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コラボ満載!佐藤タイジ“中津川フェス”大団円

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イベントフィナーレの様子。(撮影:三浦麻旅子)

イベントフィナーレの様子。(撮影:三浦麻旅子)

野外ロックフェス「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014」が9月27、28日に岐阜・中津川公園内特設ステージにて開催された。

昨年、イベントの最後に佐藤タイジ(シアターブルック)が言った「来年も絶対またやろうぜ!」の言葉通り、再び中津川に戻ってきた「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」。今回も会場に並べられたソーラーパネルが生み出す太陽光発電による電力を使って、多数のアーティストがライブパフォーマンスを披露した。また、会場では熱気球体験やダイノジによる“大相撲 中津川場所”などさまざまな企画も行われた。

■1日目:9月27日

秋晴れの空のもと、メインステージのREVOLUTIONでは堂珍嘉邦が叙情的なメロディの「It's a new day」で力強くイベントの口火を切る。「SOLAR BUDOKANへようこそ。楽しんでいきましょう」と短く挨拶した彼はダンスチューン「handle me right」やサイケデリックな「Caravan」など幅広い楽曲を披露していった。同じ頃、アコースティック中心のRESPECTステージではインディーズ電力のライブがスタート。Dragon Ashとのコラボが話題を呼んだ“踊絵師”神田サオリがステージ横でライブペインティングをする中、インディーズ電力の3人は「BIG-HIT」「レッツゴー電力」などメッセージ性の高い楽曲をプレイし、最後はRCサクセション「明日なき世界」をカバーした。

今回唯一のガールズバンドのFLiPは、REDEMPTIONステージを舞台にアグレッシブなライブを展開。「MADONNA」からライブをスタートさせ、新曲「GIRL」や代表曲「カザーナ」などを新旧の楽曲をプレイしていく。「平成ジュラシック」ではSachiko(Vo, G)、Yuko(G, Cho)、Sayaka(B, Cho)が横並びになってタムを連打するパフォーマンスで会場をヒートアップさせた。太陽の光がさんさんと降り注ぐ中、REVOLUTIONに登場したRIZEは1曲目「KAMI」からフルスロットル。続けて重厚なアンサンブルで「ZERO」を叩き込むと、「Get the Mic」ではJESSE(Vo, G)が「今日は今日しかねーぞ!」と叫び、「GOLD RUSH」ではKenKen(B)がステージを縦横無尽に駆け回ってオーディエンスを煽りモッシュを発生させる。ラストはJESSEが客席に飛び込み、観客に担がれながら「カミナリ」を絶唱した。

RESPECTではジャズドラマー森山威男率いるカルテットにbirdと堂珍がボーカルとして参加し、REDEMPTIONではGOMA & The Jungle Rhythm SectionのステージでATSUSHI(Dragon Ash)がダンスするなど、アーティスト同士のコラボが展開される。またフリーマーケットエリアでは土生“TICO”剛(LITTLE TEMPO)によるスティールパン教室、辻コースケ(GOMA & The Jungle Rhythm Section)のジャンベ教室などのワークショップも行われ、たくさんの人を集めていた。

日が傾き涼やかな風が吹き始めた頃、the HIATUSがREVOLUTIONに登場。1曲目のエモーショナルなアッパーチューン「Storm Racers」からモッシュが巻き起こり、「Monkeys」へと続くと会場はさらなる熱気に包まれる。MCでは細美武士(Vo, G)が「中津川って核兵器廃絶宣言都市なんでしょ。本当に尊敬するよ。呼んでくれてありがとう。俺は心の底から原発はなくせると思って活動していきます」と宣言して「Horse Riding」をさわやかに歌唱。観客のシンガロングが重なった「Lone Train Running」を経て、「Insomnia」「紺碧の夜に」を届けてステージをあとにした。

