう」とファンにメッセージを送る。またHiroは15周年について「15周年って振り返ったら早かったんだけど、15年の間にこんなに素晴らしい仲間に出会ったんだなって改めて感じました」と感慨深く語った。そして最後は「rise」。分厚いコーラスが楽曲を彩り、それにあわせるように観客からの盛大なシンガロングが発生した。

アンコールではHiroのプレイするグロッケンの音色が印象的な「Sunset」を挟み、彼らがこの日“OPENING FACT”として一番最初に演奏した「a fact of life」を再度披露。約10時間半に及んだ「Rock-O-Rama」をピースフルに締めくくった。

※記事初出時、本文に事実誤認がありました。訂正してお詫びいたします。