じん、9人のVoと魅せたメカクシティライブ

8月14、15日、じんが原作、脚本、音楽制作を務めるアニメ「メカクシティアクターズ」のライブイベント「MAKE a MEKAKUCITY」が東京・渋谷公会堂で開催された。ここでは14日公演の模様をレポートする。

「MAKE a MEKAKUCITY」は「メカクシティアクターズ」の主題歌や劇中歌を、アニメバージョンと同じゲストボーカルたちが、じんらバンドの演奏を背に歌うという形式のライブ。その初日公演にはじんファン、「メカクシティアクターズ」ファンが大挙して詰めかけ、アニメキャラクターの声優陣による公演時の諸注意が流れ出すと大きな歓声が巻き起こるなど、開演前から客席は“できあがった状態”に。

ライブは「メカクシティアクターズ」のキャラクター・メカクシ団が、舞台監督やPA、照明など、ライブスタッフに扮して騒動を巻き起こすアニメーションを挟みつつ進行する。まずはアニメのマスコット的存在・エネによる「盛り上がってますか！」の煽りに客席が大歓声で応える中、サイドギターのじんが、リードギター、ベース、ドラム、キーボードを伴って登場。続けて現れた1人目のゲストボーカル、メイリア from GARNiDELiAとともに、自身のデビューシングル「チルドレンレコード」をドロップし「MAKE a MEKAKUCITY」の幕を切って落とした。

メイリアが「メカクシティアクターズ」のオープニングテーマ「daze」を歌うと、続くゲストボーカルを告げる映像に誤植が発覚。1曲早くLiSAを紹介してしまったことに気付いたメカクシ団の面々が、クレジットを“メイリア from GARNiDELiA＆LiSA”に書き換える演出とともに姿を現した、2番手のボーカルはもちろんLiSAだ。メイリアの待つステージに現れた彼女はメイリアと「夜咄ディセイブ」をデュエットすると、勢いそのままに「ヘッドフォンアクター」を熱唱。「派手にやろうね」「みんなそれぞれ今いる場所で楽しむだけ楽しんで、今日1日最高にしましょう！」と、普段のライブを思わせるエモーショナルなMCで客席を煽り、やはり最近の自身のライブでも定番チューンとなっている「夕景イエスタデイ」を投下した。

LiSAに負けず劣らぬ歓声を集めた春奈るなが、ファンキーながらもかわいらしい「如月アテンション」を文字通りラブリーにパフォーマンスしたのち、じんたちバンドはライブ中盤のステージをメロウに演出する。スツールに腰掛け、アコースティックギターを手にした彼はphatmans after schoolのヨシダタクミをステージに迎え入れ「空想フォレスト」をジェントルにプレイ。続いて登場した奥井亜紀はじんのエレピをバックに「アヤノの幸福理論」と「シニガミレコード」の2曲で優しげながらも圧倒的な歌唱力を見せつけていた。

感傷ベクトルの田口囁一を迎えての「カゲロウデイズ」以降、ライブは怒濤の展開に。「メカクシコード」のデジタルビートにあわせてステップを踏むエネの映像が投影されたかと思えば、ナノウはモニタースピーカーに足を掛け「聞くまでもないことだけど、皆さん楽しんでますか？」と観客を挑発しながら「アウターサイエンス」「コトハの世界事情」と、ハードなアッパーチューンを2連発。「イケるか!? シブヤー！」のシャウトとともに現れたBYEE the ROUND・松山晃太は、途中側転をキメるパフォーマンスとともに「ロスタイムメモリー」をエモーショナルに叩き込む。

インストナンバー「マリーの架空世界」と、Liaによる「メカクシティアクターズ」エンディングテーマ「days」という、スローナンバー2曲でライブ最終盤の入り口を構成したじんだが、最後の最後はやはりド派手に締めくくる。スクリーンに登場したメカクシ団の面々が「ようこそメカクシ団へ」と声を揃える中、ステージに駆け込んできた春奈るなとともにパーティチューン「オツキミリサイタル」を投下して、豪華ゲストボーカルたちとのステージを無事完走した。

ここまでのステージ中、じんは客席からの声援に手を振って応えることはあっても、ノーMCを貫いていた。しかし「ありがとうございましたー！」と満面の笑みで春奈がステージを去ると苦笑いを浮かべながら「ようやくしゃべれます」とひと言。「この夏の思い出にこの場所を選んでくれてありがとうございます」と、自らの声で「サマータイムレコード」を届けて「MAKE a MEKAKUCITY」初日公演の幕を下ろした。