2022年の結成以降「キミのありふれた日常に、青春を、今。」というコンセプト通り、楽曲やライブを通して等身大の“青春”を届けてきたフューチャーサイダー、通称チャイダー。今年8月に新メンバーの二葉まゆと結南ゆなを迎えた彼女たちは、7人体制での初のワンマンライブ「フューチャーサイダー新体制お披露目ライブ ~出ずる日蕾む花~」を成功させ、華々しく新章の幕を開けた(参照:フューチャーサイダー、新たな出発を鮮やかに示した7人体制初ステージ)。
音楽ナタリーでは新体制の始動に合わせてメンバー7人にインタビュー。個性豊かな新メンバーの魅力や10月20日に開催されるデビュー3周年記念ライブへの思いなどを語ってもらった。
取材・文 / 川崎龍也撮影 / はぎひさこ
新体制お披露目ライブで感じた手応え
──8月23日に新体制お披露目ライブが開催されましたが、新メンバーを交えたこの7人での初ステージはいかがでしたか?
瀬乃みく ライブまでの期間は目まぐるしい日々で、正直なところ「どんなことがあったっけ?」と振り返るのが難しいくらい、新しく覚えることやるべきことに追われていました。本当に必死で過ごしていたので、ライブ当日を迎えるまで新体制になったことの実感があまりなかったんです。でも実際にステージに立った瞬間、生き生きと楽しそうにパフォーマンスしている新メンバーの姿が見えて。「ああ、これが新しいフューチャーサイダーなんだ」と感じられました。
──フューチャーサイダーは常にタイトなスケジュールで動いている印象がありますが、新体制のお披露目までの準備期間はどれくらいあったのでしょうか?
瀬乃 ライブの2カ月くらい前から動き始めていたのですが、新メンバー2人が先にレッスンを受けて、そのあとに私たちが合流して7人でのフォーメーションを固めていく形でした。8月15日にひな(桜歌ひな)の卒業公演があり、そこから7人体制への移行期間が1週間ほどで。その間にフォーメーションやライブの構成、MCを頭に詰め込んだので本当に怒涛の日々でした。
──人数が偶数から奇数に変わるだけでも大きな違いがありますよね。
瀬乃 そうなんです。フューチャーサイダーが7人体制になるのはこれが初めてで、立ち位置の番号やバミリの取り方など、すべてが新鮮でした。でも既存メンバーは覚えるスピードがかなり速くなっていたし、力を合わせて乗り越えられたと思います。みんなはどうだった?
瑞野ひより 本当に忙しすぎて、具体的なことは少し記憶が飛んでます(笑)。それだけ濃密な期間だったんだと思います。その分、本番はすごく楽しかったです。レッスン中は全員が頭をフル回転させて必死に取り組んでいたんですけど、本番では自然と楽しい表情に変わっていって。メンバーと目が合ったときに「楽しんでるな」と感じられたのが印象的でした。
彩菜まり 私も楽しかったですし、「このグループはもっとよくなる」と思いました。特に印象に残っているのは、ステージで新メンバー2人の後ろ姿を見たとき。レッスンでは感じられなかった青春っぽさというか、グループの新しい風を感じて「これこそがフューチャーサイダーだ」と思いました。
水瀬そら 本当にみんな頼もしかったです。新メンバーは曲を覚えるのも早いしダンスもうまくて、「私もがんばらなきゃ」と思わせてくれました。少しだけですけど、先輩としての自覚も芽生えた期間でした。
櫻衣まい フューチャーサイダーはこれまでにも体制変更を経験してきましたが、今回の新体制お披露目ライブではファンのみんなの緊張感が強く伝わってきました。卒業公演後すぐに新体制に移行したので、戸惑いを抱えながら見守ってくれていた人もいたと思います。でもライブが進むにつれてみんなが楽しんでいる様子が見えて、7人のフューチャーサイダーを受け入れてもらえたと感じました。これからこの7人で、新しい“フューチャーサイダーらしさ”を見つけていけたらと思います。
──新メンバーの2人はステージに立ったとき、どんな感覚になりましたか? ライブに向けて緊張やプレッシャーを感じていたのではと思いますが。
二葉まゆ 正直、本当に緊張していて……ほとんど記憶がないんです。ただ、「楽しかった!」という気持ちと、「これこそがアイドルのライブだ!」と実感したことだけははっきりと覚えています。私はアイドル歴5年目になりますが、改めてライブの魅力を感じた瞬間でした。準備期間中は「本当にこのままデビューできるのかな?」「もしライブ中に曲が止まってしまったらどうしよう。ちゃんと踊り続けられるかな」と不安に思ってばかりいました。でも既存メンバーと一緒に練習を始めてからは、意識が少しずつ変わって前向きに取り組めるようになりました。本当に怒涛の2カ月でした。
結南ゆな 私は真逆で、ライブは全然緊張しなかったです。アイドル活動はこれが2回目で、前のグループを卒業してから3カ月くらいでフューチャーサイダーに加入しました。なので、前から応援してくれているファンの方もたくさんライブに来てくださったんですけど、「前とは違う姿を見せたい」と思ってステージに立ちました。以前は「かわいいと思ってもらいたい」という気持ちが強かったですが、今回はグループのコンセプトに合わせて「青春を一緒に感じてもらえるようなライブを見せたい」と考えて臨みました。本番中はメンバーと目を合わせたり、お客さんとの一体感を意識したりして、緊張よりも「楽しもう」という思いが大きかったです。
──もともと緊張しないタイプなんですか?
