FM802の人気番組「ROCK KIDS 802」が主催する恒例ライブイベント「REQUESTAGE 8」が、4月29日に大阪城ホールで開催。
今年で8回目の開催となった「REQUESTAGE」。観客は普段から「ROCK KIDS 802」を聴いているリスナーばかりとあり、オープニングVTRもラジオ番組仕立て。いきものがかり「じょいふる」、THE BLUE HEARTS「TRAIN-TRAIN」、MONGOL800「あなたに」のPVが流されると会場のあちこちから歌声が上がり、ライブへの期待感も高まっていく。
そして最初に登場したのは湘南乃風。まずはサウンドを司るBKがステージに現れ、観客に活を入れるように「俺らと一緒に風を起こせるヤツはなんでもいいからブンまわせ!!」と叫ぶ。同時に「Earthquake」のイントロが鳴らされ、袖から現れたメンバー4人がタオルを回しながら歌い始める。もちろんオーディエンスもタオルをぐるぐる回し、あっという間にヒートアップ。続けてHAN-KUNが「いきなり一番ヤバいヤツが出てきたからよ! 俺たち歌がうまいわけでも何でもねえ、ただ会場と一体になって爆発を起こすだけだ!」と煽り、「Joker」を披露。また曲の途中でコール&レスポンスのやり方を観客にレクチャーし、一緒に歌い上げる。さらに「黄金魂」「睡蓮花」とライブの定番曲ばかりをパフォーマンス。トップバッターとしての盛り上げ役を存分に果たし、颯爽とステージを下りていった。
なお、この日のライブはイベントタイトルどおり「ROCK KIDS 802」リスナーから募ったリクエストを元に構成。どのアーティストもリスナーが聴きたい曲ばかりを披露するという、贅沢な内容となった。
2番手の加藤ミリヤは、ダンサー4人を従え登場。1曲目の「SAYONARAベイベー」では、身に着けていたクラシカルな趣のベール付きカクテルハットを投げ捨て熱唱した。そしてMCでは腕にマジックで黒々と書いた「OSAKA」「8」を会場に示し、この日を楽しみにしていた様子を見せる。「今日は私の持ってるものを全部出すので、みんなキャッチしてください」と語った後に披露されたのは「WHY」。続けて「SENSATION」「Aitai」とミリヤならではの切ないナンバーを歌い、オーディエンスを引きつけた。さらに最後の楽曲として「BYE BYE」をセレクト。「この中にも別れを経験したことがある人もいると思うけど、その人たちのために歌います。おおきに」と語り、辛いながらも前に進もうとする内容の歌詞を情感たっぷりに歌い上げた。
この後の転換時間では、スクリーンでドラマ仕立てのショートムービーが流された。音楽が存在しなくなった近未来の日本で、番組DJの4人が音楽を取り戻すために立ち上がるという内容に、観客はおおいに盛り上がった。
そしてムービーの中のDJから紹介を受けた秦基博がステージに姿を見せる。この日の秦のライブは、全編アコースティックセットで実施。まず鳴らされた「鱗(うろこ)」では、サポートギターの久保田光太郎とともに、2本のアコースティックギターだけで美しいハーモニーを奏でていく。またMCでは茶目っ気のある面も覗かせ、「今日は『REQUESTAGE』ということで、じゃんじゃん皆さんのリクエストに応えたいと思います! 踊れと言われれば踊ります」と言う場面も。そして会場から本当に「踊ってー!」と声が飛んできたことを受け、その場でボックスステップを踏む秦。「人生で初めてボックスを踏みました(笑)」と言い、照れくさそうにしていた。続く「やわらかな午後に遅い朝食を」では、午後の光を思わせるオレンジ色のレーザーに照らされながら優しい歌声を響かせる。また「キミ、メグル、ボク」では、「そろそろ盛り上がりたいんじゃないですか!?」とオーディエンスを煽り、クラップを促す。そしてあっという間にラストの曲となり、サポートの久保田はここで退場。最後は秦の声とギターだけで「アイ」を熱唱し、大阪城ホールをやわらかい歌声で包んだ。
4番手に登場したのはPerfume。「edge」が大音量で鳴る中、ステージ下手からあ~ちゃん、かしゆか、のっちが姿を現すと、それだけで大歓声が沸き起こり、まず1曲目は「不自然なガール」。4月にリリースされたばかりのニューシングルがリスナーリクエスト上位に食い込むのも、今の彼女たちの勢いを象徴していると言えるだろう。続く「エレクトロ・ワールド」では、間奏であ~ちゃんが「GO! GO!」と言いながら笑顔で右手を振り上げると、オーディエンスもそれにならう。MCでは「REQUESTAGE」に2年連続で出演できたことをうれしそうに語り、「リクエストでセットリストを作ったのは、Perfumeにとってもチャレンジ!なんですけれど、皆さんはきっと応えてくれると、ガッツリきてくれると信じております!」とコメント。その言葉どおり、会場は終止熱狂に包まれた。
