平陸

これのドラムを聞け!5秒だけでもいい Vol. 5 [バックナンバー]

平陸(Suspended 4th)が度肝を抜かれた5曲

ドラマーに必要なのは、結局は人間力

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楽曲のリズムやノリを作り出すうえでの屋台骨として非常に重要なドラムだけど、ひと叩きで楽曲の世界観に引き込むイントロや、サビ前にアクセントを付けるフィルインも聴きどころの1つ。そこで、この連載ではドラマーとして活躍するミュージシャンに、「この部分のドラムをぜひ聴いてほしい!」と思う曲を教えてもらいます。第5回は、天才キッズドラマーとして幼少期より一流ミュージシャンと共演を果たし、今年2月にSuspended 4thに加入した平陸さんにお気に入りの楽曲を挙げてもらいました。

構成 / 丸澤嘉明

ドラムフレーズが好きな曲とその理由

アラン・ホールズワース「Spokes」※ドラマーはヴィニー・カリウタ

いきなりヴィニー・カリウタのドラムフィルから始まる曲です。初めて聴いたときは度肝を抜かれました。このアルバム(1989年リリースの「Secrets」)は1曲を除きほぼヴィニーが叩いていますが、お宝フレーズがたくさん登場します。楽曲のアプローチもさすが……。アランのアルバムの中でも一番聴いたアルバムです。ほかにもヴィニーが参加している作品でKarizmaもよく聴きました。冨田恵一(冨田ラボ)さんに教えていただいたランディ・ウォルドマンの「UnReel」というアルバムもよく聴きました。こちらはほぼブラシでのプレイで本当に素晴らしいです。気持ちよくて聴きながらよく寝ていました(笑)。

ハービー・ハンコック「Hang Up Your Hang Ups」(「Flood」ver)

※ドラマーはマイク・クラーク

マイクのショートドラムソロから始まるこの曲は何百回と聴いたと思います。
僕も大変お世話になっていた亡きベーシスト、ポール・ジャクソンとの最高のリズム隊です。ポールにマイクの複雑なリズムをたくさん教えてもらいました。独特なグルーヴ感とリズム。このリズム隊なくしてThe Headhuntersは存在しなかったでしょう。

※スタジオアルバム「Man-Child」バージョンの「Hang Up Your Hang Ups」を埋め込んでいますが、平さんが言及してるのは1975年に発表された、東京公演を録音したライブアルバム「Flood」のバージョンです。

マーヴィン・ゲイ「I Want You」※ドラマーはジェームス・ギャドソン

このアルバムも大好きで何百回と聴いています。この曲の2拍目だけスネアを叩くリズムパターン、たくさん練習しました。ジェームス・ギャドソンのグルーヴも本当に独特で、速いのに遅い、遅いのに速いみたいな……研究に明け暮れていた時期がありました。
リオン・ウェアやアニタ・ベイカーのアルバムでのギャドソンもカッコいいです。

ディオンヌ・ワーウィック「Can't Hide Love」※ドラマーはスティーヴ・ガッド

この曲だけに限らないのですが、僕がスティーヴ・ガッドのプレイで好きなのはちょっとしたところで出てくる粋なフィルです。
この曲で出てくるようなフィル(3:10)が大好きです。カッコよすぎますよね。
アル・ジャロウやチック・コリアのアルバムでの、大好きなプレイがたくさんあるなぁ。
スティーヴ・ガッドはグルーヴ、音楽の理解、すべてにおいて別格だと思っています。

DOMi & JD BECK「NOT TiGHT」

去年腰を抜かしたアルバムです(笑)。

自身でドラムフレーズをプレイする際に意識していること

僕はドラマーですが、ドラムのことはあまり考えていません。
常に意識しているのは、音楽的で楽曲に対してよい影響を与えられる演奏なのか。
楽曲が音楽として成立するかはドラムで決まるということです。
どんなに素晴らしい楽曲でも、グルーヴがなかったり、ただ流行りのリズムやフレーズを入れ込んだだけでは本当に流れて行ってしまうものになります。
今回挙げたドラマーの方々の共通しているところは音楽を引き立たせているというところです。
ドラマーに必要なのは、音楽を深く追及することと、結局は人間力だと思っています(笑)。
そのくらい責任重大なパートを担っていると感じています。

自身のプレイスタイルに影響を与えたドラマー

今回挙げた5人のドラマーとジェフ・ポーカロ、トニー・ウィリアムス、ジャック・ディジョネット。

平陸

1996年1月生まれ。静岡県出身。2歳の頃よりロックバンドKissに憧れ、6歳でドラムを始める。小泉好弘、菅沼孝三、つのだ☆ひろ、トミー・キャンベルに師事。2008年にDVD「FLATLAND」をリリースし、プロとして活動を開始する。その後、大黒摩季、冨田ラボ、渡辺香津美、GENERATIONS from EXILE TRIBE、沖野修也、土岐英史、ポール・ジャクソン、トニー・メイデンら数々のアーティストと共演。2023年にロックバンドSuspended 4thに加入した。Suspended 4thは6月23日に大阪・Shangri-La、6月29日に東京・WWWにてワンマンライブ「THE ONE STROKE SHOW」を開催する。
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