結南 昔ダンスの発表会に出たときは緊張しましたね。私は緊張すると本当にダメになるタイプなので、緊張という概念を脳から排除するようにしてきました(笑)。「私は緊張しない人間だ」と思い込むと、本当に緊張しなくなります。
──自分自身をマインドコントロールしているんですね。
結南 はい(笑)。
瀬乃 客観的に見ていると「ちょっと緊張してるんじゃないかな?」と感じるときもあります。ただ、本人は「緊張していない」と言うので、そうなんだろうなって(笑)。
結南 それは人見知りしてるだけです(笑)。
二葉まゆは「生肉がかわいい」と感じる愉快な人
──加入からまだ日が浅いですが、活動をともにしていく中で新メンバー2人の個性がだんだんと見えてきていると思います。ほかのメンバーから見たお二人の印象を聞かせてもらえますか? まずは二葉さんについて。
瀬乃 本番前に「緊張する」と不安そうにしている瞬間もあるんですけど、実はすごく頼もしい子なんです。一緒に飲みに行ったときに、私がちょっと弱気なことを言ったら「私が入ったから、フューチャーサイダーはもっと売れるよ」と言ってくれて。その言葉がすごく心に残っていて、しっかりとした意志を持っているし、グループを大事に思ってくれている子なんだと感じました。ギャルマインドというか、前向きな強さがあって、私自身も見習いたいと思います。
──ギャルマインド……ですか?
二葉 弱音を聞くと自分自身もそれに流されちゃうところがあるので、あえてポジティブな空気を作るようにしています。誰かが下を向いた発言をするとその場全体の雰囲気も沈んでしまうし、だったら私がその空気を変えたり、面白くしたりできればいいなって。もともとはポジティブなタイプではないんですけど、「人生一度きりなら楽しいほうがいい」と考えています。みんなが幸せになってくれたら自分もハッピー(笑)。誰かが下を向いていたら、ちょいちょいって持ち上げる役をやりたいんです。
瑞野 初めて会った瞬間から「ちょっと自分と似てるかも」と思いました。ポジティブだけどネガティブな部分も持っているところに、勝手に共感していました。性格というか、空気感が似てるんですよね。あと、話せば話すほど不思議なエピソードをたくさん持っていて(笑)。
櫻衣 そうそう、「生肉」の話がグループ内で有名で(笑)。加入が決まったときに、プロデューサーから「変わった子が入るよ」と言われていて。「その子『生肉がかわいい』って言うんだよ」と聞いてびっくりしました。
二葉 以前、焼き鳥屋さんでアルバイトをしていたんですけど、仕込みのときに大きなボウルに生肉がいっぱい入っていて、それがかわいく見えちゃったんです。キラキラしていて、店内のライティングで赤く輝いているのもきれいだなって。ボウルを「コーン」って叩いたり、つついたときにプルンプルン揺れる感じとか……かわいいと思っちゃうんです。焼いちゃうともうかわいくなくなるんですけど、生のレバーは特にかわいい(笑)。
瀬乃 感性がすごいですよね(笑)。
彩菜 生肉をかわいいという感覚はわからないですが(笑)、私も自分と性格が似てる気がして、調べたらMBTIのタイプが近くて納得しました。場の空気がよくなると幸せを感じるという考え方が私と同じで、うれしいです。楽屋にいるときやレッスンをしているときにもその性格が表れていて、フューチャーサイダーが明るいグループになったと思います。
水瀬 オーディションで見ていたときは、消極的な性格の子なのかなという印象を持っていました。周りの空気を気にして控えめになるタイプなのかなって。でも実際は本当に愉快な人で、第一印象とのギャップに驚きました。話していると「何それ!?」って聞き返したくなるような新発見が必ずあって、一緒にいて楽しいです。
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結南ゆなはしっかりした一面もある赤ちゃん