“挑戦”の「初春大歌舞伎」に廣松・福之助・虎之介・鷹之資が思い

2025年12月10日 11:00 23 1 ステージナタリー編集部

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1月に東京・新橋演舞場で上演される「初春大歌舞伎」に出演する大谷廣松、中村福之助、中村虎之介、中村鷹之資の取材会が、昨日12月9日に東京都内で行われた。

「初春大歌舞伎」会見より。左から中村鷹之資、中村福之助、大谷廣松、中村虎之介。

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「初春大歌舞伎」は市川團十郎をはじめ花形俳優たちが多数出演する初春興行。昼の部では「操り三番叟」「鳴神」「熊谷陣屋」「仕初口上」、夜の部では「矢の根」「児雷也豪傑譚話」「春興鏡獅子」が披露される。

「初春大歌舞伎」会見より、大谷廣松。［高画質で見る］

「初春大歌舞伎」会見より、中村福之助。［高画質で見る］

廣松は「『鳴神』雲の絶間姫は初役で、祖父（四代目中村雀右衛門）と叔父（五代目雀右衛門）が得意とするお役です。今回お話をいただき、うれしく、緊張もし、びっくりもしました。いろいろな感情が入り混じる中での挑戦となります」と心境を語る。福之助は「『鳴神』鳴神上人は（中村）橋之助が先にやる役だと思っていたので、まさかという思いです。スチール撮影のときには父（中村芝翫）も来てくれて『うれしい』と言ってくれました。期待を感じつつ、本興行ですからクオリティにこだわってがんばりたいです」と意気込む。

「初春大歌舞伎」会見より、中村虎之介。［高画質で見る］

「初春大歌舞伎」会見より、中村鷹之資。［高画質で見る］

「熊谷陣屋」で源義経を演じる虎之介は「『熊谷』は音羽屋のおじさまに教えていただくことになっています。これから何度教えていただけるかわからないですが、大きい役をいただいたときにしっかり教えていただきたいですし、義経は特別なお役で、いわゆる任と言われるものに近いなと思っています。任である役を磨いていきたいです」と話す。「新橋演舞場の演目に昼夜出させていただけること、團十郎のお兄さんの演目で歌舞伎十八番をやらせていただけることがうれしいです」と話したのは鷹之資。「鳴神」は團十郎から教えてもらうと言い「鳴神上人は密かにやってみたいなと思っていた役で、こんなに早く機会を得られるとは。今回はWキャストなので、福之助の兄さんと詰めていけたらと思います」と話した。

「初春大歌舞伎」会見より。左から中村鷹之資、中村福之助、大谷廣松、中村虎之介。［高画質で見る］

Wキャストについての思いを問われると、福之助は「実は自分より年下とのWキャストは今回が初めて。僕はプライドとかはないので（笑）、大ちゃん（鷹之資）が演じる鳴神上人も見ながらいいところを吸収できたら」と話す。鷹之資は「僕も兄さんのいいところを取り入れたいと思いますし、自分なりの鳴神上人を演じられたら。ただ今回、鳴神上人だけがWキャストで、その相手をする雲の絶間姫は大変だと思いますが（笑）」と廣松に目線を向けると、廣松は困り顔をしながら「相手役がWキャストというのは僕も初めて。ただ、2人とも習う大元は同じなので大幅に変わることはないかと思います。僕も初役で精一杯なので、そろえるところはそろえてねと2人には伝えています」と話して場を和ませた。

また團十郎が、新橋演舞場公演は挑戦の場だと語っていたことを受けて、どんな思いで臨むかを問われると、廣松は「僕も割と最初の方から、お正月の演舞場は出させてもらっていますが、いつもは成田屋が走り回るという形の公演が多かったかなと思いますが、今回は若手に任せてくれる部分が多く、僕らにとっても團十郎のお兄さんにとっても挑戦だと思います」と真摯に語る。

「初春大歌舞伎」会見より。左から中村鷹之資、中村福之助、大谷廣松、中村虎之介。［高画質で見る］

福之助は「1月にどこの劇場に出るのかで1年の印象が変わると思っていて、来年は『鳴神』で始まるので、挑戦だなと思います。若手に役を与えるというのは、團十郎さんにとってもリスクがあることかもしれないし、僕も團十郎のお兄さんの『鳴神』が観たいよと思うのですが、僕たちが渡されたバトンをどうしていくかが大事だと思うので、そのことをしっかり感じつつ恩返しできたら」と語った。

虎之介は「僕は新年だから燃えてやろうという感じではなく、淡々と粛々と自分の仕事をしたいです」とキリッとした表情を見せ、鷹之資は「古典の名作ぞろいと言いますか、僕自身も興奮してしまうくらいの演目です。今、歌舞伎に若いお客様が増えてきている中で、古典の作品をどう見せるのかは課題。一番力を入れていかなければならない大きな公演でこういう機会をいただいたので、全身全霊で臨みます」と力を込めた。

「初春大歌舞伎」は1月3日から27日まで東京・新橋演舞場にて。

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