音楽ナタリー

愛してるぜ!GLAY、東北に捧げた約束のEXPO

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TERU(Vo)

TERU(Vo)

デビュー20周年を迎えたGLAYが、昨日9月20日に宮城・ひとめぼれスタジアム宮城にて単独ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」を実施。全国各地から集まった5万5000人を前に3時間にわたってパフォーマンスを届けた。

10年ぶりの開催となった今回の「GLAY EXPO」は、東日本大震災の被災地となった東北を中心に「日本を元気にしたい!」というメンバーの思いから始動した。ライブではその思いを表現するように、東北を拠点に活動するアーティストや東北六魂祭とのコラボも実現。GLAYと“東北”の共演が、快晴の中で繰り広げられた。

定刻を迎えると、シンフォニックなSEとともにアリーナエリアの上にアーチ状にかかっていた風船が高度を上げ始める。続けて大歓声の中、白いジャケットを着用した4人がステージへ。そしてTERU(Vo)の「行くぞ!」という叫びとともに蛍光色のテープが四方八方に放たれ、オープニングナンバーとして「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」のテーマ「BLEEZE」が奏でられた。2曲目の「GLOBAL COMMUNICATION」でTERUは観客とコミュニケーションを取るようにハンドマイクで熱唱し、JIRO(B)とHISASHI(G)も楽器を鳴らしながら笑顔でスタジアム内をぐるりと見渡した。続く「グロリアス」ではメンバーがステージの各所に散り、観客に近付きながらパフォーマンスを展開していく。MCでTERUは「10年間ずっと待ち望んでいたEXPO! 最高のEXPOにしようぜ」と興奮気味の声で呼びかけ、「もう俺、感動してる」と1999年に行われた初めての「GLAY EXPO」でも放ったという言葉を口にしていた。

場内の熱気を一気に高めたのは、TOSHI(Dr)の叩く高速ビートからなだれ込んだ「誘惑」をはじめ、「ピーク果てしなく ソウル限りなく」や「口唇」といった懐かしいナンバー。TERUが「GLAYファンはまだまだこんなもんじゃないだろう!」と煽ると大合唱が起き、その光景にTAKURO(G)が微笑む瞬間も。そして初回の「GLAY EXPO」でも会場を一体化した「サバイバル」では、TERUはTAKUROの肩に手をかけ情熱的に歌い上げる。合間のMCでJIROは「すげえなあ! TERUに負けないくらい泣きそうだった」と目の前に広がる光景に感激していた。なお序盤で観客を驚かせたのは「今日は空から僕らを見守ってる人もたくさんいると思うんですけど、大好きな先輩の曲を歌いたいと思います」という言葉から始まったhide「MISERY」のカバー。大先輩が遺した名曲を丁寧かつエネルギッシュにプレイする4人に大きな拍手が送られた。

MCではTAKUROはテレビの生中継や国内外の映画館でライブビューイングを楽しむファンに向けて挨拶。海外でライブビューイングを楽しむファンには英語で語りかけ、「We'll be back to your country」と海外公演の実施を約束した。続けてTERUの東北への熱い思いを説明し、「彼の思いが『GLAY EXPO』を成功に導いてくれると思います」と述べる。その言葉をきっかけに、宮城県を中心に公募で集められたメンバーからなる和太鼓アンサンブルグループ「GLAY EXPO MICHINOKU KIZUNA TAIKO」とTERUによるセッションがスタートした。上半身裸になったTERUは、巨大なバチで力強く太鼓を乱打。息の合ったパフォーマンスでオーディエンスを圧倒していく。さらにTERUは力強く腕を交差させながら、雄叫びのような声で「HIGHCOMMUNICATIONS」を熱唱。この曲では和楽器とバンドの融合が試みられ、三味線奏者とTAKURO、HISASHIと太鼓奏者が向かい合いながらセッション。異色の組み合わせから生まれる美しいアンサンブルにスタジアムは興奮した空気に包まれた。さらに「愛してるぜ東北!」というTERUの叫びから「I'm in Love」が始まると、ステージには東北六魂祭を構成する青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつり、福島わらじまつりのグループが登場。観客は歌でこの曲に参加し、メインフレーズの「I'm just in Love」を繰り返し熱唱する。徐々に大きくなる合唱に、HISASHIが目を潤ませる様子も見られた。

ライブの後半では、無線で光を操作するリストバンド型ライト「GLAY EXPOバンド」が大活躍。TERUが「夢を持ってる人たちの応援歌になれば」と思って書き上げたという新曲「疾走れ!ミライ」では、爽快なバンドサウンドにあわせて、光が明滅し壮大な景色を作り出した。またライブの折り返し地点では、JIROが突然脱退宣言をし、それに怒ったHISASHIが彼に直接対決を申し込むというドラマ「A GLAY'S FILM」が上映され会場の笑いを誘う。リングに上がった2人の姿が映し出され、ゴングが鳴ったところで、黒い衣装に着替えたJIROとHISASHIが登場した。そして披露されたのは2人がツインボーカルで歌う「BLACK MONEY」。戦うように音をぶつけ合い、歌う2人に観客は釘付けになる。HISASHIは「デビュー20年でこの距離感変わらないです(笑)」と言い、JIROとの距離をこれからさらに20年かけて縮めていくことを宣言した。そんな一幕を経てTERUとTAKUROも合流し、4人は二手に分かれてフロートで客席後方へ移動していく。移動中は「FAME IS DEAD」「彼女の“Modern…”」が披露され、オーディエンスを喜ばせた。

