Pick Up!

Jonah「私はね。」ジャケ写

Jonah 私はね。

自分自身を見つめた末に、内側から世界へ飛び出した思いの数々

文 / 天野史彬

耳、目、鼻、口と、これまで配信リリースしたすべてのシングルで、顔の一部分のイラストをジャケットにしてきた中、ここに届けられた新曲「私はね。」では、Jonah自身の姿がアートワークに鮮明に映し出されている。左目を手で隠してはいるけれど、それでもじっと見つめるようなJonahの眼差しに、自ずとこちらの目が合う。水の波紋のようなものも見えるので、水面に映し出されたJonahの姿がジャケットになっているのかもしれない。だとしたら、自分自身を見つめているJonahと、私たちは目が合っていることになる。それは、この「私はね。」という楽曲と聴き手の間に生まれる関係性そのものを表しているように思える。

Jonahは、自分自身のことを歌っている。そうハッキリと感じ取ることができる、素朴で赤裸々な言葉たち。露悪的になろうということでも、リアリティショーのように過激な何かを見せようということでもない。ただ自分自身を見つめた末に、心の表面に気泡のように浮かび上がる思いをメロディに乗せて、歌にしていく。そこにはチリチリとした痛みもあるし、不安定な感覚もある。おそらく、10代という若さでオーディションを通じデビューを飾った状況だからこそ、時折ふと感じるであろう、周りとの少しばかりのわかりあえなさ。18歳という年齢がゆえに感じる、子供と大人の狭間で揺れ動くような感覚。この曲でなければJonahの内側から世界に飛び出してくることはなかったかもしれない思いが、この曲の歌詞につづられている。今回、サウンドのプロデュースを手がけたのはRyo'LEFTY'Miyata。アコースティックギターを基調としたJonahの親密でパーソナルな歌世界の、その人1人分の体温を損なうことのない、優しくて雄大なサウンドに仕上げられている。

変わることも、変わらないことも恐れずに進んでいくための歌。曲の終盤で歌われる「大丈夫だから」というフレーズは、きっとこの曲を耳にした誰かの希望になるだろう。

Jonah - 私はね。(Official Music Video)

Jonah「私はね。」
2025年9月24日(水)配信開始 / Scrum Wave Music
購入・再生はこちら

作詞・作曲:Jonah
編曲:Ryo'LEFTY'Miyata

Jonah(ジョナ)

Jonah

イギリス人の父と日本人の母を持つシンガーソングライター。2007年、高知県生まれ。eggmanとNTTドコモ・スタジオ&ライブによる、次世代バンドおよびグローバルアーティストの発掘・育成を目的としたオーディションプロジェクト「Catching Wave Audition 2024」に出場後、2025年1月にプロジェクト内で発足されたレーベル・Scrum Wave Musicより第1弾シングル「エコー」を配信リリースした。最新曲は9月にリリースされた第5弾配信シングル「私はね。」。