the HIATUSに続きREVOLUTIONに登場したDragon Ashのステージも、1曲目「The Show Must Go On」から大盛り上がり。「Trigger」「Run to the Sun」「Velvet Touch」「The Live」と矢継ぎ早に連投したところで、Kj(Vo, G)がステージの照明を消すようスタッフに指示を出す。そしてオーディエンスに携帯電話のライトをつけて頭上にかざすように言うと、そこには幻想的な光景が広がった。Kjは「俺たちこんなことしかできないけど、自分が大好きな音楽やって、こんなに美しい景色を一緒に作れるんだ。こうやって隣の人を笑わせて、みんなで笑えるようになったらいいんじゃないかって思います」と語り、噛み締めるように「静かな日々の階段を」を歌い上げた。その後も「百合の咲く場所で」「Fantasista」といったキラーチューンを届け、「Curtain Call」でステージの幕を引いた。

そして仲井戸“CHABO”麗市&シアターブルックが初日のトリを飾る。「よォーこそ」で観客を出迎えた2組は、ブルージーな「ギブソン」、坂本九の「上を向いて歩こう」のカバーに続き、ニール・ヤング「Harvest Moon」とThe Rolling Stones「Everything Is Turning To Gold」の“CHABO流”日本語カバーを軽快なアンサンブルで届ける。「Everything Is Turning To Gold」のプレイ中、CHABOは「せっかくだから俺の古い古い友達を呼んでいいかな?」と言ってCharを呼び込み、佐藤タイジと3人でギターセッションを繰り広げた。さらにCHABOの「ゴキゲンなバンドの連中がまだ残ってるんだよ」という言葉を合図に、うじきつよし(子供ばんど)、細美、高野哲(ZIGZO、インディーズ電力、etc)、Kj、堂珍、浜崎貴司(FLYING KIDS)、そしてダイノジが続々とステージに登場。彼らがRCサクセションの「雨あがりの夜空に」をパフォーマンスすると、会場はお祭り騒ぎに。興奮冷めやらぬ中、ラストはCHABOとシアターブルックの2組が「ガルシアの風」を届けて初日は終了した。

■2日目:9月28日

トップバッターを務めたa flood of circleの佐々木亮介(Vo, G)の「最高の天気と最高のお客さんに感謝します」という言葉通り、2日目も雲ひとつない青空が広がる。彼らは1曲目「Summertime Blues II」からトップギアのパフォーマンスでオーディエンスを惹き付けると、「ロックンロールバンド」「シーガル」を連投。佐々木は「朝っぱらからこんなゴールデンタイムがくるとは思ってなかったです」と満足そうに笑って、新作アルバム「GOLDEN TIME」収録の「GO」をかき鳴らした。

REDEMPTIONの一番手として全身黒の衣装で姿を見せたSUGIZOは「おはようございます。この太陽の恵みによる音を楽しんでください。真っ昼間から皆さん踊り狂ってください」と鷹揚に挨拶してから「FINAL OF THE MESSIAH」をプレイ。SUGIZOのサイケデリックなギターとkomaki(Dr / wrong city)が繰り出す強靭なビートにより、会場はレイヴパーティの様相を呈する。SUGIZOは「NEO COSMOSCAPE」でパーカッションを担当したかと思うと、「FATIMA」ではバイオリンを優美に披露。さらに「NO MORE NUKES, PLAY THE GUITAR」と書かれたフラッグを振って自らの姿勢を示す一幕も。また演奏の合間には扇子で自らをあおいだり、ピックを何度も客席に投げ入れたりしながら終始観客を魅了した。

続いてREDEMPTIONに登場したCaravanは、佐藤タイジへのリスペクトを込めて「今日は“ありったけの愛”を込めてやりたいと思います」と宣言。「ハレルヤ」で会場にピースフルな空気をもたらす。また「La vida es corta」ではATSUSHI(Dragon Ash)を呼び込んでコラボステージを披露した。その後アコーディオンの伴奏で「サンティアゴの道」を優しく歌い上げ、軽快なリズムに乗せて「その瞬間」を届ける。柔らかなトランペットの音色が印象的なラストナンバー「Trippin' Life」では再びATSUSHIが登場し、Caravanのステージに華を添えた。

