音楽ナタリー

上坂すみれ、涙の“聖地”興行で「キン肉マン」第20巻を配る

849

昨日2月11日の建国記念の日に上坂すみれが東京・中野サンプラザホールでライブ「革命的ブロードウェイ主義者同盟 総決起集会」を行った。

上坂は昨年の同日、東京・ニコファーレでアーティストデビュー発表イベント「上坂すみれプロジェクト 始動!! ~決起集会vol.0~」を開催。その壇上で自身と自身のファン、通称“同志”による集団「革命的ブロードウェイ主義者同盟」の立ち上げを宣言した。“同盟”結成1周年を記念した今回のライブは、彼女の人格形成に大きく寄与したという商業施設・中野ブロードウェイのある“聖地”中野で実施された。

スネークマンショー「咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー」、真鍋ちえみ「ねらわれた少女」、映画「Mr.BOO!」の主題歌であるサミュエル・ホイ「半斤八両」、ゲーム「パックマン」のプレイ中の音声などが開場SEとして流れるサンプラザに集まった同志は2200人。ライブ観覧時の諸注意を伝える場内アナウンスが「それでは同志の皆さま盛り上がってください」と告げると、彼らは歓声を上げ、続くソビエト社会主義共和国連邦国歌「祖国は我らのために」のリズムに合わせて“ゲバルトの赤い棒”ことウルトラレッドのペンライトを前後に大きく振り始める。

この日の実質的な1曲目は3月5日発売のシングル「パララックス・ビュー」通常盤のカップリング曲「無窮なり趣味者集団」。ステージ最前列に張られたスクリーンに投影された煽り映像とともにその音源が初披露されたのちスクリーンが取り払われると、そこには1月発売のアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」表題曲のアニメ版ビデオクリップとうり二つの出で立ちの上坂が。開演前の囲み取材で「ここ最近は『中野』という単語を聞くだけで緊張していた」と語っていた彼女だが、いざイントロが流れ出すと「ここが聖地だ! 同志諸君」と堂々とシャウト。エモーショナルに同曲を叩き込み「総決起集会」をスタートさせた。

大槻ケンヂ作詞、NARASAKI作曲の新曲「パララックス・ビュー」を歌い終えた上坂は、人体模型、信楽焼のタヌキ、イヌの置物、招き猫、10体近くの全身黒いマネキン、数台のブラウン管テレビなどが転がるステージを下手から上手まで小走りに横切りつつ、興奮を隠しきれない様子で「どうもどうもどうも」と同志諸君に早口で挨拶する。そして「PVの完全再現」だとするこの日の衣装に言及。「これで私はいつでもコミケのコスプレ広場に行ける!」と客席を笑わせた。

ライブ序盤からマネキンに扮していた全身タイツ姿のダンサーと、ステージ後方の巨大ディスプレイに映し出されたアニメーションと見事なシンクロダンスを披露した「テトリアシトリ」や、アーバンギャルドの面々が制作した新曲「すみれコード」ののち、上坂はいったん退場。ディスプレイに“1991年、ソビエト連邦崩壊”、“2013年、チェリャビンスク州に隕石落下”などロシアの歴史を追いつつ、マネージャー、レーベルスタッフ、スタイリスト、コリオグラファの証言をもとに彼女のバイオグラフィを振り返る映像が投影される。その映像終了と同時にピンクのギンガムチェックのブラウスと、「メンコ」「手りゅう弾」「無版権のお面」「しっぽ」などがあしらわれた「中野的スカート」にお色直しした上坂がタワーレコードの買い物カゴをぶら下げてステージに登場。「荒唐無稽」なコーナー「上坂すみれの遠くてごめんなさい」をスタートさせる。

先の映像中、レーベルプロデューサーに、これまで数百人前後のキャパシティの会場で“決起集会”を展開してきた彼女が2000人規模の中野サンプラザで従来同様、同志の身近な存在でいられるのか?と疑問を呈された上坂は「あなたの顔をしかと記憶して帰りたい」と再びステージを離脱。カメラを伴ってホール外の廊下から客席を目指すも、その道のりはかなりの珍道中に。

