出演者からビデオレターも!あまちゃんバンド最終公演大盛況

1

218

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 36 32
  • 65 シェア

大友良英&「あまちゃん」スペシャルビッグバンドが昨日12月5日に東京・NHKホールでコンサートを行った。

大友良英 &「あまちゃん」スペシャルビッグバンド「大友良英 &『あまちゃん』スペシャルビッグバンド コンサート」東京・NHKホール公演の模様。

大友良英 &「あまちゃん」スペシャルビッグバンド「大友良英 &『あまちゃん』スペシャルビッグバンド コンサート」東京・NHKホール公演の模様。

大きなサイズで見る(全10件)

Sachiko Mが参加した楽曲が演奏された際の模様。手前左がSachiko M。

Sachiko Mが参加した楽曲が演奏された際の模様。手前左がSachiko M。

大きなサイズで見る(全10件)

大友良英

大友良英

大きなサイズで見る(全10件)

「あまちゃんアンコール~連続テレビ小説『あまちゃん』オリジナル・サウンドトラック 3~」ジャケット

「あまちゃんアンコール~連続テレビ小説『あまちゃん』オリジナル・サウンドトラック 3~」ジャケット

大きなサイズで見る(全10件)

この公演は同バンドが東名阪を回ったライブツアーのファイナルで、2部構成で実施。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の劇伴を生み出した大友が、劇伴のレコーディングに携わったミュージシャンたちとともに「あまちゃん」の楽曲を再現した。またこの日のNHKホールでは、ドラマで使用された衣装やセットの一部が展示される「あまちゃんスペシャルギャラリー」も同時開催された。ファンたちは撮影のために衣装やセットの前で長蛇の列を作り出し、いまだ衰えぬ「あまちゃん」人気を感じさせた。

ミュージシャンたちがステージ上にずらりと並ぶといよいよ第1部のスタート。ステージ上手に陣取った大友が「今日で最後になりましたけど……」と挨拶したのちバンドに合図を送ると、ドラマのオープニングテーマを繰り出し会場を沸かせた。2013年を代表するキラーチューンで観客の手拍子や大喝采を生み出すと、さらに大友は「思う存分楽しんでください」と続け、軽快なスネアが楽しい「行動のマーチ」や、 塩見三省が演じた人気キャラ“勉さん”に向けて作ったという「琥珀色のブルース」を続けオーディエンスをドラマの世界へ導いていく。さらに“海女軍団”のてんやわんやをイメージして制作された「あまちゃんクレッツマー」やジミ・ヘンドリクスをモチーフに作り、ドラマで最も多く使用されたトラックであるという「地味で変で微妙」では、各楽器のサウンドが渾然一体となり会場をカオスな雰囲気が包んでいった。第1部の後半では、大友が1960年代から70年代にかけて放送されたバラエティ番組「シャボン玉ホリデー」の雰囲気を意識したという「銀幕のスター」、ドラマの人気キャラである水口琢磨(松田龍平)に向けて作られた「ミズタク物語」などがプレイされた。作品を彩った楽曲が力強く息のあった演奏で再現されると、観客たちは「あの曲か」と思い出すような表情を浮かべながら音に身を委ねていた。

第2部の冒頭を飾った「トンネル~大地」「友情と軋轢」の演奏には、ゲストとしてSachiko Mが参加。彼女はバンドの奏でる演奏にサイン波を重ね、センチメンタルな雰囲気の2曲に味わいを与える。中でも「友情と軋轢」では、Sachiko Mが繰り出す「プツッ……ピー……」という電子音や大友のノイズ的なギターサウンドが織りなす荒廃的なイメージと、江藤直子が奏でる柔らかなピアノの音色が美しいコントラスト作り出した。

Sachiko Mがステージから去ると、大友が「ここでメッセージがありまして」と切り出し、「あまちゃん」主人公の天野アキを演じた能年玲奈、アキの祖母の天野夏を演じた宮本信子、そしてドラマの脚本を手がけた宮藤官九郎からのメッセージビデオを上映。3人は「あまちゃん音楽の魅力」「あまちゃんの音楽で好きなものは?」といった質問に答え観客の関心を誘った。ビデオメッセージで能年は「好きな曲」として「オープニングテーマや『あまちゃんクレッツマー』、あとは『希求』も」と答え、宮本は「あまちゃん音楽の魅力」についての質問に「最高!」と賛辞を送る。そして宮藤はドラマ内に登場するアイドルソング「暦の上ではディセンバー」の制作について「まさか大友さんがラップを送ってくるとは」と語る。大友はそれに反論し会場の笑いを誘っていた。

