今年の4月からスタートし約半年にわたって全国津々浦々を回ってきたゴールデンボンバーの4人。ツアーの総動員数は約20万人にのぼり、彼らの人気の高さをうかがわせた。この記事では追加公演として行われた10月22日の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の模様をレポートする。
毎回、メンバーによる前説や寸劇、映像上映などサービス精神旺盛なステージが楽しめるゴールデンボンバーのライブ。前説はツアータイトルにも登場する喜矢武豊(Gita-)が担当し、観客にモノマネを強要したり、色っぽい声で返事をするようにリクエストしたりしながらライブへの期待感を煽る。場内が暗転すると、まずはスクリーンに初老になったゴールデンボンバーの面々が集まり近況報告しあうショートムービーが上映された。映像の中では、喜矢武がはげていく自身の頭部に悩み、怪しい占い師からうっかり受け取った「ハゲナオール」という謎の薬を飲んだものの、毛髪が生えるどころかハゲが進行。その結果ゴールデンボンバーが解散に追い込まれるという切ない物語が繰り広げられる。解散後は鬼龍院翔(Vo-karu)は印税生活を満喫し、歌広場淳(Be-su)は実業家として成功。樽美酒研二(Doramu)は家業を継ぎ、とそれぞれの道を歩んでいたが、科学者になった喜矢武だけは過去に戻りたいと切望し、ついにはドラムセット型タイムマシンを自作してしまう。「ゴールデンボンバー全国ツアー2014『キャンハゲ』」が開催された2014年にメンバーとともにタイムスリップしてくるという展開を経て、本格的にライブの幕が上がった。
初老の格好をした4人は窮屈そうにバスドラムの中から登場すると、大きな肩パッドを入れたジャケットを羽織り「Dance My Generation」をパフォーマンス。歌広場は「待たせたな! 恥ずかしいのはみんな一緒だ!」と叫び、オーディエンスと一緒に踊り狂う。盛大なタオル回しが起きた「レッツゴーKY」ではメンバーは早速トロッコでアリーナエリアを巡回してファンを狂喜させた。
序盤のMCで鬼龍院は「よくがんばったゴールデンボンバー! おかしいよ、だってエアーバンドだよ?」「2万人もいると情報が行き届いていないかもしれないんですけど、俺たち演奏してません! すいませんでした!」と謝罪し、喜矢武も「いいのかな俺たちで」と不安な様子。喜矢武は「人生、綱渡りじゃないですか。来年は松屋でバイトしてるかもしれないし」と語りつつ、「GLAYのHISASHIさんみたいなギタリストになりたい。いつかHISASHIさんに『お前がHISASHIだ』と言われるようになりたいです」と宣言した。歌広場の若干滑り気味の自己紹介を挟みつつ、樽美酒は「僕最近万華鏡作りにハマってるんですよ。その作った万華鏡を見せたくて会場に持ってきました! 作った万華鏡を見せたいだけ!」としつこくアピールする。
そんな一幕を経て披露された「抱きしめてシュヴァルツ」では、チュチュに着替えた喜矢武がステージで綱渡りに挑戦し、失敗しては股間を打ち付け悶絶する。一方で樽美酒は裸で巨大な万華鏡に入りメンバーと観客に衝撃を与え、さらにはHISASHIのコスプレでGLAYの「グロリアス」を調子の外れたメロディで歌うなどやりたい放題。観客は大爆笑しながら、ステージで繰り広げられる予測不可能なパフォーマンスを見守った。さらには「トラウマキャバ嬢」では樽美酒が逆立ちする喜矢武を支えるふりをして彼のお尻を揉み、「タイムマシンが欲しいよ」ではふなっしーならぬ“洋なっしー”に扮した歌広場が暴れるなどステージはカオスな状態に。さらにスクリーンでは後輩バンド・ギルドとゴールデンボンバーの面々がバブルサッカーで対決する映像を上映したり、喜矢武が科学者に扮して人間の心を持つロボット・キリュ(鬼龍院)に「好き」という感情を覚えさせようと奮闘する寸劇「ファンタスティックゲイドラマ」を上演。なお寸劇の合間にはストーリーとリンクした「煙草」「片想いでいい」といった楽曲が披露され、笑いの中にも切ないムードが漂った。