メインステージに帰還したあとは、JIROの鳴らす太いベースから「VERB」が始まり、曲中で照明や火柱でステージが赤く染め上げられる。このブロックからストリングスも加わり、アンサンブルはより深く豊かに。「BEAUTIFUL DREAMER」が力強く響いたあとは「BE WITH YOU」に続き、柔らかなピアノの音色に乗せて「あなたに会えた事」とTERUが歌い出すと、驚きと喜びに満ちた歓声が発生。曲の展開とともにストリングスが重なり、繊細で優しい空気が広いスタジアムを包み込んだ。さらに集まったファンへの感謝の思いを伝えるように披露された「SAY YOUR DREAM」では、スケール感のあるバンドサウンドと伸びやかな歌声が広がっていく。TERUは「今出会えた事にとても感謝している」と歌詞を1人ひとりに語りかけるように歌い、最後は目を閉じたままマイクを両手で握りしめて歌声を響かせた。また「Bible」の序盤ではTERUが声を詰まらせ歌えなくなる瞬間も。それをサポートするように客席から声が上がりTERUは「僕らが少しでも幸せにできたらと思います。東北がんばろうぜ!」と自らを鼓舞させるように叫んだ。本編のラストを飾った「生きてく強さ」でTERUは目を潤ませながら両手を胸に当て、JIROは目を閉じたまま観客の歌声を受け止める。そしてTAKUROが奏でるギターとともに花火が打ち上がり、TERUの「強く生きていこうぜ。ホントにみんなに会えてよかった、ありがとう!」「愛してるぜみんな!」という言葉をもって本編は終了した。

アンコール前には大きな花火が打ち上がったほか、アリーナエリアの観客の「GLAY EXPOバンド」が灯りライブのロゴを描き出す。さらにスクリーンでは震災によって壊れてしまった聖火台を描いたアニメが上映され、メンバーの東北への思いが伝えられる。その後、メンバーがステージの後方スタンドにある聖火台に足を運びTAKUROが代表して聖火台に火を灯し、TERUは「壊れたものを直すのは大変で、元通りに戻すのは大変ですが、思い出に火を灯すことはできます。みんなの心に愛の灯火を」と口にした。

スタンド席の合間を縫ってメインステージに戻ったあと、TAKUROは改めてファンのおかげで「GLAY EXPO」が実現できたことをしみじみと語る。そして「『EXPO』が少しでも復興の歩みを進めることができれば」と震災復興への思いを明かし、「聖火台の火は明日にも消えてしまうかもしれない。でも必ず足を運んで灯火をつけに来ます。またGLAYはここに戻ってきます」「僕らのこれからは東北と共にあります」と宣言した。そして「やるのは正直怖いし、つらいけど、みんながいれば力強い歌になる気がして」と「君にあえたら」につなげた。TAKUROとHISASHIが紡ぐ柔らかなギターに乗せて、TERUが力強く声を重ね、JIROは涙をこらえながらベースを鳴らす。優しい風がスタジアムを吹き抜け、炎の演出が温かなムードを生み出した「HOWEVER」を経て、いよいよラストナンバーへ。TERUは「こういう素晴らしい光景を見させてくれた皆さんに感謝します」「震災前に『BELOVED』を『EXPO』で大合唱しようという夢を持ちながら歩んでいた時期がありました。それから5年が経つのかな? やっとその約束が果たせる日が来ました。僕らも最高の愛を届けますので、最後の曲になってしまうのだけど一緒に歌ってください」という言葉から、TAKUROの爪弾くアコースティックギターの調べに乗せて「BELOVED」が始まる。メンバーは愛おしそうな眼差しで客席を見渡し、1音1音を丁寧に奏でていく。そしてこの日一番の大合唱が夜空に響く中、「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」はフィナーレへ。「みんな本気で愛してるぜ!」というTERUのシャウトが、スタジアムから空高く響きわたった。

なお10年ぶりの「GLAY EXPO」を無事終えたGLAYだが、早くも秋からアリーナツアー「GLAY ARENA TOUR 2014-2015 Miracle Music Hunt」を開催。また10月15日にニューシングル「百花繚乱 / 疾走れ!ミライ」、11月5日にはニューアルバム「MUSIC LIFE」を発表するなど、デビュー20周年を盛り上げるリリースやライブが続く。

GLAY「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」
2014年9月20日 ひとめぼれスタジアム宮城 セットリスト

01. BLEEZE
02. GLOBAL COMMUNICATION
03. グロリアス
04. 誘惑
05. ピーク果てしなく ソウル限りなく
06. サバイバル
07. 口唇
08. MISERY
09. HIGHCOMMUNICATIONS
10. I'm in Love
11. 疾走れ!ミライ
12. BLACK MONEY(JIRO&HISASHI)
13. FAME IS DEAD
14. 彼女の“Modern…”
15. VERB
16. BEAUTIFUL DREAMER
17. BE WITH YOU
18. SAY YOUR DREAM
19. Bible
20. 生きてく強さ
<アンコール>
21. 君にあえたら
22. HOWEVER
23. BELOVED

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