東京・Bunkamuraオーチャードホールの幕が上がると、総スパンコールのロングドレスに身を包み王冠を頭に載せた椎名林檎がステージに登場した。ピアノとアコーディオンのみをバックに1曲目「都合のいい身体」を伸びやかな声で歌い上げ、続けて自らピアノを弾きつつ「IT WAS YOU」を披露。彼女は「Bunkamuraオーチャードホールという会場にあわせて電気楽器を禁じ手にいたしまして、生の楽器を楽しんでいただくという趣向です」と話して笑顔を見せた。
そのMC通り、この日のライブは終始アンプラグドスタイルで進行。斎藤ネコ(Violin)、グレート栄田(Violin)、山田雄司(Viola)、藤森亮一(Cello)、佐藤芳明(Accordion)、みどりん(Dr)、鳥越啓介(Contrabass)、朝川朋之(Harp)、林正樹(Piano)という実力派のメンバー9名を従え、彼女は艶やかな歌声を聴かせていく。それぞれの楽曲には編成にあわせたアレンジが施され、「カーネーション」「カリソメ乙女」といったナンバーも英語詞で歌われるなど、15周年ライブならではの貴重なパフォーマンスが次々と披露された。
フルメンバーによる6曲目「浴室」の演奏が終わり彼女が一旦ステージから退場すると、本人不在の中、彼女自身のナレーションによって自身の出産に関するサプライズ報告が行われる一幕も。第2子となる女児が誕生したこと、出産時期がシングルの発売と重なったため公式な報告は控えたが現在は育児の真っ最中であることが告げられ、場内は大きな拍手に包まれた。
ヌードベージュのシフォンドレスに着替えて再登場した林檎は、スウィングするピアノにあわせて「二人ぼっち時間」を甘く歌い、「いろはにほへと」ではタンバリンを叩きながらコケティッシュな歌声を響かせる。そして客席から「誕生日おめでとう!」の声が飛ぶと「35周年を迎えました。皆さんのおかげで今のところすごくいい人生を送らせてもらってます。どうもありがとう」と改めてファンへの感謝の気持ちを伝えた。
2度目の衣装チェンジを経てライブはいよいよクライマックスへ。「都会のマナー」「月夜の肖像」といったセルフカバーや新曲「今(Present)」を届けつつ、林檎は“党大会”仕様の紅白旗を振りながら「密偵物語」「殺し屋危機一髪」といったクールな楽曲を、ダイナミックな演奏とともに聴かせて会場をヒートアップさせる。そしてミラーボールが回り場内が美しい光で満たされる中、彼女は「茎」を気高く歌い上げ、深々と礼をしてステージを去った。
鳴り止まない拍手に応えてのアンコール1曲目はピアノ、コントラバス、ドラム、鍵盤ハーモニカのアンサンブルによる「丸ノ内サディスティック」。林檎は英語詞と日本語詞を交互に歌うスタイルで名曲に新たな表情を与え、最後は真木よう子に提供した「幸先坂」を切々と歌い上げて、全22曲におよぶステージを締めくくった。
椎名林檎「椎名林檎十五周年 党大会 平成二十五年神山町大会」
2013年11月25日 東京都 Bunkamuraオーチャードホールセットリスト
01. 都合のいい身体
02. IT WAS YOU
03. カーネーション
04. カリソメ乙女
05. MY FOOLISH HEART
06. 浴室
07. 熱愛発覚中
08. 二人ぼっち時間
09. 色恋沙汰
10. いろはにほへと
11. おいしい季節
12. 旬
13. 女の子は誰でも
14. 孤独のあかつき
15. 都会のマナー
16. 今(Present)※新曲
17. 月夜の肖像
18. 密偵物語
19. 殺し屋危機一髪
20. 茎
<アンコール>
21. 丸ノ内サディスティック
22. 幸先坂
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