the pillowsの“第2期”と呼ばれる1990年代中盤の楽曲に焦点が当てられた今回のツアー。ソウルやジャズ、ダブの要素が取り入れられたこの時期の楽曲は、最近のライブではほとんど披露されることがなく、セットリストはレアな楽曲のオンパレードとなった。
開演時刻になると、4thアルバム「LIVING FIELD」収録のクールなインストナンバー「Swinger's Night Club」に乗せて、メンバー3人とサポートの鈴木淳(B)、ghoma(Key /
さらにジャズタッチの「恋のスパイに気をつけろ」、メロウな16ビート「Sha-la-la-lla」が続けて披露されたところで、この日最初のMCへ。山中は「今夜は俺たち、そして君たちのぬぐい去れない違和感を、いかに早く取っ払って楽しむか。それが一番のテーマです」と照れながらも特別なステージを楽しんでいる様子。彼らは今回、複雑なコード解釈を持つ当時の楽曲をひさしぶりに演奏するにあたり「ここ最近のピロウズでは考えられないぐらい練習を積んで」臨んだという。
中盤にはホール会場ならではの演出として着席を要求。美しいバラード「ガールフレンド」や、鈴木がエレキコントラバスに持ち替えての「僕でいられるように」など、しっとりとした楽曲が4曲続いた。山中は「……どうなのかな、違和感のほうは」と観客のリアクションを気にしつつ、今回のツアーのために用意された幻の楽曲「Future」について説明する。山中はこの楽曲をシングルとして出したいほど気に入っていたが、当時のディレクターからはOKがもらえず、およそ20年の間「ほったらかしになっていた」という。この楽曲はツアーに合わせて再レコーディングされ、ツアー会場限定シングルとしてリリースされた。ツアー終了後はオンラインショップでの販売も予定されているので、会場に足を運べなかった人は楽しみにしておこう。
ライブ終盤は初期のシングル曲「Tiny Boat」「DAYDREAM WONDER」、アルバム「LIVING FIELD」のラストを飾る「Bye Bye Sweet Pain」と続き、最後は2010年リリースの31stシングル「Movement」でフィニッシュを迎えた。それでも冷めやらぬ観客のアンコールを受け、再びステージに上がった5人は、“第3期”への予兆を感じさせるエモーショナルな「屋上に昇って」を演奏。そして山中は「このツアーはもう二度とやらないと思うので、君たちは貴重な目撃者だ。最後にアツいのを聴いてくれ!」と告げると、のちにベストアルバム「Fool on the planet」にも収められた3rdアルバム「KOOL SPICE」収録曲「NAKED SHUFFLE」を荒々しく歌い上げた。
メンバーが去った場内に爆音で「Future」の音源が流れると、観客の熱気は収まる様子もなく、音がやんでもハンドクラップが止まらない。これに応えて三たび登場した5人はダブルアンコールで「TOY DOLL」「Primer Beat」の2曲を披露。山中は“ガイコツマイク”を手に華麗なステップを踏みながら熱唱し、「来週からすぐレコーディングに入る。すぐにカッコいいロックンロールを聴かせるから」と宣言してステージをあとにした。
the pillows 25th Anniversary NEVER ENDING STORY "Do You Remember The 2nd Movement?"
2014年4月5日(土)東京都 日本青年館 セットリスト
01. LIBERTY
02. 恋のスパイに気をつけろ
03. Sha-la-la-lla
04. モノクロームラバーズ
05. エンゼルフィッシュ
06. Sunday
07. ガールフレンド
08. 僕でいられるように
09. 公園~黄昏のワルツ~
10. TONIGHT
11. Future
12. アムネジアの日記
13. 開かない扉の前で
14. THE KILLING FIELD
15. Tiny Boat
16. DAYDREAM WONDER
17. Bye Bye Sweet Pain
18. Movement
<アンコール>
19. 屋上に昇って
20. NAKED SHUFFLE
<ダブルアンコール>
21. TOY DOLL
22. Primer Beat
リンク
- the pillows official web site
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シワスタカシ @shiwasutakashi
■ナタリー - 「君たちは貴重な目撃者だ」ピロウズ“2期”縛りツアー完遂 http://t.co/Y4Zt3jYBMq
秋くらいに シングルかなんかと同時に ブルーレイ発売とみた。