地元福岡、大阪、そして東京と3都市で実施された初のワンマンツアー。千秋楽となった東京公演のステージは、南波が「大切な節目のライブでは最初に歌う曲」だと語る、デビューミニアルバム「はじめまして、私。」の冒頭を飾る楽曲「ストーリー」で幕を開けた。
ツアータイトルに冠された「FANTASIC STORY」は、南波の「皆さんを夢の世界に連れていけるような、幻想的でワクワクした楽しい空間を作りたい」という思いが込められたもの。しかし一方で彼女は、このツアーに「夢の世界だけでなく、現実の世界で少女から大人に変わっていく18歳のリアリティも見せたい」という強い決意を持って挑んでおり、セットリストには「自分にプレッシャーを与えるため」と全公演で選曲の異なるピアノ弾き語りのコーナーが用意された。千秋楽で選ばれたのは、松田聖子の名曲「赤いスイートピー」。続けてバンド演奏とともに披露されたバラードソング「プールの青は嘘の青」、衣装チェンジを挟んで歌われた「たぶん、青春。」では、まさに少女から大人へと変わりつつある歌声を響かせ、観客の心を掴んだ。
後半戦に突入すると、南波は観客とのコール&レスポンスで会場を盛り上げつつ「ごめんね、私。」「ミライクロニクル」「みたことないこと」など勢いのあるナンバーを連発。「それでも言えない YOU&I」では南波もカオシレーターを使った激しいパフォーマンスで演奏の熱を上げていく。観客もハンドクラップと大きな歓声で応戦した。
最後のMCでは、福岡で暮らしていた中学生時代、15歳でインディーズデビューした当時のことを振り返りつつ「『私、この音楽の道で生きていけるのかな』って不安になることもあったし、もしかしたら歌手って職業が向いてないのかな、福岡に帰ろうかなと思うことも何度もありました」と、上京後の揺れる思いを告白。涙を浮かべながら「でもステージに立てば皆さんの笑顔があるし、やっぱり私は歌うことが大好きなんだなと思います。こうしてスポットライトを浴びて、皆さんに歌を届ける歌手という仕事が、私にとって天職なんだと思います。こうやって実感できるのは、皆さんの支えがあるからです」とファンに感謝を告げた。
彼女がラストナンバーに選んだのは「今回どうしても最後に歌いたかった」という「はじめまして、私。」。「私は今、こんなに素敵な人たちに支えられて今を誇らしく生きていますよ」と、レコーディングをした15歳の頃の自分にメッセージを込めて選んだ楽曲だ。ボサノバタッチの編曲に乗せてじっくりと歌い上げた南波に、客席からはあたたかい拍手が送られた。
アンコールの声に応え再びステージに上がった南波は、「こどなの階段」を元気よく披露した。盛り上がるファンの様子に「最高! 最高! ユーたち最高ー!」とハイテンションな南波は「もっともっと精進して『10代のうちに武道館でライブをする』という夢に向かっていきます!」と高らかに宣言。「そのときまで駆け抜けていきますので、応援よろしくお願いします!」と思いを伝えると、最後に「Bless you girls!」を歌い、明るい笑顔でステージを締めくくった。
南波志帆「THE NANBA SHOW 『FANTASIC STORY』 TOUR 2011」
2011年11月4日(金)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE セットリスト
01. ストーリー
02. 水色ジェネレーション
03. まちかどハルジオン
04. 昨日の君のひとりごと
05. もんだいとこたえ
06. ふたりのけんか
07. 赤いスイートピー(弾き語り)
08. プールの青は嘘の青
09. たぶん、青春。
10. 2センチのテレビ塔
11. ごめんね、私。
12. ミライクロニクル
13. それでも言えない YOU&I
14. みたことないこと
15. サンダル
16. はじめまして、私。
<アンコール>
17. こどなの階段
18. Bless you girl!
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音楽ナタリー @natalie_mu
南波志帆初単独ツアー大成功「夢は10代のうちに武道館」 http://t.co/Nihgq3m3