3曲目には「ナチュラルに恋して」を披露。この曲では、かわいらしい振り付けを真似するファンがあちこちに見受けられた。そして「ポリリズム」の後にはP.T.A.コーナーがスタート。あ~ちゃんが「みんなでリズムに合わせて声を出そうというコーナーです!」と主旨を説明し、独特なコール&レスポンスを実施。「男子」「女子」「そうでない人」「めがね」「コンタクト」「裸眼」「Tシャツの人」「Perfume Tシャツの人」「『REQUESTAGE』超超超楽しい人」と観客に声をかけ、さまざまなアーティストの曲のフレーズを少しだけ歌う。そして「じゃあPerfumeの曲でこの日一番大きな声を!」という呼びかけで「チョコレイト!」「ディスコ!」のコール&レスポンスが始まり、そのまま「チョコレイト・ディスコ」をパフォーマンス。この最高にハッピーな空気のまま、Perfumeのステージは幕を下ろした。
転換時間を挟み、いよいよ最後のアクトであるASIAN KUNG-FU GENERATIONが姿を見せると、観客から大きな拍手が起こる。ステージからカラフルなライトやレーザーが照射されるなか、まず演奏されたのは「新世紀のラブソング」。アジカンの新境地を見せたこのナンバーでは踊りだす観客が続出し、会場はさながらダンスフロアに様変わりしたかのよう。後藤正文(Vo, G)の「ありがとう」という短い挨拶に続き、「君という花」を披露。伊地知潔(Dr)の叩きだす正確なビートが楽曲をシャープに彩る。そしてMCでは後藤が「今日は他の出演者が派手なので、触発されて5割ぐらい派手な服を来てきました」と笑わせる。さらに「俺以外のバカ3人(の地味な服装について)なんとか言って怒ってくださいよ! ドラムとギターは自分のバンドのTシャツ着てるし」とメンバーをいじることも忘れない。
「ここからガッツリ派手な音を鳴らしますんで楽しんで帰ってください」という言葉の後で鳴らされたのは「リライト」。オーディエンスは山田貴洋(B)のグルーヴィなベースに乗りながら踊り、続く「ループ&ループ」では拳を振り上げる。そして幻想的なギターのイントロから「ソラニン」が披露され、色とりどりの照明によるドラマチックな演出のなか、ライブ本編は終了した。
大きく鳴らされる拍手の音にうながされ、アジカンの4人はすぐにステージに戻ってくる。「今日はいろんなジャンルの音が鳴ってるイベントで。僕らは普段ロックバンドとしてやってるけど、なんかもうね、ジャンルとかいいんじゃねーのって思ってて最近」「好きな音楽が聴ける時代に、こういう場所に呼んでもらえてうれしかったです、ありがとう」と独特の言葉で感謝を述べる後藤。しかしその後なぜか後藤の要請でウェーブをすることになり、喜多建介(G)に「建さんギター置いてさ、ステージ前をバーッと走って」とウェーブの舵取りをするよう無茶振り。それに喜多は素直に従い、見事にウェーブが成功するとそのまま「転がる岩、君に朝が降る」が演奏された。疾走感のあるサウンドにみずみずしい歌詞が乗るナンバーは、若いリスナーが多く参加したこのイベントを象徴するかのよう。最後はステージ上に残されたギターから鳴るフィードバック音の響く中、オーディエンスが心から楽しんだ「REQUESTAGE 8」は、大成功のうちに幕を閉じた。
なおこの日の模様は、6月21日(月)~24日(木)22:35の「ROCK KIDS 802 SPECIAL - REQUESTAGE 8 -」で一部オンエアされる。残念ながら参加できなかった近畿地方のファンは、放送をお楽しみに。
2010年4月29日「REQUESTAGE 8」@大阪城ホール セットリスト
湘南乃風
01. Earthquake
02. Joker
03. 黄金魂
04. 睡蓮花
加藤ミリヤ
01. SAYONARAベイベー
02. WHY
03. SENSATION
04. Aitai
05. BYE BYE
秦基博
01. 鱗
02. やわらかな午後に遅い朝食を
03. キミ、メグル、ボク
04. アイ
Perfume
01. 不自然なガール
02. エレクトロ・ワールド
03. ナチュラルに恋して
04. ポリリズム ~ P.T.A.コーナー
05. チョコレイト・ディスコ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
01. 新世紀のラブソング
02. 君という花
03. リライト
04. ループ&ループ
05. ソラニン
EN-01. 転がる岩、君に朝が降る
リンク
- FM802 | ROCK KIDS 802
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
𝒚𝒐𝒉 @yohyouyohyou
4年前か、、/ナタリー - アジカン、Perfume、秦ら「REQUESTAGE 8」で1万人魅了 http://t.co/vZ1FlNW4ld