Base Ball Bear「三十一歳」豊洲で完結、来春ツアー＆野音公演発表

Base Ball Bearが12月4日に東京・豊洲PITでライブツアー「Base Ball Bear Tour『三十一歳』」の最終公演を行った。

「シリーズ“三十一”」と題し、3カ月連続でシングルリリース、さらに11月に6枚目のフルアルバム「C2」を発表したBase Ball Bear。全25公演を行った彼らの全国ツアーの最終公演は、この最新アルバムの1曲目のナンバー「『それって、for 誰？』part.1」からスタートした。4人は定位置につき呼吸を合わせると美しいユニゾンでイントロを鳴らし、小出祐介（Vo, G）は感情豊かな歌声でオーディエンスの体を揺らす。続く「そんなに好きじゃなかった」では関根史織（B, Cho）と湯浅将平（G）がステージ前方に設置されたステップに上り、熱のこもったプレイを披露した。

最初のMCで小出はこの日見た夢の話題を持ち出し「2度寝したときに見たのが、堀之内（大介 / Dr, Cho）さんを殺す夢だったんです。目が覚めてカーテンを開けてみてもすごい晴れてたし、今日は幸先いいなって。今日はそんな仲良し4人組がお届けします」とシュールな語り口で笑いを誘う。中盤には「文化祭の夜」「不思議な夜」といったファンク色の強い新曲から「Good bye」といった初期のナンバーまで、バラエティに富んだナンバーが次々とプレイされる。「Tabibito In The Dark」では軽快なギターの音色と跳ねるようなリズムの上で小出が情熱的にシャウト。ミラーボールの光に会場中が照らされる中で4人はパワフルな演奏を見せ、ファンの歓声を誘った。

「レインメーカー」は、小出の「なかなか実家に帰ることもないけど、家族って意外と、ずっと心の中にいるもんだなという曲です」という言葉とともに届けられた。続く「どうしよう」では抑揚のある堀之内のドラムとカラフルな照明が楽曲を盛り上げる。終盤には湯浅が1人で歌声を響かせるシーンがあり、彼の真摯な歌声に小出は「今回のツアーで一番うまい！ 仕上げてきたな!?」と楽しそうにツッコミを入れていた。

ラストスパートを前に、小出はアルバム「C2」について口にする。彼は「バンドが30代の体質に変わってきた。だから今、僕たちは“0歳”なんです。以前のように勢いだけじゃ乗り切れずごまかしが効かなくなってきたときに、音楽と真剣に向き合って作ったシビアなアルバムです」と作品に込めた思いを語った。この日、ナイル・ロジャースが来日公演を行っていることに触れた彼は「僕の大好きなカッティングギターの神様が今近くでライブをしてる。日本の新しいカッティングの神様の誕生の瞬間を、皆さんにお見せしよう！」と叫んで「曖してる」へなだれ込んだ。スポットライトを一身に集めた小出の熱のこもったギタープレイに、ファンは大きな歓声を上げる。「十字架You and I」では湯浅がギターを放り出し、それまでのクールな佇まいから一変ステージを自由に動き回りながら情熱的なダンスを踊る。バンドの熱いパフォーマンスにオーディエンスも熱狂。会場がダンスフロアと化す中で、4人は本編ラストの「祭りのあと」までを一気に駆け抜けた。

アンコールでは、来春に全国ツアー「Base Ball Bear Tour『LIVE BY THE C2』」が開催されることと、このツアーのファイナル公演が4月30日に東京・日比谷野外大音楽堂で実施されることが発表された。小出は「これで今年のワンマンは終わり。1年間、本当にありがとうございました。僕らの決意の歌を聴いてもらって、今日は終わりたいと思います」と話し「『それって、for 誰？』part.2」をプレイした。ラストナンバーは「SHE IS BACK」。堀之内は立ちあがってファンに手拍子を求め、小出は重厚なロックサウンドに乗せ力強く歌声を響かせる。全17曲の熱演を終えた4人は客席に何度も感謝を伝えながら会場をあとにした。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。