最新曲「ローラの傷だらけ」では黒い衣装を着た女性ダンサーが登場してメンバーと一緒に踊り狂い、「101回目の呪い」の曲中では体操服に着替えた喜矢武が人間ピラミッドに挑戦。4人の全身全霊のパフォーマンスに観客は熱狂し続ける。「毒グモ女(萌え燃え編)」では、再びトロッコに乗ってメンバーが客席の後方に移動。アリーナライブと言えばアコースティックセッションが定番と語る鬼龍院だが、音が出る楽器を1人も持っていないことから途方に暮れていると客席から突然、波田陽区がアコースティックギターを抱えて登場した。波田はギターをメンバーに手渡し、「このギターはあんたがたに貸してあげますからー。拙者の役目、これで終わりですからー、残念!」と言いながら颯爽と退場。鬼龍院は「最初で最後になるかもだけど……」と遠慮がちに言い、喜矢武が弾く生ギターにあわせて「イヤホン」を歌い上げる。観客の大合唱によって広い会場がひとつになったところで、「だからバイバイ▼」(※「▼」は割れたハートマークが正式表記)で本編はクライマックスへ。曲中では色とりどりの風船が天井から舞い落ち、明るくハッピーな空気が場内を満たした。
アンコールでは鬼龍院が、「埼玉でいい思い出ができたかなと。今日ここでライブをやらせていただいて好きになりました」とお礼を伝え、喜矢武は「俺、GLAYのHISASHIさんになれると思う。肩並べてる。でもHISASHIさんより上に行きたいの! “喜矢武三郎”になりたい」と北島三郎を意識していることを明かす。その言葉が布石となりアンコール1曲目の「また君に番号を聞けなかった」では、袴姿の喜矢武が巨大な龍のオブジェに乗ってパフォーマンスを繰り広げる。さらに鬼龍院が熱唱するうしろに格子状の足場が登場し、全身タイツに着替えた喜矢武、歌広場、樽美酒が人文字で「I ▽ サイタマ」(▽は白抜きハート)を表現。ファンと埼玉への感謝を肉体を駆使しながら伝えた。メンバーが去ったあとはショートムービーの後半が上映され、ゴールデンボンバーの再結成という結末をもって最初のアンコールが終了した。
しかし観客はダブルアンコールを熱望し、メンバーをステージに呼び戻す。喜矢武は唐突にアコースティックコーナーで鼻くそが顔についていたことを激白し、「これDVD化するじゃん……俺らV系だよね?」とポツリ。また鬼龍院はツアーで全59公演を行い20万人の観客を動員したことを報告し、「ずっと続けていきたいと思ってますが、もしかしたら紅白は出られないかもしれませんが……」「たいしたことじゃないけど新曲作ってきたから。振りもないし、地味かもしれないけど」とアッパーなロックチューンをオーディエンスにプレゼントした。さらに鬼龍院の「今夜は?」という呼びかけに、観客が「トゥナイト!」と元気な声で答え「今夜はトゥナイト」がスタート。曲中では喜矢武がステージでシャンプーし始めたことを皮切りに、ほかのメンバーも次々と無理やりシャンプーをかけられ気付けば全員が泡まみれに。鬼龍院はタオルで顔を覆いながら「シャンプーで目が痛いよ! でも感動してます」と笑いを誘い、歌広場は「ゴールデンボンバーのピークは?」「永遠!」というコール&レスポンスを観客と展開。最後は「また来年もツアー絶対にやろう。俺たちは曲作って面白いこと考えるから、お前ら元気でいろよ!」という挨拶をもってさいたまスーパーアリーナ公演はフィナーレを迎えた。
なおゴールデンボンバーは、ライブの模様を収録したライブDVD「ゴールデンボンバー 全国ツアー2014『キャンハゲ』at さいたまスーパーアリーナ 2014.10.22」を12月26日にリリースする。
ゴールデンボンバー「ゴールデンボンバー全国ツアー2014『キャンハゲ』」
2014年10月22日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト
01. Dance My Generation
02. レッツゴーKY
03. 抱きしめてシュヴァルツ
04. トラウマキャバ嬢
05. タイムマシンが欲しいよ
06. †ザ・V系っぽい曲†
07. 煙草
08. 片想いでいい
09. いつもと同じ夜
10. HEN
11. ローラの傷だらけ
12. 101回目の呪い
13. 毒グモ女(萌え燃え編)
14. イヤホン
15. だからバイバイ▼
<アンコール>
16. また君に番号を聞けなかった
17. 女々しくて
<ダブルアンコール>
18. 愛してると言ってくれ(新曲)
19. 今夜はトゥナイト
リンク
- ゴールデンボンバー
- ゴールデンボンバーオフィシャルモバイルサイト
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<ゴールデンボンバー WEB>
ニュースサイト「ナタリー」
10/22に行なわれた、ゴールデンボンバー 全国ツアー2014「キャンハゲ」~追加公演~
さいたまスーパーアリーナのライブレポート掲載
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