増子央人

これのドラムを聞け!5秒だけでもいい Vol. 28 [バックナンバー]

増子央人(Age Factory)が悔しくなるほどの曲は

「体が無条件に揺れてしまうほどのグルーヴ。このノリは簡単には出せない」

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楽曲のリズムやノリを作り出すうえでの屋台骨として非常に重要なドラムだけど、ひと叩きで楽曲の世界観に引き込むイントロや、サビ前にアクセントを付けるフィルインも聴きどころの1つ。そこで、この連載ではドラマーとして活躍するミュージシャンに、「この部分のドラムをぜひ聴いてほしい!」と思う曲を教えてもらいます。第28回は、奈良発の3ピースロックバンド・Age Factoryの増子央人さんが、フレーズを作る参考にしている曲や、思わず悔しくなってしまう曲を教えてくれました。

構成 / 丸澤嘉明

ドラムフレーズが好きな曲とその理由

Phoenix「Lasso」(サポートドラム / トーマス・ヘドランド)

イントロのドラムは最初だけ聴くとタムとハイハットを使ったシンプルな3連のフレーズなのに、途中から四つ打ちが入ってきて急に複雑に聞こえます。初めて聴いたときに衝撃を受けました。スタジオに入って必死にコピーしたし、手数の多さに頼らずともこういう工夫で面白く聞こえるビートが大好きなので、自分でフレーズを作るときも参考にしています。

The Roots「Distortion To Static」(ドラム / クエストラブ)

イントロのビートがずっと続くんですが、このビートだけで体が無条件に揺れてしまうほどのグルーヴ。フレーズがコピーできてもこのノリは簡単には出せないし、どういう生活をしていたらこのリズムが体に根付くんだろうかと悔しくなります。ドラムの乾いた音も最高。

American Football「Give Me the Gun」(ドラム / スティーヴ・ラモス)

「一度叩いてみたい!」と思わせるほどのキャッチーさと複雑さが両立されているビートです。ビートの間にキックとハイハットオープンを同時に叩く箇所があると、なんとなくブレーキ感というか、少しグルーヴを止めてしまいそうになる印象を僕は勝手に持っているんですが、このビートはこんなにキックとハイハットオープンを同時に叩いているのに、川のようにただ流れているように聞こえます。

Moon Hooch「Tubes」「Number 9」「Bari 3」(ドラム / サイゾン・グリフィン)

もう何回観たかわからないほど大好きなライブ映像です。僕は自分でフレーズを作るときも実際に叩くときもハイハットワークを強く意識しているのですが、この映像を観てハイハットに対する考え方が広がりました。1曲目のドラムが入ってから数秒でもう心をつかまれる。あと目が最高。

※Tiny Desk Concertのライブ映像

Age Factory「may feat. lil soft tennis」(ドラム / 増子央人)

この曲のAメロはギターがほぼ変わらずに進んでいくので、ドラムを細かく変えていって変化を付けることを意識しました。ビートやフィルはわりとロックジャンルのそれですが、そこにlil soft tennisのラップが乗ることでよりビートのグルーヴが高まった気がします。僕のドラムのセッティングが少し変わっていて、バスドラムの上にクローズのセカンドハイハットを右手側のクラッシュシンバルのスタンドから伸ばして置いているんですが、サビ中のフィルのリニアフレーズの中にクローズハイハットを2発細かく入れている箇所があり、このセッティングだから思い付いたフレーズだと思います。

自身でドラムフレーズをプレイする際に意識していること

グルーヴを止めない、ハイハットをさぼらない、太鼓を鳴らす、この3つは特に意識しています。

自身のプレイスタイルに影響を与えたドラマー

影響を与えたドラマーは、後藤大樹(AL、ex. andymori)、山口智史(RADWIMPS)、岩城智和(LOSTAGE)、BOBO、トーマス・ヘドランド、デイヴ・グロール、トラヴィス・バーカーです。

増子央人(Age Factory)

2010年に結成されたスリーピースバンド・Age Factoryのドラマー。地元の奈良を中心に全国で年間100本近くのライブを重ね、2014年12月にデビューミニアルバム「手を振る」をリリース。2024年2月にメンバーが全楽曲のミックスおよびマスタリングを担当した5thアルバム「Songs」を発表した。2025年4月にファンクラブ限定ライブ「AGE APARTMENT TOUR 2025」を開催。6月にはENTH、Paleduskとの合同ツアー「『GOBLIN』TOUR」で東名阪を回る。

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