THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.9(後編) [バックナンバー]
声のスペシャリスト荒牧陽子が分析するスリボの魅力
三者三様な歌声、RIKUが目指すTHE RAMPAGEでの立ち位置
2021年9月17日 11:00 1
取材
壱馬と北人は両極端のシンガー
RIKU 僕らの曲をいくつか聴いてもらったうえで、3人のボーカルそれぞれの特徴や印象があれば教えてほしいです。
荒牧陽子 私なんかがおこがましくないですか?
RIKU いやいや、声のスペシャリストじゃないですか。お願いします。
荒牧 THE RAMPAGEのボーカルは、もっと統一感があるんじゃないかと勝手に思っていたんです。でもよく聴いて分析したら全然違うんですよね。それにライブ映像も観させてもらったんですけど、パフォーマーの皆さんはめっちゃイケイケ、その中でボーカルはきれいに佇んで歌っている。そのコントラストが面白いなと思いました。ボーカルだけにフォーカスすると、RIKUさんは顔と体の全部を使って歌うじゃないですか。私も表現者なので歌で表現をしている人が大好きなんです。だからRIKUさんみたいなスタイルは最高に好きで。どのミュージックビデオもライブ映像もRIKUさんは全身で歌を表現しているんですよ。「歌が好きなんだな」ってヒシヒシと伝わってくる。それは意識的にやってるんですか?
RIKU いや、その曲を精一杯表現しようとすると勝手に体が動いちゃうんですよね。だから動いてる分にはいいんですけど、写真になると表情がいつも事故ってるんです。まあでも、そこで勝負してるわけじゃないしいいかと思ってるんですけど。
荒牧 その感じ、すごく伝わってきました。RIKUさんの相棒2人についてお話しすると、川村壱馬さんはいろんな顔を持っているのが魅力的だなと思います。セクシーに歌っているかと思えば、激しく歌っているときもあって、どっちが本当の壱馬さんなんだろうって。吉野北人さんは繊細で中性的なボーカルで、RIKUさん、壱馬さんとはまた違う、吸い込まれるような感覚になる歌声が魅力です。私個人の好みでいうと、統一感がある歌声のグループよりも、SMAPさんのような個々のボーカルが立っているグループが好きなんですよ。だから三者三様のTHE RAMPAGEは、最高の3ボーカルがいるチームだなと思いました。
RIKU 僕は壱馬と北人を両極端にいるシンガーだと思っていて。壱馬は憑依型で曲の世界観にどっぷりと浸かって、その曲の主人公になって表現をするタイプ。北人はどの曲も北人のものにしちゃうんですよね。自分に曲を寄せることができるんです。僕はその2人の架け橋といいますか。2人をつなぐ存在でいられればと思っているんですよね。栄光の架橋……いや、レインボーブリッジになりたい。曲そのものの色や2人のボーカルに合わせて自由に色を変えられるような、そんなボーカルでいたいんですよね。
荒牧 THE RAMPAGEは声もそうだし、見た目もパフォーマンスも1人ひとりが個性的でいいなと思うんですよ。そこがすごく好きなところです。3人の歌に向き合うスタイルがあって、それが歌声にもしっかり乗っている。素敵だなと思います。
RIKUの歌声はギャップが最高
RIKU あのー、よければもうちょっと僕のことを褒めてほしいんですけど……。
荒牧 あ、褒められたいんですね(笑)。誰だって褒められたいですよね。
RIKU 褒められて伸びるタイプなので(笑)。僕は荒牧さんのことを声のスペシャリスト、声の魔術師、変幻自在なトリックスターだと思っています。そんな荒牧さんから見て僕のボーカリストとしての強みってどんなところだと思いますか?
荒牧 Instagramでピアノの弾き語り動画を拝見させてもらって、意外とこういう繊細な歌も得意なんだなと思ったんです。こんなこともできて「スワプラ」みたいな曲もカッコよく歌えて、ギャップがすごいなと。RIKUさんはどういう歌手になりたいんだろうとすごく興味をそそられたんですよね。あと清水翔太さんが歌っているような、コテコテなR&Bにすごくハマりそうな歌声だなと思いました。
RIKU わ、そこまで見抜いちゃうんですか? 一番やりたいジャンルです。
荒牧 やっぱり。弾き語り動画を観ると、その曲に自分の声を乗せていく感じがもうR&Bが得意な人の歌い方なんですよね。なのにロックテイストの曲をカッコよく歌うこともできるわけじゃないですか。そのギャップが最高だなと思いました。
RIKU 僕はR&Bが一番好きな音楽ジャンルなんです。もちろんポップスも好きですけど。あるとき四つ打ちのポップスをR&Bテイストにアレンジして歌ってみたら面白いんじゃないかなと思いついて、そういう動画に撮るようになったんです。
荒牧 ピアノアレンジにRIKUさんのR&Bが好きな気持ちがあふれてるなと思ったんですよ。ピアノはもともと弾けたんですか?
RIKU ピアノは独学です。3年くらい前に始めて、楽譜は読めず、コードだけを頼りに弾いてますね。
荒牧 ええ! 独学? すごすぎませんか? コード譜は読めるということはギターをやっていたとか?
RIKU いえ、楽器はピアノしかできないです。コードもネットやアプリで調べたコード譜みたいなものから覚えていきました。最初は「Cってなんだろう?」というところから始めて徐々に覚えていったので、弾けるようになるまでかなり時間がかかりましたね。こんなに苦労するなら最初からピアノのレッスンに通えばよかったなとも思ったんですけど。
荒牧 それで身に付いて表現できるようになるなんてすごいですよ。本当に音楽が好きなんですね。
RIKU ライブでどうしても弾き語りをやってみたかったんです。ピアニストみたいに派手な演奏はまったくできないんですけど、おしゃれな感じに聞こえるように弾いて歌えるようにはなったかなというところです。
荒牧 いやあ、もう尊敬しますね。すごすぎますよ。
喜んでくれる人がいるならば
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音楽ナタリー @natalie_mu
THE RAMPAGE・RIKUさんの連載「#音楽大陸」Vol.9後編では、歌声のスペシャリストである、ものまねシンガーの荒牧陽子さんがTHE RAMPAGEのボーカルの魅力を分析。川村壱馬さんと吉野北人さんにかかる“レインボーブリッジ”になりたいと話すRIKUさんの思いとは?
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