ライムス×SOIL、クリスマス福島で大興奮のセッション祭り

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RHYMESTERが12月25日に福島・いわき芸術文化交流館アリオスでSOIL & "PIMP" SESSIONSとのツーマンライブ「がんばっぺいわき激音祭 『ベストバウト Vol.2』RHYMESTER vs SOIL&"PIMP"SESSIONS」を実施した。

「がんばっぺいわき激音祭 『ベストバウト Vol.2』RHYMESTER vs SOIL&"PIMP"SESSIONS」の様子。

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「がんばっぺいわき激音祭 『ベストバウト Vol.2』RHYMESTER vs SOIL&"PIMP"SESSIONS」の様子。

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RHYMESTER

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SOIL & "PIMP" SESSIONS

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「ベストバウト」はRHYMESTER主催の対バンイベントで、今年7月の東京・LIQUIDROOM ebisu公演に続きこの日が2回目の開催となる。なおイベントは「地元・いわきに娯楽を」というテーマのシリーズイベント「がんばっぺいわき激音祭」のファイナル公演としても行われた。

地元DJがオールドスクールなヒップホップやR&Bで開演前の会場を温めると、イベントの司会者が登場。そしてRHYMESTERの3人を迎え入れる。「せっかくのクリスマスなのに、他に行くところないんですか?」と宇多丸が軽妙なトークで観客を笑わせるなど、イベントは和やかなムードでスタートした。

しかし、それをぶち壊したは真っ赤なライトをバックに登場したSOIL & "PIMP" SESSIONS。「ベストバウト」というイベントタイトル通り、RHYMESTERに挑みかかるような攻撃的な演奏を聴かせる。序盤で披露した「SABOTAGE」「POP KORN」では、早くも観客の表情に熱気が帯びていく。その様子を見た社長(アジテーター)が「いいね。その笑顔、最高だよ」と語りかけると、場内は大きな声援をバンドに浴びせた。またMCでみどりん(Dr)の故郷がいわきであることであることを社長が告げると、そこから壮絶なドラムソロがスタート。そこにオーディエンスの手拍子が加わり、客席とバンドが一体となったグルーヴを作り出す。クライマックスには「Fantastic Planet」「殺戮のテーマ」を投下し、RHYMESTERへとバトンをつないだ。

おもむろにステージに現れたDJ JINが最初にプレイしたのはファンキーなビートにアレンジされたクリスマスソング。会場全体で「ジングルベル」を合唱した。「クリスマスっぽいのはここまです」と宣言すると、3人は「ONCE AGAIN」「付和Ride On」をフルスロットルでパフォーマンス。「RHYMESTERが福島に帰ってきたぜー」と宇多丸が絶叫すると、観客も熱い声援でこれに応えた。ありもののレコードの上で無理矢理ラップする“1枚使い”で演奏された「ちょうどいい」、レコードの2枚使いでグルーヴを起こす「Deejay Deejay」、会場をメロウなムードに染め上げた「グラキャビ」など、RHYMESTERはグループの持つさまざまな表情をステージ上で披露する。そして「震災以降、福島の皆さんの前で歌っても恥ずかしくない曲を書こうと思って作りました」というMC後に歌唱した「The Choice Is Yours」では、サビで大合唱が巻き起こった。

最後の曲が終わってもステージに残るRHYMESTERのメンバー。宇多丸が「じゃあ、『ベストバウト』の所以とも言えること、やっちゃいます?」とオーディエンスの期待を煽り、SOIL & "PIMP" SESSIONSを再びステージに呼び込む。「この組み合わせと言ったら“アレ”ですよね!」という宇多丸の声からSOIL & "PIMP" SESSIONSの「ジャズィ・カンヴァセイション feat. RHYMESTER」がスタート。相性バッチリの両者は、完璧な演奏を披露する。間奏では丈青(Piano)が「ジングルベル」のフレーズを弾くなど、遊び心も交えながら最高のグルーヴを作り上げた。