加山雄三率いるTHE King ALL STARSは、佐藤(G)、名越由貴夫(G / Co/SS/gZ)、古市コータロー(G / THE COLLECTORS)、ウエノコウジ(B / the HIATUS)、武藤昭平(Dr / 勝手にしやがれ)、タブゾンビ(Tp / SOIL & "PIMP" SESSIONS)、高野勲(Key)、山本健太(Key)という豪華な布陣で登場し、貫禄のステージを見せつける。エルビス・プレスリー「See See Rider」を皮切りに「Sweetest of ALL」「夜空の星」など5曲を披露した若大将は、「ロックをやりたくて歌い始めたんだけど、どういうわけか志と違うことをやっていたんだ。だけど、このTHE King ALL STARSと一緒になったときに俺はここにいるべきだと思い出したよ。どんどん原点に戻るよね」と話して、エルビス・プレスリーでおなじみの「Blue Suede Shoes」、リトル・リチャード「Rip It Up」などロックンロールスタンダードの名曲をカバー。昔からの若大将ファンはもちろん子供まで老若男女を踊らせる。映画「パルプ・フィクション」のテーマ曲「ミザルー」や佐藤が作詞作曲した「未来の水平線」を経てラストを飾ったのは「君といつまでも」。若大将は「幸せだなァ。中津川のみんなが温かく迎えてくれて。心から感謝しています」と独唱し、観客の心をわしづかみにして去っていった。

イベントも終盤に突入し、RESPECTではMY LIFE IS MY MESSAGEの舞台へ。MY LIFE IS MY MESSAGEは山口洋(HEATWAVE)が発起人となって福島県相馬市の人々とともに震災復興に取り組んでいるプロジェクトで、山口はプロジェクトに参加している矢井田瞳と「Ring my bell」、おおはた雄一と「トラベリンマン」、仲井戸“CHABO”麗市と「新・相馬盆歌」を共演した。「新・相馬盆歌」演奏後、CHABOは「昨日シアターとはしゃぎすぎちゃって疲れたから今日はもう帰ろうと思ってたけど、残っててよかった」とユーモアのあるコメントで観客の笑いを誘う。そして彼ら4人と、ステージにサプライズで登場したうじきつよし、Leyonaの6人で「雨あがりの夜空に」をパフォーマンスした。

イベントの大トリを務めるシアターブルックのステージは、代表曲「ありったけの愛」とミニー・リパートン「Lovin' You」のマッシュアップからスタートし、ファンクな「ドレッドライダー」や「生理的最高」へとなだれ込む。MCでは、佐藤が事前に書いてきた手紙を力強く読み上げる展開に。彼が、イベントの電力が再生可能エネルギーだけでまかなわれていることを報告し、「私たちはチャンスを与えられているのです。世界が変わるのを目撃するチャンスです。それをものにするためには理性と理想で満たせばいいのです。夢と希望を直視すればいいのです。想像力と創造力をフル回転させればいいのです。あなたの目の前で世界が変わるのです。みんなの力が結集できたからこんなすごいことができたのです。心から感謝します。ここにある未来の可能性を一緒に育てましょう」というメッセージを伝えると、オーディエンスは大歓声で応えた。

その後、シアターブルックはバラード「そこにある受話器」やアッパーチューン「悲しみは河の中に」など緩急のついたライブを披露。「まばたき」でグルーヴィな演奏を見せつけた佐藤は「超気持ちいい」と感想をもらす。そして「もっと気持ちよくなるためにゲスト呼んでおいた」と言葉をつなぎ、盟友である高野哲、堂珍嘉邦、Leyonaを呼び込む。彼らが「もう一度世界を変えるのさ」を歌唱していると、ACIDMANSCOOBIE DODachambo、うじき、武藤らもステージに登場。オーディエンスも含めた盛大なシンガロングが巻き起こる中、佐藤は「来年もやるぞ! 友達連れてこいよ」と語気を強めて宣言し、イベントを大団円のうちに締めくくった。

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