その後は「最初、『潮騒のメモリー』のメロディとして作ってボツにしていて、その後アキの曲としてメロディを変えて作り直した」という「アキのテーマ」や、ドラマ内のアイドルグループGMTの楽曲「地元に帰ろう」のインストバージョン、「暦の上ではディセンバー」のデキシーバージョンなどが届けられる。大友による楽曲の解説やコンサート用にアレンジされた演奏が観客をうならせながら、コンサートは終盤へと突入していった。「希求」では、ハーモニカをフィーチャーしたアレンジでセンチメンタルな雰囲気が生み出され、さらにロケ地である岩手県久慈市の海をイメージして作った「海」では、フルート、アコーディオン、ピアノ、マリンバなどの音色が壮大に絡みあい、生楽器の魅力を観客にダイレクトに伝えていく。そして大友のディストーションギターのコードストロークと、ライブなドラムサウンドが味わい深い「灯台」が力強く奏でられたところで本編は終了した。

アンコールでは、「やっぱり『潮騒』やらなきゃ終われないよね」と大友が語り、天野春子(小泉今日子)歌唱バージョンがCD化もされた「潮騒のメモリー」が届けられることに。大友は「僕は、ドラマの中でこの曲を歌った小泉さんや薬師丸(ひろ子)さんや能年さんの電話番号を知らないから、彼女たちは今日はいません(笑)。でも、皆さんが歌ってください」と告げると、観客は大合唱で応えていた。そして大友が「最後を飾るのはこの曲しかないでしょう」と語り届けたのは、再び「あまちゃん」のオープニングテーマ。この日2度目の同楽曲の演奏で観客を楽しませると、スタンディングオベーションの中3時間におよんだ公演が終了した。

大友良英&「あまちゃん」スペシャルビッグバンドは12月25日にサウンドトラック第3弾となる「あまちゃんアンコール~連続テレビ小説『あまちゃん』オリジナル・サウンドトラック 3~」をリリースする。本作にはオープニングテーマや「暦の上ではディセンバー」「希求」など、今回のコンサートでも演奏された楽曲の数々がさまざまなバージョンで収録される。

大友良英 &「あまちゃん」スペシャルビッグバンド コンサート
2013年12月5日 東京都 NHKホール

演奏メンバー

大友良英(G)
江藤直子(Piano)
近藤達郎(Key, Harmonica)
齋藤寛(Flute)
井上梨江(Clarinet)
鈴木広志(Sax)
江川良子(Sax)
東涼太(Sax)
佐藤秀徳(Trumpet)
今込治(Trombone)
木村仁哉(Tuba)
大口俊輔(Accordion)
かわいしのぶ(B)
芳垣安洋(Dr)
小林武文(Dr, Per)
相川瞳(Per)
上原なな江(Per)
Sachiko M(Sinewave)

セットリスト

<第1部>
01. オープニングテーマ
02. 行動のマーチ
03. あまちゃんクレッツマー
04. あまちゃんワルツ
05. 琥珀色のブルース
06. 地味で変で微妙
07. 銀幕のスター
08. 芸能界
09. ミズタク物語
10. アイドル狂想曲
<第2部>
11. トンネル~大地(※ゲスト:Sachiko M)
12. 友情と軋轢(※ゲスト:Sachiko M)
13. 奈落のデキシー(暦の上ではディセンバー)
14. 上野アメ横 1984
15. アキのテーマ
16. 地元に帰ろう
17. TIME
18. 希求
19. 海
20. 灯台
<アンコール>
21. 潮騒のメモリー
22. オープニングテーマ

この記事の画像(全10件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

出演者からビデオレターも!あまちゃんバンド最終公演大盛況 http://t.co/Nc3yzTurvO #あまちゃん

コメントを読む(1件)

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 大友良英 / グループ魂 / 小泉今日子 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。