音楽ナタリー

怒髪天、SA、AFOC、BUGYが“中古品”の輝き見せた博多の夜

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怒髪天(Photo by chiyori)

怒髪天(Photo by chiyori)

テイチクエンタテインメント内レーベル・インペリアルレコードによる初の主催イベント「YOKA ROCK FESTIVAL '17」が、3月18日に福岡・LIVE HOUSE CBで行われた。

戦前より続く歴史あるレコード会社・テイチクのJ-POP専門レーベルとして、2000年に設立されたインペリアルレコード。現在はBEGIN、堂島孝平、中田裕二、X4、牧野由依、風男塾、寺嶋由芙、BOYS AND MEN 研究生ほか多彩なアーティストが所属している。「YOKA ROCK FESTIVAL '17」に出演したのは、怒髪天SAa flood of circleBUGY CRAXONEの4組。めんたいロック発祥の地で「日本のリバプール」とも呼ばれる福岡・博多のライブハウスを舞台に、およそ4時間におよぶステージが繰り広げられた。

トップバッターを務めたのは、怒髪天の増子直純(Vo)が主宰するNorthern Blossom Recordsから移籍したばかりのBUGY CRAXONE。今年で結成20周年のベテランだが、インペリアル所属のメジャーアーティストとしては新人だ。すずきゆきこ(Vo, G)は「どこの土地を疑ってるわけじゃないですけど、博多は信用してますから」と熱い声援で迎え入れた観客に身を委ね、1曲目の「たいにーたいにー」からシンガロングを求める。「これでいいのだ!」の大合唱が巻き起こり、4曲目の「FAST」を終える頃には歓声がひときわ大きくなっていた。バンド生活20年の不安をタイトな8ビートに乗せて歌う新曲「ぶるぶるぶるー」、 「なめんなよ! ウィー アー ブージー クラクション!」の叫びから始まる「ブルーでイージー、そんでつよいよ」など合計9曲を演奏したBUGYは、ナイスちゃん(BUGYファンの総称)の輪を拡大させつつ、大盛り上がりで次のafocへとバトンをつないだ。

ライブハウスでの対バン形式のライブでは一般的にドラムセットは固定で、各ドラマーがスネアなどのパーツのみを変えて演奏するが、「YOKA ROCK FESTIVAL '17」ではバンドごと異なる4台のセットが用意されていた。BUGYのすずきが「それがやれるのは精鋭が集まってるってことだよ」と称えた通り、幕間にはスタッフがてきぱきとセットを組み直していく。そして2番手のAFOCは強烈なギターのフィードバック音でライブの幕開けを告げ、佐々木亮介(Vo, G)は「ロックンロールの聖地福岡、かっ飛ばしちゃっていいですか?」と観客に呼びかけた。高速8ビートの「The Beautiful Monkeys」、ヒップホップの要素を取り入れた「Black Eye Blues」、メンバー4人の息の合ったアンサンブルでグルーヴを作り上げる「Flyer's Waltz」など、短い時間の中でバリエーション豊かな楽曲を織り交ぜたAFOC。「日本で一番ヤバいバンドしかそろってない」とこの日の出演者を称した佐々木は「増子さんは『ホント中古品しか集まってないな』って言ってたけど、確かにインペリアルはここが初めてのレコード会社じゃないってって人がたぶん多いと思う。でも、そこがよくて。そうじゃないと見えない未来があると思う」と、さまざまな経験を重ねたアーティストが集うレーベルカラーについて語った。

3番目に登場したのは、結成33年のキャリアを誇るSA。彼らは昨年インペリアルに移籍し、1月に国内初となるベストアルバム「ハローグッドバイ」、10月には移籍第1弾アルバム「WAO!!!!」を発表した。コムレイズ(SAファンの総称)の熱狂的な歓声が轟く中、ライブは移籍後初の新曲となったベストアルバム収録曲「START ALL OVER AGAIN!」で幕開け。ハンドクラップとOiコールでオーディエンスを一気に引き付け、ベテランの貫禄を見せた。TAISEI(Vo)は「50前後のバンドをスカウトする奇特な会社」と話しつつ「50過ぎても青春はあるからね」と「青春に捧ぐpart.2」を熱唱。「さらば夜明けのSkyline」では“めんたいコムレイズ”も拳を上げてシンガロングし、TAISEIは「かかってこいや!」とさらに焚き付ける。ラストの「GO BARMY KIDS」では恒例の肩組みで場内が一体となった。

この日のトリを務めたのは、インペリアル在籍13年目の怒髪天。「セイノワ」「欠けたパーツの唄」「ホトトギス」と勢いあるナンバーを連発し、増子直純は「よくきたー!」と何度も叫んだ。MCでは増子が「YOKA ROCK FESTIVAL '17」のオリジナルグッズをプレゼンしたが、グッズの1つであるタオルがレーベルスタッフの手違いで当日福岡に到着していないというハプニングも。一気に和やかなムードとなったが、怒髪天がライブを再開するとフロアは再びヒートアップ。「蒼き旅烏」「杉並浮浪雲」「NINKYO-BEAT」といったインペリアル在籍以前のナンバーや、Theピーズのカバー「グライダー」などレアな選曲が続く。「天誅コア」ではシンガロングが巻き起こり、最後はゴキゲンなロックンロール「酒燃料爆進曲」で締めくくられた。

増子は「インペリアルに入って10年以上になるけど、いいレーベルなんですよ。予算はないけど。でもなんでインペリアルにいるかっていうと、みんないい奴なんですよ。金がなくても大事な仲間ですから」とスタッフを讃え、「『YOKA ROCK FESTIVAL '17』……18もやる気かと。俺たちが生きてる間は、NAOKI(G / SA)さんの髪が立ってる間は、もうやらんでもええっちゅうぐらいやりましょうよ!」とイベントの継続を宣言。そして「俺たちが一番みんなに送りたい曲を」とアンコールの「雪割り桜」を熱唱し、「次また会うときまで……たぶんほぼイヤなことばっかでしょう。俺たちもそうだ。でもよろしくね。生きてまた会おうぜ!!」と汗だくの笑顔でステージをあとにした。

YOKA ROCK FESTIVAL '17
2017年3月18日 LIVE HOUSE CB セットリスト

BUGY CRAXONE

01. たいにーたいにー
02. ベリナイス
03. Come on
04. FAST
05. ぶるぶるぶるー
06. いいじゃん
07. ブルーでイージー、そんでつよいよ
08. dreamer
09. I scream

a flood of circle

01. Dancing Zombiez
02. The Beautiful Monkeys
03. シーガル
04. Black Eye Blues
05. Flyer's Waltz
06. プシケ
07. NEW TRIBE
08. ベストライド

SA

01. START ALL OVER AGAIN!
02. GET UP! WARRIORS
03. KIDZ IGNITE
04. 青春に捧ぐ part2
05. さらば夜明けのSkyline
06. DON’T DENY, GIVE IT A TRY!!
07. ピーハツグンバツWACKY NIGHT
08. GO BARMY KIDS

怒髪天

01. セイノワ
02. 欠けたパーツの唄
03. ホトトギス
04. 蒼き旅烏
05. 杉並浮浪雲
06. グライダー(オリジナル:Theピーズ)
07. NINKYO-BEAT
08. 天誅コア
09. 酒燃料爆進曲
<アンコール>
10. 雪割り桜

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