「みなさん、ここまではある意味想定内でしょ? ここからはRHYMESTERの曲をSOIL & "PIMP" SESSIONSの演奏でやってみたいと思います。RHYMESTERと言えばあの曲っていうのがありますよね!」と宇多丸が言うと、元晴(Sax)とタブゾンビ(Tp)が「B-BOYイズム」の印象的なフレーズを力強く吹き上げる。Mummy-Dのパンチライン「俺の名前は黄色いB-BOY」では老若男女関係なく会場の全員が拳を突き上げて絶叫していた。続いてプレイされたのは「フラッシュバック、夏。」。Mitsu the beatsプロデュースによるスムースなオリジナルに、SOIL & "PIMP" SESSIONSが生演奏の持つダイナミズムとグルーヴを加え、いつもとはひと味もふた味も違うスペシャルなパフォーマンスを繰り広げた。

「次は僕らが一緒にやるきっかけになった曲をやります」という社長の声からはじめられたのは、SOIL & "PIMP" SESSIONS演奏の「Shaft in Africa」上でライムスターの「ライムスターイズインザハウス」が乗るスペシャルバージョン。「とあるフェスの打ち上げでこの曲をノリでやったら、本当に気持ちよくて。それが「ジャズィ・カンヴァセイション』につながっていったんです」と語る通り、誰よりもステージに立つ9人全員がセッションならではの、偶発的なスリルと迫力を心底楽しんでいる様子だった。

「今この組み合わせってこういうのはここでしかあり得ないわけじゃないですか。それはもちろん僕らとここに来てもらってる皆さんの組み合わせってことだよ。だから皆さんがもっと盛り上がってくれれば、僕らももっともっといいステージをお見せできるわけですよ」と、宇多丸がみんなでイベントを作り上げていることを強調すると、Mummy-Dも「みんなで最高のクリスマスにしましょう!」と絶叫した。その言葉通り、観客からも最高の声援がステージに送られ、ステージ上のメンバーもそれに応えるべくこれまで以上に熱いパフォーマンス繰り広げた。嵐のようなパフォーマンスを終えたあと「(震災以降)こんなふうに年末にパーティができるようになったところまでこぎつけた福島の皆さんに拍手を。みんな、お疲れ!」と宇多丸は観客に対して大きなリスペクトを送り本編の幕を下ろした。

しかし鳴り止まない拍手に再びRHYMESTERとSOIL & "PIMP" SESSIONSのメンバーが登場。宇多丸は「僕らにもこのイベントが終わってほしくない感があるんですよ。(ステージ上のみんな)本当に楽しいんです」と述べ、社長の「みなさんの手拍子、声、ノイズも楽器なんです。最後まで一緒にもりあがりましょう!」という発言から演奏されたのはSOIL & "PIMP" SESSIONS「Mature」にRHYMESTERの「スタンバイ・チューン」のラップを乗せた特別バージョン。この曲では丈青、元晴、タブゾンビ、秋田ゴールドマン(B)のソロパートに加え、DJ JINとみどりんのセッションソロも実施された。DJ JINのスクラッチに呼応して、みどりんがフリースタイルのビートを叩き出す。テンションがマックスに達したDJ JINはDJブースに上ってスクラッチを披露し、オーディエンスからこの日一番大きな声援を集めた。

最後は社長が「みんな楽しめた?」と聞くと、絶叫に近い「イエー」が帰ってくる。宇多丸が「みんな、最高! これで終了でーす」とマイクを通さずに絶叫すると、Mummy-Dも「みんな今年もいろいろあったと思うけど、来年はもっといい1年になるように祈ってます」と話し、壮絶なクリスマスツーマンライブを終えた。

「がんばっぺいわき激音祭 『ベストバウト Vol.2』RHYMESTER vs SOIL&"PIMP"SESSIONS」セットリスト

SOIL & "PIMP" SESSIONS

01. SABOTAGE
02. POP KORN
03. BLACK WIDOW
04. FIRST LADY
05. Fantastic Planet
06. 殺戮のテーマ

RHYMESTER

01. X'mas intro
02. ONCE AGAIN
03. 付和Ride On
04. ちょうどいい
05. Deejay Deejay
06. グラキャビ
07. ザ・グレート・アマチュアリズム
08. K.U.F.U.
09. The Choice Is Yours

RHYMESTER vs SOIL&"PIMP"SESSIONS

01. ジャズィ・カンヴァセイション
02. B-BOYイズム
03. フラッシュバック、夏。
04. Shaft in Africa + ライムスターイズインザハウス
<アンコール>
05. Mature + スタンバイ・チューン

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