Curly Giraffe、観客に魔法をかけたWWW公演

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Curly Giraffeが9月13日に約1年ぶりとなるワンマンライブを東京・WWWにて開催した。

Curly Giraffe「Fancy」リリースライブの様子。(撮影:前原猛)

Curly Giraffe「Fancy」リリースライブの様子。(撮影:前原猛)

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8月に発表した最新アルバム「Fancy」のレコ発ライブとして行われた公演には、名越由貴夫(G)、堀江博久(Key, G / pupa、NEIL AND IRAIZA)、恒岡章(Dr / Hi-STANDARDCUBISMO GRAFICO FIVE)という手練たちがバンドメンバーとして参加。ステージは楽器や機材でひしめき合い、これから始まるライブへの期待を高めた。

Curly Giraffe(撮影:前原猛)

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厳かな拍手が迎えられて登場したCurly Giraffeは、アコースティックギターを爪弾きながら低く落ち着いた声で「Fancy」の1曲目を飾る「Fake Engagement Ring」を歌い出す。アッパーな曲ではなく穏やかな形で始めるのがCurly Giraffe流とばかりに、素朴なアンサンブルでオーディエンスを酔わせていった。観客を歓迎するように恭しくお辞儀をした彼は、ギターをベースに持ち替え「The Two of Us」をプレイ。歌い終えると低い声で「Thank you」と口にした。「今日は昔の曲もいっぱいやります」と観客を喜ばせつつ、「今日は『Fancy』の発売記念ライブなので」というエクスキューズを経て、レゲエ調のリズムとリバーブがかかったボーカルが独特のムードを作り出す「People Are Strangled」が届けられ、そのまま恒岡の刻む軽妙なリズムから「Not in a Million Million Years」へ続く。特にオールディーズ風のサウンドが楽しい「Not in a Million Million Years」は、フロアをダンスホールへと変え、楽しげな空気を作り出した。

ひとしきり「Fancy」の世界を届けたところで、Curly Giraffeは「早くも楽しいですね」と微笑む。その後のブロックは過去曲のオンパレードとなった。Curly Giraffeは音源を忠実に再現するのではなく、このバンドメンバーだからこそのアレンジを施して各曲を演奏。CDの音源ではオルガンの音色から始まる「VEDEM」は、ギターをフィーチャーしたアレンジに。堀江がアコースティックギターを持ち、名越とのツインギターでCurly Giraffeの歌声を彩る。また「My Dear Friend」はボーカルに強いリバーブをかけ、ドリーミーな雰囲気を強調。「seize and howl」はアグレッシブな一面を押し出し、ダイナミックなアンサンブルでオーディエンスの体を揺らした。

Curly Giraffe「Fancy」リリースライブの様子。(撮影:前原猛)

Curly Giraffe「Fancy」リリースライブの様子。(撮影:前原猛)[拡大]

Curly Giraffeは「ちょっとひさしぶりの曲だったり、昔の曲もやりましたが、ついてきてくれてますか?」と観客を気遣いつつ、再び「Fancy」モードへ。本来昨年にリリースする予定だったものの制作が困難を極めたエピソードや、マウイ島で撮ったジャケット写真からインスパイアされて楽曲が次々と生まれていったことを語る。「次も先にジャケットを撮って作ろうかな」とユニークな制作手法を明かし、「自分で作りながら、なんてアホな曲だろうと思って作った曲」という紹介からハードロック調の間奏が印象的な「Strange World」をプレイ。さらに清涼感のある歌とメロディで魅せる「Road」、メンバー紹介も兼ねたインストゥルメンタルナンバー「Manassas」と、「Fancy」からの楽曲を惜しみなくパフォーマンスした。終盤のMCでCurly Giraffeは改めて最新アルバムをアピール。「人生にひとつ大切なものをなくしてます……って思うんですよ」と出来映えに自信を覗かせ、「来年10周年なんで何かやったほうがいいのかな? ちょっとやってみようかな」と来年の活動について予告した。そして本人曰く“形式上のラスト”として演奏されたのは「Blue Ocean」。青い照明が涼やかな雰囲気を醸し出す中で、ライブの本編が締めくくられた。

本編が無事終わった安堵感からか、アンコールは緩い雰囲気でスタートした。1人でステージに戻ってきたCurly Giraffeは「こっからはベース弾き語りで……って嘘ですよ!」と冗談を交えつつ、改めてバンドメンバーを紹介。堀江がグッズのエプロンを着用して登場すると「よっ! エプロン王子」と陽気に声をかけるなど、朗らかなトークで観客を和ませる。エプロンを着用した堀江は、12月に行われる自身のソロライブについて告知するも「自分で歌うの憂鬱だよ……」とボヤき、いきなりステージの袖に急に消えるなど本編以上の奔放さでメンバーを翻弄。Curly Giraffeが「ライブ中にいなくならないでください! ライブをなんだと思ってるんだ!(笑)」とツッコミを入れると、場内は爆笑で包まれた。そんなアットホームなムードの中で披露されたのは「Rootless wanderer」と「Run Run Run」の2曲。「Run Run Run」は観客に夏フェス気分を味わってもらうためという理由で、Curly Giraffeはアコースティックギターを爪弾き、堀江は鍵盤ハーモニカを奏でるスタイルでパフォーマンスされた。

Curly Giraffe(撮影:前原猛)

Curly Giraffe(撮影:前原猛)[拡大]

この日はダブルアンコールにも応えたCurly Giraffe。バンド編成で1stアルバム「Curly Giraffe」に収録されている「Spilt Milk」と「96708」の2曲をプレゼントし、再びリラックスした空気を会場に送り込む。その後、ホストらしくバンドメンバーを送り出したCurly Giraffeだが、「もう1曲だけ」と観客のリクエストに応じた。彼は「ホントありがとうございます。がんばって音楽をやってきたかいがあるなって思いました」「こんなんですがよろしくお願いします」と口にすると、アコースティックギターを抱え「You just swept me off my feet」を弾き語りでパフォーマンス。滋味のある歌声でライブをフィナーレへと導いた。

ダブルアンコール中に堀江が「レシピ本、いつ出すのよ? ホントこの人料理うまいのよ。音楽も魔法ですけど、料理も魔法ですよ! なーんちゃって」と褒めると、照れくさそうな笑顔を浮かべていたCurly Giraffe。集まった観客は、そんな彼のかける心地よい“魔法”のようなひとときを堪能し、満足げに会場をあとにしていた。

Fancy

Curly Giraffe「Fancy」
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Curly Giraffe「Fancy」リリースライブ
2014年9月13日 WWWセットリスト

01. Fake Engagement Ring
02. The Two of Us
03. People Are Strangled
04. Not in a Million Million Years
05. VEDEM
06. Paper Doll
07. Chaos
08. 123 4 U
09. My Dear Friend
10. Water On
11. seize and howl
12. Strange World
13. Road
14. Manassas
15. Blue Ocean
<アンコール>
16. Rootless wanderer
17. Run Run Run
18. Spilt Milk
19. 96708
20. You just swept me off my feet

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読者の反応

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yukihirotakahashi @room66plus

そう言えば、去年はツアー中だった!おめでとうね! RT @hirohisahorie: ジラフさん今日誕生日だ✨“@natalie_mu: Curly Giraffe、観客に魔法をかけたWWW公演 http://t.co/jSvPT955qI”

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