“今、上演する価値がある作品”、紅ゆずるら出演「姫が愛したダニ小僧」公開稽古
2025年12月11日 21:05
1 ステージナタリー編集部
紅ゆずるが主演を務める大阪国際文化芸術プロジェクト「姫が愛したダニ小僧」の取材会が、本日12月11日に東京都内で行われた。
「大阪国際文化芸術プロジェクト」は、「大阪・関西万博」開催時を中心に、国内外からの来阪者に大阪の文化芸術を楽しんでもらうことを目的に、2023年度から開催されている企画。その一環として実施される本公演では、後藤ひろひとが1998年に書き下ろした「姫が愛したダニ小僧」が、後藤自らの演出によりリバイバル上演される。
本日の取材会では、公開稽古と囲み取材が行われた。公開稽古では、男性ブランコの浦井のりひろ扮するサラリーマンの飯田が命を絶とうとしたところに、後藤扮する男Aが現れ、人生や命に関する議論を始めるシーンと、水田航生扮する祐一と松井愛莉扮するエリ夫妻が老人ホームを訪れ、紅ゆずる扮する老婆と出会うシーンが披露された。車イスに乗った紅は、とある国の王の娘“すみれ姫”であると自認する不思議な老婆を表情豊かに演じた。
囲み取材には、作・演出を手がける後藤、紅らメインキャストが出席。後藤は「『姫が愛したダニ小僧』は、大阪球場(大阪スタヂアム)がなくなる際にメモリアル上演させていただいた野外演劇。大阪という土地が発展し変わっていく中でも、大阪の人々の心は変わらない、というテーマで執筆しました。今年『大阪・関西万博』が開催されたこともあり、大阪の状況は大きく変わりましたが、それでもやっぱり変わらないものがある。今だからこそ伝わる表現もあるので、今、上演する価値がある作品だと思っています」と手応えを語る。今年上演された大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」に続き、後藤とタッグを組む紅は「私が演じる老婆は、現代に生きる人々と関わる中でさまざまなことを吸収し、自分が培ってきた経験とかけ合わせながら、成長していく役どころ。お芝居を通して、彼女の“変化”を見せられたら」と意気込みを述べた。
祐一役の水田は「祐一は、“すみれ姫”によって不思議な世界にいざなわれながらも、現実的な視点で物事を捉えているキャラクター。でも最終的には、自分が否定していた空想の世界に、誰よりも浸かっている。また、大声で人にツッコむ役柄を演じたことがあまりなかったので、新たな挑戦ができることに対してワクワクしています」と心境を明かし、エリ役の松井は「エリは、“すみれ姫”を外の世界へ連れ出す張本人。夫の祐一とは対照的で、自ら空想の世界にどっぷりハマり、不思議な世界を人一倍楽しめるような人物だと思います。カンパニーの皆さんに助けてもらいながら、がんばってお稽古をしています」と笑顔を見せる。
山崎真実は「私は“豚女”という強烈な名前のキャラクターを演じます。物語の中盤以降に出番があるので、皆さんがハチャメチャなお芝居で盛り上げてくださったあとに登場することに対してプレッシャーもありますが、役名のインパクトに負けないようにがんばります!」とコメント。飯田役の浦井は「飯田は俯瞰した立場で物語を見ているキャラクター。お客さんに一番近い視点を持った人物なので、観客の皆さんに寄り添ったお芝居ができるよう、心がけたいと思います」と落ち着いたトーンで話す。フォークダンスのコンテストを舞台にした後藤の作品「FOLKER」に続き、ねじ武史役を演じる男性ブランコの平井まさあきは「『FOLKER』ではダンスに初挑戦し、見事勝利を収めたわけですが……」と得意げに話し、「今回もあることに挑戦します。それは、腹筋善之介さんとのバトルで勝利すること。大王と腹筋善之介さんを擁するPiperと男性ブランコの闘いにご注目ください」と意気込みを語る。すると、浦井が「巻き込まんといてくれ」とツッコミを入れ、登壇者たちの笑いを誘った。
「姫が愛したダニ小僧」の公演は、1月9日から18日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。
大阪国際文化芸術プロジェクト「姫が愛したダニ小僧」
開催日程・会場
2026年1月9日(金)〜18日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
スタッフ
作・演出:後藤ひろひと
出演
紅ゆずる / 水田航生 / 松井愛莉 / 平井まさあき(男性ブランコ) / 浦井のりひろ(男性ブランコ) / 山崎真実 / 桜庭大翔 / 梅澤裕介 / 丹下真寿美 / 大路恵美 / 大西ユースケ / 天知翔太 / 中尾多福 / 平松美紅 / 腹筋善之介 / 中村まこと / 後藤ひろひと / 波岡一喜
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