なぜか階段に転がっていたナポリタンスパゲティのパックを拾っては「中野ブロードウェイの4階ってナポリタンの匂いがしません?」と彼女の様子をディスプレイで観ている2200人に尋ね、ドアを開けた瞬間レーベルスタッフに出くわしたことに驚いてはそのフルネームを叫びながら2階席の最奥と1階席最奥へと移動した上坂は、買い物カゴの中の、自ら中野ブロードウェイでセレクトしたアイテムの数々を同志諸君にプレゼント。マンガ「キン肉マン」20巻や「ドン・ドラキュラ」2巻、同じくマンガ「スーパードクターK」「GS美神 極楽大作戦!!」の単行本、高倉健のポストカード、200円で買った蛍光カラーの定規などを近くの同志に手渡し、ガチャガチャのカプセルを客席へと投げ込む。また上坂の写真をまとめたアルバムを掲げる同志を発見すると、その空きスペースに江頭2:50のポストカードを挿し「コンプリート、おめでとう!」とページが埋まったことをお祝いした。

放送中のアニメ「鬼灯の冷徹」で上坂が演じるピーチ・マキが、原作マンガの中でのみ歌っている楽曲「キャラメル桃ジャム120%」をアニメ本編よりも早くに披露すると、同志たちは初めて耳にした曲にもかかわらず、手元のペンライトを「なんかちょっとハレンチな感じがする」ピンク色に切り替える。上坂はこれに驚きつつも、続けてレオタード姿の4人のダンサーを伴って80年代アイドル歌謡風ナンバー「哀愁Fakeハネムーン」を、そこここで炎が上がる中で「FLYERS」を熱唱。そして同盟のフラッグを手にしたダンサーを背に「我旗の元へと集いたまえ」を歌い踊ったところでライブ本編は終了。彼女は「ありがとうございました」と手を振り、ステージをあとにした。

直後に巻き起こった熱い「すみぺ」コールに応えた上坂は、これまでの全ライブTシャツをリメイクしたTシャツにスカート、同様にグッズのバンダナをリメイクしたベルトと、ソックスをアレンジしたリストバンドをまとって再びステージに。感謝の言葉に続けて、彼女が小鳥遊空役を務めたアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」のキャラクターソング「ソライロ」を歌い出すと、客席には同盟のロゴマークが描かれた3つの大きな風船が投げ込まれる。同志諸君がその風船をトスし合っていると、途中で破裂。中から小さなロゴ入り風船が無数に飛び出し、アンコールのステージに花を添えた。

その後上坂は、来年の建国記念の日に中野サンプラザで「第二回 革ブロ総決起集会」を開催することを発表し、同盟のスローガン「生産!」「団結!」「反抑圧!」を同志と三唱。数十人に及ぶ関係者をステージに上げ、この日のラストナンバー「革命的ブロードウェイ主義者同盟」を高らかに歌い上げる。そして熱演のあまりTシャツの肩がはだけていたことに気付き、今日はストラップが透明のインナーを着てきたから大丈夫と口を尖らせる彼女に爆笑する2200人とともにロシア語で「万歳」を意味する「ypa!」を三唱し終えた瞬間、感極まったか、堰を切ったように泣き出してしまう。すると2200人からは、アンコールを求めるときとは違う優しげな「すみぺ」コールが贈られる。

この声に泣き笑いの彼女は「みんな大好き!」とひと言。「今日という日を迎えられてよかったです」「2014年、これからもついてきてくれますか?」「革ブロの同志としてよろしくお願いします!」と深々と頭を下げ「解散!」とシャウトして、“聖地”での総決起集会を感動のうちに締めくくった。

上坂すみれ「革命的ブロードウェイ主義者同盟 総決起集会」
2014年2月11日(火・祝)東京都 中野サンプラザホール セットリスト

01. 革命的ブロードウェイ主義者同盟
02. サイケデリック純情
03. パララックス・ビュー
04. テトリアシトリ
05. SUMIRE #propaganda
06. すみれコード
07. げんし、女子は、たいようだった。
08. アオくユレている
09. キャラメル桃ジャム120%
10. 哀愁Fakeハネムーン
11. 真・革命伝説
12. FLYERS
13. 我旗の元へと集いたまえ
<アンコール>
14. ソライロ
15. 我らと我らの道を
16. 七つの海よりキミの海
17. 革命的ブロードウェイ主義者同盟

※記事初出時、本文に事実とは異なる記載がありました。訂正してお詫びいたします。

音楽ナタリーをフォロー

  • スタッフ募集のお知らせ【プロモーションプランナー】